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OH MY GOD!  作者: 香椎
大森林布教編
4/18

ステイタスとスキルなんですが……

岩の塊が転がる遺跡のような場所に転移した。

よく見ると世界遺産の神殿に構造が似ている。

石造りの神殿は所々柱は崩れ天井や壁も朽ちている箇所がある。

場所によっては石組みだけの建物もある。

石組みだけの建物の中にある噴水が今も水が絶えることなく流れている。


「異世界についたみたいだな……、まさかパル◯ノン神殿ばりの廃墟に飛ばされるとはね」


神殿の周囲を見回すと目につくのは木、そして木、また木。

林か森なのかはここからでは判断できない。

木々が茂る場所には動物の気配は感じられず静かだ。


神殿や周辺の建物には視界に映る範囲で動くモノは見えない。

パル◯ノン神殿の近くにある噴水に向かって警戒しながら向かう。

よく見るとパル◯ノン神殿の隣には別の小さい神殿があり、そこはそれほど劣化しておらず仮住まいには丁度良さそうだ。

ただ、魔獣モンスターが住み着いている可能性があるため、怖いので神殿や建物の中に近づくことはしない。

建物以外は一応であるが安全を確認できたので、噴水の前に座り今後の方針を立てる。


まずは何をすべきか……、住と食の確保か。

……いや待てよ!

いつ魔物が現れても良いように自分のスキルを確認するのが先だろう。


「え〜と、【イタコ】は異世界の霊を口寄せできるんだったな。強い死霊を呼び寄せれれば無敵じゃないか。……あれ!スキルってどうやって発動させるんだ⁉︎」


ゼイスはスキルの発動方法を一言も教示していなかった。


ーーしまったなぁ。これはマズイ。


「ヘルプとかないのか⁉︎異世界なのに不親切だな……」


天に向かってゼイスに愚痴る。


『呼びましたか⁉︎どのようなご用件でしょうか?』


「誰だ⁉︎」

女性の声が聞こえたので周囲を急いで見回すが人の姿はない。


『頭の中に直接語りかけておりますので探しても無駄です。挨拶が遅れました、私は貴方をサポートするシスです。なにか困ったことがござましたか?』


「便利機能来た〜〜!それじゃあスキルの使い方を知りたいんだけど」


『了解しました。まず頭の中にスキル【イタコ】か【ガチャ】を想像してみてください。すると、スキルの使用を問われますので、YESを選択してください。できましたか?』


シスさんに言われた通りに想像すると頭の中にゲームのコマンド画面みたいなのが出てきた。

スキル【イタコ】を、そしてYESを選択すると『口寄せ』または『融合』という選択肢が出てきた。

たぶん『融合』は身体に霊などを降ろす事だろう。


試しに『口寄せ』を、そしてYESを選択する。

すると『口寄せするモノを想像し名前を呼んでください』と出てきた。


「……、そう言えば異世界の霊なんて一人も知らないぞ。もう少し異世界のことを学んでからでないと使えないな、このスキル……」


『スキルは上手く使えそうですね。他に何かありますか?』


「ゲームみたいに自分のステイタスは見れるのかな?」


『やり方は同じです。頭の中に想像してみてください。できましたか?』

スキルの時と同様に想像する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

現在時間 14:34

信仰 0

<ステイタス>

種族 人族

名前 レイ・マーゴット・ルシフェル

Lv 1

HP 777/777

MP 77,777/77,777

状態 健康

<スキル>

・【イタコ】

・【ガチャ】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「でました!シスさんありがとうございます」


『お気になさらず。その他にございますか』


「ステイタス欄の上に『信仰』ってあるんですが、これはなんですか?」


『それはゼイス様の信者数になります。信者が増えるとカウントされますので頑張ってください』


ーー本当にゼイス様の信者を増やすために異世界に来たんだな。


『他に無いようでしたら切らせて頂きます』

感情の無い声で淡々と語るシスさん。


「助かりました。ありがとうございます」

頭の中で『プチン』と音がしてシスさんとの回線が切れた。


「【イタコ】は今のところ使えなかったな。最後の希望は【ガチャ】しかないな!」

独り言のレベルが上がったのか独り言が止まらない。


頭の中でスキル【ガチャ】を選択すると『注意 1日一回しかできません。ガチャは7:00更新です。提供割合 SSS、SS、S、R、Nの五つでSSSは1%以下、SS、Sは一桁%、Rは三割』と丁寧に書かれている。


『【ガチャ】を行いますか?』との問いにもちろん「YES」と選択する。


頭の中に軽快なドラムロールが流れると地面に魔法陣が現れ銀色に光り魔法陣全体を覆った。

銀色の発光が終わると……、魔法陣の中に白い子猫?が座っていた。


子猫?を抱き上げてステイタスを見る。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<ステイタス>

ランク SSR

ホワイトタイガー 雌(子供)

種族 ■■

名前


Lv 1

HP 1000/1000

MP 110/110

状態 健康

<スキル>

・【狩猟】

・【解体】

・【夜目】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「初めてにしては良いランクが出たな。しかし、見た目が完全に子猫のくせに虎だったなんてな。そして同じLv1なのに俺よりHPが高いとか、この子なかなか強そうだ」


腕の中で子虎がグルグルと喉を鳴らし甘える。


「あれ、種族が塗り潰されている……。ガチャ産だからかな⁉︎

……まっ、いいか。

お、名前のところは空欄だし。名前をつけろってことか……。うーん、ホワイトタイガーだし、あれだ『白虎』にしよう」


「お前の名前はこれから『白虎』だ。よろしくな」


子虎の頭を撫でながら命名する。子虎は嬉しそうに『ニャ〜〜〜』と鳴いた。


ーーその鳴き声って……、やっぱり猫なんじゃないか。


そんな不安をよそにステイタス欄の名前には『白虎』と記名された。

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