何をするかは決まっています、アイツに一発叩き込む!!②
雨が降る森の中…男が泣いている…
いや慟哭と言えるだろうか…力強い、およそ泣くこととは縁遠い見た目をした男…
あれは…女性を抱いている…?
女性には生気を感じられず事切れているようだ…
男が叫んでいるようだが…何を言っているのかわからない…
ただ、その目からは…憎しみが見える…あれは誰だろう…
声をかけたいが動かない…動けない…この小さな体では…
……キンカ
オキ…ンカ!
「起きんかこのバカ孫がぁ!!!!!」
「ピュッ!??いっっっっっっっったあああああ!!!!」
「とっとと起きんかバカタレめが!また浮気をしおってからに!」
「いや爺ちゃん!今回は未遂だ!俺はちょっと女の人に声をかけただけで…」
「言い訳すんなこのバカタレが!」
ゴンッ!!
そういうと今一度おれの頭に拳骨が入る
そう、この山みたいな大男…
年は食っているが、老いを感じさせない筋骨隆々な爺さん
この大男がおれの爺さん、ミスト•アーチ
この村で一番強い人間だ…
「ったく、いいか、ノア!別に妻を一人しかめとってはいけいということはないが、結婚もしとらんのに他の女にうつつを抜かす婚約者がこの世のどこにおる!!」
今さらかもしれんが、ノア•アーチ
俺の名前だ
「ゴメンよ爺ちゃん…だけどあの…胸を見るとどうしても自分では抗えない何かがあって…」
「わからんでは無いが自重せい!!」
「おい、クソ師匠」
ゲッ!レガリア!
「あ、いや、すまん…ゴホン、ともかくだ、ノア、もう少しレガリアの気持ちも考えてやれ、結婚前にこんなことをされては面目もたたんだろうに」
「そうだな…ホントにゴメン、レガリア」
「……ハァ…もうやめてね、ノア」
ようやくレガリアから怒気も消え、落ち着きを取り戻したようだ
「ってか爺ちゃん、稽古は?まだ朝稽古じゃないの?」
「バカタレ、お前は気絶してたが今はもう昼じゃよ、今頃他の子供らは昼飯食っとるわい」
「え、そんなに寝てたの?」
「まぁ数時間は寝とったの、レガリアも強くなったのぉ、まさかアイアンクローで気絶時間まで調節するとは」
「まだまだですよ師匠、本当は師匠が戻る前に起きてもらう予定だったんです」
え、なにそれ怖い、なんでレガリアそんな事出きるようなってんの…?
「まぁ実際お前さんはワシの魔闘法を一番うまく扱えとる、こやつも成長はしとるがまだまだじゃからのぅ」
「え、爺ちゃん、魔闘法って気絶時間調節とかできの…?」
「まぁ出来んことはないぞ?お主もわかっておるだろうが、魔闘法は己の魔力を肉体強化や治癒力の向上に使える、それを相手に治癒力を分けることも出来る、つまり相手に攻撃する際にうまく回復させてやればいいだけじゃ」
「師匠はそれを使って一週間組手とかできますもんね!私じゃまだ二日が限界かなぁ…」
「レガリアさんや?それは勿論休みながらだよな?」
「ううん?寝ないで丸二日稽古するんだよ?」
レガリアが何を言ってるんだろう的な顔で首を傾げる、
その仕草がまた可愛い…じゃなくて!
「爺ちゃん!あんた人の未来の奥さんになに仕込んでだよ!?」
「いやぁ、レガリアは才能があってのぉ、ついつい…」
「ついついじゃないよ!?」
ゴーン、ゴーン、ゴーン
「おっと、協会の鐘がなったのう、そろそろ婆さんの授業が始まる、二人とも行ってきなさい」
「「はーい」」
俺とレガリアは婆ちゃんの働いている協会へと急ぐ
婆ちゃんも遅刻すると怖いからな…
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