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ソラ・アゴーニの事情

「僕の婚約者ってかわいい子なんだ」


 この国のインターフォンには、訪れた人の顔を映すって機能がある。それによるとやってきた婚約者、リリニアはかわいい女の子だった。


 肌は陶器よりも白く、黒い目はぱっちりとしていて顔も小さいし。何よりも胸がヤバい。あの大きさはきっとCやDじゃないってくらい、大きい。


 かわいくて胸が大きいだなんて、最強じゃない? こんな人が僕の婚約者だなんてありえないんだけど。


『ソラ様、あなたは帝国の皇族です。皇帝の子どもであるあなたがあのようなよく分からない小さな国の貴族と結婚するなんて、普通はありえません』


 帝国語で、冷たくフロストは告げる。


 そりゃあフロストもかわいいといえばかわいい。でも胸の大きさが小さい。胸の豊かな人が多い帝国ではかなり目立ってしまうほど、フロストは貧乳だ。


 そこで巨乳かわいい婚約者を追い出したフロストには殺意しか湧かない。そりゃあこの家の管理をしているのはフロストなんだけどさ、僕の方が偉いはずだよね。それなのになんで僕の意思を無視して、好き勝手にやってるわけ?


『元の国へは戻れないんだから、少しくらいは優しくしてもいいと思うけどね。少なくとも僕はリリニアと会いたい』


『ソラ様の事情をリリニア様が理解してくれるとは思えません。あなたのような特殊な事情を理解できる人は少ないです。そこでリリニア様は無理でしょう』


 フロストは呆れたように僕を見る。


 そりゃあ僕は普通の人と同じように生きることができず、その結果この国で生活することになった。

この国では僕の持つ事情に関して配慮してくれるから、帝国よりもうーんと生きやすい。でも王国出身のリリニアがその事情に関して理解してくれるかは、分からない。


 でもあの巨乳かわいい婚約者を逃がすのはもったいない。なんとかしてでも近づきたい。


 この国では婚約関係なんてあんまりないんだ。ほっといたら(しゅう)とか、他の人がリリニアと結婚しちゃう。それは嫌だ。


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