神の野望
神とはなんだろうか。
その存在を人類に認知され信仰されてこそ初めて世界に顕現できる朧げなモノだ。
そんな人類に今は忘れ去られた神がいる。
彼は400年前に世界神の座を追われ、今では誰れ一人彼を信仰する者がいなくなっていた。
唯の一人もだ。
掌を返したように彼を捨て新たな女神に鞍替えした人類に失望した。
そして人類を誑かした女神に復讐を果たすため密かに計画を立てた。
彼の名はゼイス。
昔は全知全能の神と言われ人類に叡智を授け正しい方向に導いてきた。
そんな彼は今、異世界ユートピーグとは違う別の世界にある日本を見ている。
ーー彼者ら4人に任せてみるかの。
何を任せるのか……。
異世界ユートピーグで再び世界神になるために必要なことだ。
それはゼイス教の信者を増やすこと。
そのため選抜された4人には各々好きな方法で布教活動をしてもらうことになる。
ーー見ていろイシュレアル……、400年前の屈辱を千倍にして返してやる!
遠くない将来、豊穣と戦いの女神イシュレアルが泣いて這い蹲る姿が現実になることを思い浮かべると心が踊る。
元世界神ゼイスは真っ暗な部屋で地球を俯瞰しながら不敵な笑みを浮かべた。