何をするかは決まっています、アイツに一発叩き込む!!③
「遅いよあんた達、何してたんだい?」
「ごめんよ婆ちゃん!これでも大急ぎで来たんだ!」
俺の婆ちゃん
リティ•アーチ
協会のボランティアで教鞭を取っている
語学、算術、歴史、魔法学、薬学、医学、その他諸々
この人に知らないことは無いんじゃないかって位には物知りな婆ちゃんだ
そして爺ちゃんもだがこちらも60を越えているにしては若々しい見た目をしている
身長も俺より少し低いくらいでスラッとした体躯
未だに現役で狩りだってしている
「まぁいいさね、席に着きな、今日は歴史の復習だよ」
20人程度の年齢がまばらな生徒のいる教室で婆ちゃんは本を取り出す
「さて、年長組はもう耳にタコが出来ていると思うが、
この世界は5つの種族に別れている、人間族、獣人族、精霊族、亜人族、そして魔族。
魔族意外の4勢力はそれぞれの地域毎に小競り合いはあるものの比較的平和に暮らしている。
しかし魔族だけは違う、自分達以外の生物を殺し自分達だけの楽園を作ろうとしている、
この理由を説明出来る子はいるかい?」
「はーい」
すっとレガリアが挙手、こういうときレガリアは率先して前に出てくれる
「たまにはレガリアの子達にも発言してもらいたいねぇ、レガリア説明してごらん」
「魔族意外の4種族は神が創造したと言われていますが、魔族は魔王が造り出したからです。
魔王は神様と仲が悪く、神の創造物を全て壊すために魔族を造ったと言われています。
魔王が造り出した生物は瘴気がなければ基本的には生きてはいけません。
瘴気を産み出すことの出来る存在は魔王だけですが、魔王は異世界から召喚された勇者によって打ち倒されました。
ですが神は産み出された命である以上魔族にも慈悲を与え、現在瘴気で覆われてしまった土地はそのまま魔族に与えられました。
しかし魔族の創造目的は神の創造物の根絶と、自分達の勢力圏の拡大、魔王亡き今もそれは変わらず、未だ尚、生物の根絶のために動いています、それが魔王復活になると信じて」
「ありがとうレガリア、そうだね、その中でも特に大きな戦乱があったのが今から20年前、
神魔大戦と呼ばれる戦争があった。多くの生命が喪われたが神側の陣営で最も多くの活躍を残した者達を十英傑と呼んでいる」
その話は俺もよく知っている、小さい頃から聞かされてきた
だって…
「そのうちの一人がノアの父親と母親、あたし達の子供なんだよ」
俺の両親話でもあるから
「ただ、残念ながらノアの両親はもう亡くなっていてね…生きている英傑は8人だけさ、ノア、残りの英傑の種族は覚えているかい?」
「人間族に二人、亜人族に五人、精霊族に1人だろ?」
「正解だよ、名前は覚えているかい?」
「勿論、サージュ、グレイル、バハムート、ガンドル、クレセント、ウォルフ、メルティアナ、オリジン」
「正解だよ、さて、それぞれの役職なんかも説明してもらいたいところだが、そろそろ舟を漕いでる子達もいるからね、今日はここまでにしておこうかね。さて次はあんた達のお待ちかね、魔法の授業だ、今日は皆の得意な属性に合わせて訓練をしてもらうからね」
そう言うと婆ちゃんは本を閉じ教室を出る
俺たち以外の生徒も教室をでて協会裏へ向かう
「ノア、あたし達も行こ」
レガリアが声をかけて来た
「ああ、そうだな、今度は遅刻できないし急ぐか」
俺とレガリアも教室を後にする
俺は正直爺ちゃんの修行より婆ちゃんの魔法訓練の方が好きなんだよな
魔法の方が俺は得意だし
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