おっぱいホームズの事件簿06~近未来予乳(きんみらいよチチ)~
どうしよう、「おっぱいホームズ」がシリーズ長編になってしまいました。
あ、でも短編の積み重ねだから、推理モノじゃなくなってもいいよね。
前回、筋肉モンスターに変身した姫川さんを撃破した結果、私達おっぱいホームズのグループは噂の的だった。
「ボイン帝のπ動拳?兀動拳?凄かったよねぇ。その後の、爆裂ボイン・フィンガーだっけ、あんなの凄すぎて。きゃ♪」
「いつもは、エンプレスの尻に敷かれているけど。あんなことされると、惚れるわぁ。側室の席空いてないかしら」
「やめときなさいって、正妻エンプレス葵のスタン攻撃喰らいたいの?あれで筋肉モンスターを足止めをしていたんだから、そうとうなモノよ」
「エンプレスって爆発・毒薬・殺戮兵器……なんでもアリだけど、同性を攻撃することは、あまりないわね」
「基本、ボイン帝の凛古風がボコられてるもんね……正妻は目指さないけど、側室なら、まだいけるかも」
また、凛古風部長、あばんちゅ~る活動して、葵さんにブッ殺されそうだなぁ。
「それとさぁ、肉弾戦で筋肉モンスターと、わたりあったワトソンさんも凄いよね、ヒンヌー教の御本尊なだけあるよね~」
え? 私?
「体脂肪ヒトケタだし、生まれつきの筋肉モンスターなんじゃないの?ヒンヌー教皇のホームズも毎日のように蹴り飛ばされてるし」
「ほんと、よく体がもつわよねぇ、あの男」
「でさ、その、ホームズだけど?」
「ヤツは四天王の中で最弱……ぷぅ~クスクス」
隣からすすり泣く声が聞こえる。泣くなホームズ、事実だろう。
「わ、ワトソン。そのペッタンコの胸で慰めて。ぷぎゃぁ」
人前で抱き着いてきたホームズを、思わずブン殴った。
「わ、ワトソンさん。ホームズ君、後ろの席にいたのね」
「ご、ごめん気づかなくて。ゆ、許してぇええええ」
食堂の後ろのテーブルに座っていた生徒達は逃げて行った。
「つったく、誰が生まれつきの筋肉モンスターよ。スレンダーなだけなのに。ホームズの目が近未来予乳に覚醒しなきゃ、渡り合うなんて無理だったのに……ね?ホームズ?」
「四天王最弱……最弱……ぷぅ~クスクス」
結構なショックを受けているみたいだ。
まぁ、兀動拳の大技を決めた凛古風部長がオイシイ所を全部持って行ったから少し気の毒ではある。大技で力尽きていたけど復帰して登校してるので、私達は食堂でその待ち合わせをしている。
そうこうしているうちに葵さんと凛古風部長の2人がやってきた。ヒソヒソと『あの人が、あのボイン帝?ショタ受けしそう、かわいい』などと言われている声が聞こえる。
「ホント部室が使えないと、不便ね。リンコフちゃんとくっつけないじゃない」
「(´・ω・`)未承認薬を使っちゃったからねぇ。ははは、一週間部室調査するんだって」
「まぁ、ややこしいモノは全部、私のトコに運び込んだから」
「(´・ω・`)うん。あのガスとかマズイと思う」
おそらく、部費を稼ぐのに作って売っていたVXガスだろう。とんでもない部であるのと同時に、部室を好きにつかってイチャついているこの二人は何なんだろう。
「やぁ、四天王最強の、凛古風」
ホームズが、やっかみを交えて声をかけた。
「(´・ω・`)四天王最強?どういうこと?」
「筋肉モンスターにトドメを刺したじゃ……」
「(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)ヤメテ」
「リンコフちゃん、しっかり。あれは『おっぱい』じゃなくて筋肉だから」
「(´・ω・`)……『おっぱい』じゃなくて筋肉……『おっぱい』じゃなくて筋肉……『おっぱい』じゃなくて筋肉……『おっぱい』じゃなくて筋肉。よし。」
「持ち直したわね」
「なんとかね。僕は、大好きな『おっぱい』を爆裂させたんじゃなくて、『筋肉』を爆裂させただけなんだ。そうなんだ」
「姫川さんも無事だし、何もなかったのよ」
凛古風部長は、少し精神に傷を負ったようだった。π動拳?兀動拳?と爆裂ボイン・フィンガーの連続コンボは、禁じ手にした方が良いと思う。
「俺なんて、四天王最弱って言われまくってるんだぞ」
「ふぅん。事実だし、仕方ないんじゃない?ほら、リンコフちゃん、あ~ん♪」
「(´・〇・`)あ~ん♪パク」
「早く精神復帰して、台詞から顔文字が消えるといいね。PDFタテ読みの読者に迷惑をかけちゃダメでしょ」
「(´・~・`)もきゅ、もきゅ。うん」
そうして、葵さんの大きな胸の谷間に、凛古風は顔をうずめていた。
「僕……そこそこ復活。PDFタテ読みの読者への配慮」
