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激励

「お兄ちゃん朝だよ!」


可愛らしい声が聞こえるが気にせず布団に潜り込む。


「癒真…まだ寝かせてくれ…昨日は色々あって疲れたんだ。夏休みなんだし良いだろ」


「わたし、ゆまじゃないよ!いいから早く起きて!」


「癒真じゃないってじゃあ何なんだよ…穏やかな心を持ちながら怒りで何かに目覚めたりしたんですか…とにかく寝かせてくれ…」


「良いから起きて!」


幼女がハクトの上に飛び乗る


「おっふ」


腹への衝撃でたまらず身体を起こす


「この野郎!兄の睡眠を邪魔するやつは許さん覚悟しろ!…って癒真!何があった!お前、何でこんなに小さく素直で可愛い頃に戻ったんだ!」


膝の上に乗っていた幼女を軽く持ち上げ座り直させる。


「お兄ちゃんさっきから何言ってるの?わたし、ゆまじゃなくて、るなだよ?」


ルナを見つめなが思い出す。


昨日から俺は異世界に来ていたんだ。

想像ではなく現実のドラゴンを倒したり、魔法について調べてみたりと色々あった1日だった。


そんな事をぼーと考えているとルナが話しかけてくる。


「お兄ちゃんどうしたの?るなが乗っちゃったからお腹でも痛いの?」


そう言ったルナが心配そうに見つめてくる。


「大丈夫だよ!少し考え事してただけだから…それよりも乱暴に起こしてくれたルナにはこちょこちょの刑だ!こちょこちょこちょ~」


渾身のこちょこちょの刑によりキャッキャと笑うルナはやはり小さい頃の癒真に似ている。

よくこうやって遊んであげてたな。


「はい!こちょこちょの刑終了!ルナは今後、こちょこちょの刑をされないように良い子にしてください!」


笑いすぎて少し涙を浮かべるルナが人差し指を立てる。


「もう1回!」


「おっ!しょうがないな~まだ反省してないようなら追加でこちょこちょだ!こちょこちょこちょ~」


「もう1回!」




「はい…こちょこちょの刑終了…終わりで~す…」


「もう1回!」


既に同じことを10回は繰り返しただろう。

最近、小さい子供と遊んでなかったから忘れていた。

この年頃の子供は1回楽しくなると無限に付き合わせられることを。

思うと昨日はウルが同じような目にあっていたな。

こういう時は他の事に意識を向けてやるしかない。


ルナを抱っこして聞いてみる


「あれ?ルナが起こしに来てくれたって事はもしかして何か用事があったのかな?」


この言葉にルナがハッとする


「ママに朝ごはん出来たから呼んできてって言われてたの忘れてた!だからお兄ちゃんは早くお着替えしてください!」


頬を指先でむにむにと刺される。

さっきまでご機嫌だったのに突然怒られるとは…


「着替えるからむにむにを止めてくれ」


言われた通りにサッと着替えるとルナが笑顔で両手を向けてくる。

そのまま抱っこをするとルナは嬉しそうに微笑えむ。

やはりご機嫌なようだ。


ルナを抱えたまま夕飯を食べた部屋へと向かうと、近づくにつれ、どんどんと香辛料の匂いが漂ってくる。

その美味しそうな匂いにお腹がなってしまう。


「ルナ、ウルはどこに行ったか知ってる?」


夜は一緒に寝たはずなんだが部屋には居なかった。


「ウルは朝からわたしと遊んでたよ!あとパパともお話ししてた!」


ファウノと話、何かあったのだろうか?

それにしてもルナは朝からずっと遊んでいるのか…子供の体力は無限だな…


部屋の前につき、扉を開けると既に食事の準備が整いセレネとユーノ以外は席に付いていた。


ファウノは真剣な眼差しで新聞を読み、エレナは緊張した顔で座っているのが見える。



セレネは、まだキッチンに居るのだろうか?

と考えていると丁度セレネが出てくる。


「ハクトさん、おはようございます。あら?ルナちゃん!ハクトお兄ちゃんに抱っこして貰ってたの?良いわね!でもご飯だからこっちにいらっしゃい」


腕の上で、むふふと何故か自慢気なルナをセレネに託すとウルがパタパタと飛んでくる。


「ハクト!一番最後に起きてくるなんて、おそようだな!」

そう言いながらウルが頭の上に乗ってくる。


「おはようウル、朝からルナと遊んでたんだって?」


「ルナは朝から元気一杯で大変だったぞ!」


ウルと会話をしながら座席に向かい、隣に座っているチャペに挨拶する。


「ハクトおはようにゃ!」


トゥランにも声をかけようとするが顔面蒼白で今にも吐き出しそうな顔をしているので止めておく、二日酔いだろうな。


セレネがルナを座らせながら皆に話しかける


「さぁ、準備も終わりましたし食べましょうか!ユーノさんも座って座って!」


「畏まりました奥様。」


セレネの言葉にユーノも席に着く。


「では皆さん」


「「いただきます!」」


セレネの作ってくれる料理は本当に美味しい、そらに香辛料の匂いが漂ってきた時から早く食べたくなってたんだ!


準備して貰っていた食事に手をつける。


「うまい!!!」


やはり2日目のカレーは美味しい!



食事を終えると、ファウノ、セレネ、ユーノの3人が玄関の外まで見送ってくれる。


「で…では、パパ、ママ、ユーノしゃん…さん、行って参りましゅ!行って参ります!」

と家族に言ったエレナだが、声も上吊りガチガチに緊張しているようだ。


そんな姿に見かねたのかファウノが娘であるエレナの肩を掴み真剣な眼差しで声をかける。


「エレナ…お前は元賢者である母さんのように魔法の才能に長けている。そして小さい頃から毎日、毎日、母さんと修行を続けてきた。

既に実力は冒険者の中でも上位に近いほどだ!

それに、そんな努力家なお前を、父さんも母さんも誇りに思っている。

だから自信を持って行ってきなさい!」


父の言葉にエレナの顔が引き締まる


「うん…ありがとうパパ!昨日、ハクトくんにも言われたように、自分の力を信じて頑張ってくる!」


そんな2人の姿を見て良い親子だと感心する。

それにファウノも良いこと言えるんだな。


そう他人事に思っているとファウノに声をかけられる。


「ハクト…くん…ちょっと来てくれるかな?」


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