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距離感

「私が光の魔法をですか!?ムリですよ!だって私は【光の神】の加護を受けてないんですよ!」


「それを言ったら俺だって【知恵の神】の加護を受けてない。それでも使えたんだ!エレナにだって出来るかもしれないよ!」


「そうですが」と言うエレナはまたうつ向いてしまう。

だが当たり前の反応なのかもしれない。

魔法書にも書いてあるように、加護なしでの魔法の行使はこの世界の常識では考えられない事なのだろう。


「でも…」


「でも?」


「実際に光の魔法を使えるなら使ってみたい…小さいころにパパが見せてくれた魔法。昔は本当に楽しそうに見せてくれたんです!

今のパパも好きですよ。おちゃらけていますが家族を本当に大切にしてくれますし、嫌だって言ってるのに仕事終わりの汗臭い身体で抱きついてきたり、お酒ばっかり飲んでいてもです!

でも、片腕を失くして【光の神】の信仰を辞めてからたまに凄く悲しそうな顔をするんです。

昔は凄く真面目に【光の神】を信仰していて、皆のために国の人々のために身体を張って頑張る人だったんです。

…そんなパパが大好きだったから!」


顔を上げたセレナと出会ってから初めて目があう。

その表情と眼差しは何かを決意したように見える。


「だから!私が光の魔法を見せれば、また昔のように皆のために魔法を使ってくれるかもしれませんよね!」


ファウノが悲しい顔をしているというのは意外だ。何かを引きずるようなタイプには見えないからだ。

それに元々は別な仕事をしていたのだろう、国の人々にも影響を与えるような仕事を

その時に片腕を失くし肉体だけではなく精神的にも大きな傷をおってしまったのではないだろうか。

気になるが出会ったばかりの俺が深く聞くのは間違いな気がする。


「ごめん…また必ずファウノさんが魔法を使うようになるとは言えない。俺はファウノさんが何で信仰を辞めてしまったのかも分からないし。

でもエレナの気持ちは必ずファウノさんに届くと思う!だから試してみよう!」


軽い気持ちでエレナに光の魔法を使う提案をしたが、こうなると成功させなければならない。


「まずエレナに試してほしい魔法なんだけど、今使っているこの【オンアイン・スタラ】は光の魔法の基本魔法だけど中位魔法に位置される。だからまずは下位魔法である【スタラ】を使ってみよう!」


「はい!わかりました!先生!」


「せ…先生って…たぶんそんなに年齢変わらないし今まで通りで良いよ。と言うよりもエレナは今何

歳なの?」


女の子に年齢を聞くのは失礼だろうか?


「16歳になったばかりです!」


「なんだ!同い年だったんだ!じゃあハクトさんなんて堅苦しい言い方しなくて良いよ!ハクトって呼んでよ!」


年齢を聞いたのは問題なかったみたいだけど…呼び捨てで良いってのは踏み込みすぎただろうか。


「じゃあ…わかりました…ハ…ハクト…くん…」


また心臓が高鳴る、エレナの言動や行動をみているとやはり心音がうるさくなる。

まさか俺の知らない魔法で精神的な攻撃をしてきているのか!?


「私だけ呼び捨てにしろなんてずるいです!ハクト…くん…もエレナって呼んでください!」


自分から言ってしまったんだ、この言葉を断るわけにはいかないよな。


軽く咳払いをする


「じゃ…じゃあ、エ…エレナ、教えるから一緒に魔法書を見よう…」


魔法書を見やすいように光球をいくつか近づける。


「なんだ!2人ともまだ16歳だったのか…おいらは100歳!まだまだ子供だな!何かあったら歳上であるこのウル様に相談してくれて良いぞ!

それにしてもなんで2人とも顔が真っ赤なんだ?」


思わずエレナと目が合う。

光球を近づけたことにより顔がより鮮明に見えてしまい、顔を赤らめていたであろう熱が耳の先まで伝わっていく。


このままだと心臓が張り裂けてしまいそうだ。


「ウ…ウル!」


咄嗟にウルに矛先を変える


「そ…そういうことを言う歳上はいつの時代でも若者に嫌われるんだぞ!気を付けろ!」


「そうなのか!おいら知らなかったぞ!まさか2人の顔が赤くなっているのは怒っているからなのか!?」


違うんだウル。

振った俺が悪かったが少しだけ静かにしてほしい。



「ねぇ…ウルちゃん…少しだけ黙ろうね。」


「エレナ!やっぱり怒ってるんだな…ごめんよ…おいらが悪かったよ…気を付けるから許してくれよ…」


落ち込んだウルが謝りながらベッドに戻っていく。

エレナも限界だったんだろうが、なかなかの威圧感だった。さすがはファウノを黙らせるセレネの娘だ。


1度深く深呼吸をする。


ウルには少し悪いことをしたが上手く感情のリセットが出来た。


「じゃあ続けようか!」


「はい!」

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