大侵攻②
シンダラ王国冒険者ギルドオワリ本部が掲げる冒険者五箇条というものがある。
・登録されていない冒険者はダンジョンに入るべからず
・ダンジョンには決して一人で入るべからず
・ダンジョン内で得た物は全てギルドに報告するべし
・有事の際は全ての冒険者が団結するべし
・最後まで諦めることなく生き抜くべし
先代のギルドマスターが達筆な字で書いたものが、ギルド本部の正面奥に今でも飾ってある。
その前に不動の状態で仁王立ちしている男がいた。
現在のギルドマスター、ジン・テンオウその人だ。
五年前に引退したこの都市唯一のSランク冒険者パーティーのリーダーで、当代最強の戦士と言われる人物が当時を彷彿とさせる完全装備で立っているのだから凄まじい威圧感である。
その横にはジンと同じパーティーにいたSランク冒険者で既に引退し後進の育成に力を入れている者の姿がある。
大魔導師サタニキアと第63代剣聖アルモンテである。
ギルド本部にはCランクとBランクの冒険者総勢百人を超える数が、開いた扉の外にはDランク以下の冒険者五百人近くがいた。
しかしその重苦しい雰囲気に僅かな衣擦れ音すら聞こえないほど異様な静けさだった。
ジンは一歩前に踏み出すと床が軋んだ音が響き渡る。
その目は少し遠くを、昔のことを思い出すような目をしていた。
「オワリの冒険者は少し特別だ、他所の冒険者とは少し違う。そもそも冒険者と言う呼び方すら違和感があるとさえ俺は思っている。十五年前突如現れたダンジョン、そこから這い出てきたアンデッドに親兄弟友人を殺された者がいる。そんな惨劇を繰り返さないようにと武器を手に取ったのが俺達。そしてその時子供だった君らが大人になりこうして立っている。何故か?十五年前と同じように我々の平穏が脅かされようとしているからだ。数ヶ月前から続いていたモンスターの減少理由は、最下層にてアンデッド軍団の兵力を蓄える為だった可能性が高い。そして力を蓄えた奴らの地上侵略が再び始まった。我々はもう無力だったあの時とは違う!ただ恐怖に震えるだけではない!武器を手に取り戦うのだ!生き残る為に!もう大切な人を失わないように!覚悟はいいな!俺に着いてこい!何人たりとも命を奪わせることはしない!」
「ぅうううぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!!」
最高潮に高まった士気に大地が大気が都市が揺れた。
既に現地に向かっているAランクパーティーを除く、全ての冒険者の心は今一つとなった。
作戦の概要は既に伝達済みである。
Cランク以上のパーティーはAランクパーティーの指揮下に入りダンジョン内での戦闘に参加する。
それ以下のパーティーはひとまず後方支援に回り、物資の補充や搬送など兵站の確保に努める。
そして戦力が減った際の予備戦略として備える。
以上が作戦の概要である。
ダンジョンの守りが突破された時の備えに、都市を警備する騎士団への応援要請、周囲の冒険者ギルドへの応援要請などは今まさにギルド職員が迅速に対応している。
冒険者の召集から含めてこれら全てがここまで迅速に対応できたのは、十五年前の教訓の賜物だろう。
あとはどこまで冒険者がダンジョンという脅威に抗えるのか。
その矜持を示すだけ。
名前:サタニキア・ノーランド
年齢:143歳
種族:ヒューマン
性別:男
職業:大魔導師
LV.92
体力:1800
魔力:11500
攻撃:8500
防御:2000
敏捷:1500
ユニークスキル"魔導の深淵"
制限なく魔法を習得できる
総魔力量大幅増加
魔法効果大幅増加




