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横暴な契約

ファウノに呼ばれるが何か嫌な予感がする。


笑っているが目が笑っていない。


「な…何でしょうか?」

ウルをチャペに預けファウノに近づくと肩を組まれ、庭の端へと連れていかれる。


「なぁハクト…くん…よぉ…昨夜は何だか、うちの娘とお楽しみだったようじゃないか?」


その話か…


「お楽しみって…そんな何にもしてないですよ!ちょっと魔法の練習をしていただけですって!」


「まぁそれは部屋に来たエレナも言っていたな…」


「そうでしょ!ファウノさんが心配するようなことは何もないですって!」


「しかし…何もしていないという割には、部屋に来たうちの娘が汗でびっしょりだったんだが…他にも何か練習したんじゃないかな?ん?」


ファウノの腕に力が入り首が絞まる


「ちょ…ほんとに…魔法の練習してただけですって!」


「本当だな?神に誓うか?」


さらに力が入り顔が充血する。


「ち…誓いますよ…アテン様に…誓いますから…そろそろ放して…」


「それじゃあ親指出せ!」


息の限界も近い。

別の気配も感じながら言われたとおりに指を差し出すと指に何かを塗られ、他の何かに押し付けられる。


「よし!かあさんOKだな!?」


「OKよ!あなた!」


そう言うとファウノから解放される。

いつの間にか妻であるセレネも来ていた。


「ご…ごふん…夫婦揃って何したんですか!?」


この馬鹿力め!父親と同じ顔で変な想像しないで欲しいわ!

と思っているとファウノがセレネから1枚の紙を受け取っている。


「ちょっとそれ!何の紙なんですか!それに母印押させたんじゃないでしょうね!?」


そう問いただすとファウノが


「ほう!察しが良いな!この契約書に印を押してもらった!ありがとな!」


と悪びれもなく答える


「契約書って!何の契約書ですかそれ!」


「これは今後エレナに近づきませんって契約書だ!やましい事がないなら問題ないだろ?」


「そんな横暴な!セレネさんもこんな事、許したんですか?」


とファウノの横に立つセレネに問いただすが、うふふふと笑みしか返ってこない。


「そ…そんな~…」


エレナとは仲良くなれたと思っていたのに、近づいてきていた春が唐突に氷河期に突入してしまった…


落ち込んでいるとファウノが提案をしてくる。


「まぁハクトが言うように、これは少し横暴ではある!そこでチャンスを与えよう!」


「少しどころじゃないですよ!この鬼!悪魔!ろくでなし親父!」


「ほぅ…ハクトの親父になった気はないんだが…それにチャンス捨てるって事で良いのかな?」


「ごめんなさい。何をすれば良いか教えてください。」


くそ…人の気持ちで遊びやがって!

あの紙を魔法で燃えカスにしてやりたい!



そう思っているとファウノが真剣な眼差しに変わり落ち着いた声で話を始める。


「実はエレナには昔からちょっかいをかけてくる男が居てな…そいつも今日、冒険者になるためにギルドに顔を出すはずなんだ。そこでハクト…お前がそいつからうちの娘を守って欲しい。」


その真剣さに、こちらも身を構える。

「ちょっかいって…何してくるんですか?」


ファウノの顔が曇る

「昔から会うたびにエレナに求婚してくるんだ。それに悪い噂が絶えないやつでな…まぁうちの娘が可愛いのも悪いんだが…」


最後にのろけやがった!


「分かりました。そいつからエレナを守れば良いんですよね?見た目とかどんなやつなんですか?」


「それは行けば必ず分かるから問題ない!と言うことで宜しく頼むわ!」





2人から解放され一同の元へと戻るとエレナが駆け寄ってくる。


「ハクトくん、凄い盛り上がって見たいですけど何だったんですか?」


問いかけてくるエレナに契約書を思いだし一歩引いてしまう。


「あー応援してるから頑張れって言われただけだよ!」


と答えるとエレナが一歩近づき

「本当ですか?うちの両親が何か失礼なこと言ったわけじゃないですよね?」

と更に追求してくる。


「いや!ほんとにそれだけだから大丈夫!」

と答えながら一歩下がる


「本当の本当ですか?」

とエレナが近づくと


「本当の本当です!」

とハクトが下がる


「本当の本当の本当ですか?」

一歩近づき


「本当の本当の本当の本当です!」

一歩下がる


 

「なぁチャペ…あの2人は何してるんだと思う?」

とチャペに抱き抱えられてるウルが聞くと


「ダンスの練習かもしれないにゃ!トゥランは何してると思うにゃ?」

とチャペがトゥランに投げ掛ける。


「え…知らないけどあの動き見てると吐きそう…うっ…」



行き先の怪しい、異世界2日目が始まる。

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