「復活、はやっ。作者の都合か」
「それでまぁ、今回の事態、一番すごい収穫はホームズの新能力、近未来予乳だと僕は思うんだ」
「え?数秒先のおっぱいの位置が分かるだけだぞ」
「それが、どんなに凄いことか……ちょっと耳をかして」
ホームズは凛古風に耳をかして、ヒソヒソと話を聞いている。
「きゃ♪ りん×ほむ 愛の囁きよ」(事件簿03参照)
BL女子達が、やいのやいのウルサイ。私も葵さんも、いるっつーの。
「ふっ、ふふふふふふ。すげぇ、凛古風は天才だな」
「つまり……だ。僕も欲しくて仕方のない能力なんだよ。その君の神眼はね」
「俺はもう、四天王最弱でいいや♪ふふん」
「リンコフちゃん、教えちゃったけど。ほどほどにね。ホームズ君」
「ちょっと、私にも教えてよ」
「「「大丈夫、そのうち分かる」」」
3人そろって、返事がきた。まぁ、そのうち分かるのなら、聞く必要もないだろう。
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昼休みも終えて、午後の授業となった。午後の授業は体育だ。
奇数クラスの教室で女子が着替え、偶数クラスの教室で男子が着替えて、体育館に移動する。
スパイク要員の私は女子バレーに引っ張られてしまった。ホームズと凛古風と葵さんは、隣のコートでやってる男女混合のバドミントンを選んでいた。
バドミントンの男女ペアは、凛古風&葵さんは当然として、ホームズが誰と組むのか気にかかるのだ。
……ヒンヌー教徒の女子が、教皇と組めて喜んでいる。チッ。
まぁ、仕方がないか。
そうして、私もバレーの対戦をこなしていると、ホームズが隣のコートで女子と一緒にバドミントンをしているのだけれど……ペアの女子が動くたびに、ぶつかっているのだ。しかも、女子の薄い胸と、ホームズの顔が。
「ごめん。ぶつかっちゃった」
と、いうペアの女子に対し……
「うん、いいよ。ワザとじゃないし」
未来予乳を利用して、おっぱいの来る所に、顔を置いているのかもしれない。バレーボールの合間にホームズを観察する。
スッ とホームズの顔が動いたと思ったら、そこにペアの女子の薄い胸がやってくる。私と同じで、スポーツブラ程度だろう。
ああなるほど、動く胸を顔で受け止めるんですか、そうですか……
「和登子さん、ボール上げたわよ、スパイク!」
「どるっしゃーーーーーーーッ」
今までに無いパワーがほとばしった。バレーボールは時速100キロを超える速度で打ち出された。
そう……ホームズの顔面に向けて。
バチコーーーーーンっ。
顔面にバレーボールの直撃を受けたホームズは吹き飛んだ。
「教皇さんっ」
駆け寄って来るペアの女子の薄い胸位置を近未来予乳して、顔を移動させるホームズ。
「させるかぁああああああ、跳び後ろ横蹴り」
ホームズの体を蹴り飛ばす。
「ぷぎゃぁあああああ」
狙い通り、吹っ飛んだ。
「ホラそこ、今日の体育は格闘技の時間じゃないよ~」
「はぁ~い」
先生に注意されたが、まぁいっか。
「御本尊さん、教皇の扱いが酷いです。じぇらしぃ?」
ホームズとペアだった女子に言われる。
「……あのさ?この短時間で、何回、あなたの胸とホームズの顔が接触したかわかる?」
「え?5回くらいかな。でも私が動いて当たったから偶然の連続と思ってたんだけど」
「そんなワケないでしょ。コイツは、数秒先の胸に位置が分かるようになったのよ。おっぱいの大きさスカウターだけじゃなく……。まぁ、胸を押し付けるのが好きなら、べっ別に私は、か、構わないんだからね」
「そういえば、2回くらい、乳首に唇を当ててきたような」
プチンっ、私の中の何かがキレた。
「あの……ワトソン?それ……バスケットボールのキャビネット」
ホームズが弱々しい声で指摘してくる。
「そうよ、なにか問題でも。をりゃぁああああ」
投げる、投げる
バスケットボールを
ホームズに向けて
キャビネットいっぱい
時速100キロで
(ワトソン、怒りのポエム)
「ぐはぁ、げはぁ、あべし、ひでぶ……」
痴話喧嘩の末、バスケットボールの全力投球でホームズをボコボコにする処刑場に体育館は成り果てた。怒り狂う私を教師も生徒も誰も止められない。
その後、しばらくして……
「四天王最堅はホームズだよね。あの耐久性……タンク役?」
そんな話がヒソヒソされるようになったから、良しとしよう。
そしてなぜだろう、最近、私は狂戦士と呼ばれている。
一句できました。
「ワトソンが 今日も元気に 大暴走」
そういえば昔、ドッジボールが無いからバスケットボールで代用したら、参加者全員後悔しましたね。痛いですねぇアレ。