冒険者アドバイザーとしてのお仕事③
「次はレイの装備を確認しようか。頼むよガロン爺」
「そっちの子は剣士だったな、それなら棚はすぐ隣じゃ」
すぐ横の棚に移動して、今度はレイの装備を確認する。
ぱっと見だと戦士との区別はほとんどないように見えるが、ガロン爺が言うのだから間違いないだろう。
「レイはどんな剣士になりたいんだ?」
ふと浮かんだ疑問である。
同じパーティーだったアークはちょっと変わった剣士だったからだ。
剣士でありながら付与術士としてもトップクラスの実力で、自分と味方のエンチャントなどもしていた。
でも普通の剣士は自己強化を幾つか使える程度で、あとはひたすら剣の鍛錬をする人が多い。
「どんな剣士になりたいか、ですか」
「いや、その質問は早かったかもな。まだ明確な答えはなくてもいい。でも考えておくといいかもな」
「わかりました。考えてみます」
「はいカルマさん!」
と、ここで腕が耳に付くくらいに真っ直ぐ手を挙げている青年がいた。
カイトである。
「どうしたカイト?」
「俺はカルマさんみたいな戦士になりたいです!」
「俺?カイトなら俺なんかより凄い戦士になれるぞ。まぁ、俺の教えてやれることは全部教えてやるけどな」
お礼を言って深々と頭を下げるカイトを見て複雑な気持ちである。
実際ユニークスキルの最弱の俺と戦士向きのユニークスキルがあるカイトでは伸び代が違う。
だからこのオワリの冒険者で目指すべきは戦士像は神樹の盾のリーダー、アーノルド・デッケンスだろう。
俺は所詮、パーティーをクビになったお荷物でしかない。
という会話をしている間に、レイは着々と装備を着けていた。
「見た目は似たようなもんだが、鍛治師や革細工師はこう言うんじゃ。剣士の使う物より軽くて柔らかい素材を使っているとな」
革の手袋とブーツ、心臓の辺りだけカバーした胸当てを慣れた手付きで着せていく。
「剣はいいです、自分の得物があるので」
レイは自分の背中に担いである剣を触りそう答えた。
レイの実家は確か有名な剣術の道場だ。
その剣はここに置いてあるものより細く、美しかった。
「ふむ、いい剣じゃな。大事に使え」
「ありがとうございます」
レイは静かに頭を下げる。
何故彼が道場を継がずに冒険者を目指すのか、その答えが書いてありそうな複雑な表情だ。
しかしまだその辺は踏み込まないようにしないとな、ともう一度自分に言い聞かせる。
「さて、次はルミナの番……ってルミナは?」
「すいません、あそこです」
レイが指差した方向には、既に回復術師の装備が置いてありそうな場所にて、物色しているところだった。
今はちょうど首にかけるアクセサリーを選んでいるところである。
「ねえねえ見てこのアクセサリー。とっても素敵。シスターアンジェリーナの付けてるものとそっくりだわ」
「シスター・アンジェリーナ?知り合いか?」
「俺とルミナが育った孤児院に来てくれてたシスターです。今は冒険者をしていると聞いたのですけど、ご存知ないですか?」
「すまん、聞いたことないな」
カインに聞かれて俺はそう答えた。
そうか、この二人は孤児院の出身か。
この都市には、というかダンジョンのある都市には珍しくは無いが、孤児院は結構な数があったりする。
15年前の大侵攻で犠牲になった人の子供や、冒険者になって命を落とした人の子供が多くいるのだ。
「ねぇ、こっちも可愛いと思うでしょ。ちょっとカイン、レイ聞いてるの?」
普段はおとなしいルミナもやはり女の子だ。
服選びには時間が掛かるだろう。
二人はそれをよく知っているようで、若干顔を引き攣らせながらどれもこれも似合ってると答えてしまいにはルミナに怒られるのだった。
名前:ルミナ・スー
年齢:16歳
種族:ヒューマン
性別:女
職業:回復術師見習い
LV.10
体力:50
魔力:3000
攻撃:50
防御:50
敏捷:50
ユニークスキル"滅びの螺旋"
魔力以外のステータスは上昇しない
魔法を使用するたびに が蓄積する
が上限まで蓄積すると が起こる




