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夜空の星の下で

作者: モク

一筋の流れ星が流れていく。

 俺はそこでこう叫んだ。


「麗華大きくなったら結婚してー」


 俺はその後、彼女がなんと答えたかは覚えていない。



 それから数十年が経ったある日のこと、今でも同じ高校に通っている幼馴染の倉沢 麗華が、通学路で突然変なことを言い出した。


「ねぇ流星、星見に行かない?」


 短めな髪を指でくるくる巻きながら、少し照れた表情で、麗華は聞いてきた。

 俺はとっさに「なんで?」と優しく聞き返した、すると麗華はそれはねーというような表情になり喋りだした。


「昔私の家族と、流星の家族で一緒に星見に行ったじゃない? あれからしばらく経つしもう一回見に行きたいなーって思ったんだけど、どう?」


 俺は少し悩んだ後に今すぐにでも、聞きたいことを抑えて一応確認をした。


「最近親が忙しいから行くなら二人でになるけど、それでも大丈夫なら俺はいいよ」


 すると麗華はギリギリ俺が聞き取れるぐらい小さな声で呟いた。


「もとから二人で行くつもりだったから」


 それを聞いて俺は、なぜだか顔が熱くなってしまったが、勢いに任せて聞きたかったことを麗華に問いかけた。


「昔星見に行った時、俺が麗華に言ったこと、麗華覚えてる?」


 すると麗華は予想外のことを言いながら走り出していた。


「流星ごめん、私今日早く学校行かないとだったから先行くね」


 俺はええーと思いながら麗華の顔を見ると、少し赤らめているのが見えた気がした。



 それから数日が経ち、俺と麗華は数十分かけて、昔星を見た山を登った。

 山の頂上で空を見上げるとそこは、空いっぱいに広がる星空になっていた。

 それを見た俺と麗華は二人同時に「おおー」と驚きの声をあげた。


 その後俺と麗華は近場の芝生に座り、授業で習った星があるのかを探して遊んだ。

 そんなことをしながら俺は周りを見渡すと、今座っている場所が、昔二人で座って星を見ていた場所とほぼ同じ位置だということに、気づき一人で勝手に驚いていると、いつのまにか話の話題もなくなりどうしようかと悩んでいるホントに絶妙なタイミングで、流れ星が一筋流れていく。


 俺はここしかない! そう心に決め流れ星に向かって叫んだ。


「麗華ー! 俺と⋯⋯付き合ってください」


 それを聞いた麗華は照れながら、一言「やっと言ってくれた」と呟いた。

 すると狙いすましたかのようなタイミングで、流れ星が一筋流れてきた。

 流れ星を見た麗華は流れ星に向かって叫んだ。


「いいよー!」


 もの凄く短い言葉なのにもかかわらず、俺が今まで聞いた言葉で一番嬉しい言葉だった。

 するとまたもや一筋の流れ星が流れてくる、それを見た俺と麗華は二人で顔を合わせ、二人同時に流れ星に叫んだ。


「よろしくー!」

「よろしくねー!」


 そう叫んだ後二人で顔を合わせると、二人で同時に微笑んだ。


「ハハ」

「ふふ」


 その後俺と麗華は、肩をくっつけながら星を見て過ごした。

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