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真実は迷宮の中  作者: Luce
第3章 王都
71/84

71話 終わり

すみません!

投稿を辻ヒーラーさんにしてしまいました!


ルートとエリュは襲い掛かってくる暗殺者たちを始末してゆき怪しい部屋にたどり着くと、そこには先ほどから襲ってきた暗殺者たちとは桁の違う腕の暗殺者たちがおり、その者たちと戦った結果、封殺されて死んだ。

それを見ていたエリュは彼の死に泣いているとルートの体から膨大な魔力があふれ出し、刺さった武器が一つの金属塊になり大鎌になり、また別の魔力が扉になり、その中から出てきたものの手によってルートが生き返った。


そして生還したルートは暗殺者たちを見て、


「『朱月』の皆様はどうにも多方面から恨まれているようだね。向こうでも大分と評判だったよ。そのせいか知らないけど、今回は大分と楽だったよ」


そう言って嗤ってやった。


そうして後ろの腰袋からポーションを取り出して一息に呷り、空の瓶を前に投げ捨てる。


そのルートの手を握っていたエリュはその手を引いて注意を自分に向けさせると、


「…怖かった」


と顔を伏せたままで、感情を抑えたような声でそう言った。


ルートはそのエリュの反応を見て後を引きそうだなと考えながら、


「僕の仇に決着をつけてからね」


エリュの握っている手にもう一つの手を重ねてそう言うと、エリュはコクリと頷いて拘束していた手を離す。


そうしてルートは近くに落ちていた槍を蹴り上げ、それを解放されたばかりの手でガッチリと掴んで手元で弄んでその感覚を確かめると、


「久々だけど、体が覚えてる。というわけで第二ラウンド開始だよ」


そう言うと"身体強化"を発動させて未だ体が固まってしまっている暗殺者の1人を戦闘不能にする。


先ほどの異形を見ていたからといっても、さすがに1人やられれば話も変わってきて、暗殺者たちはルートを取り囲んで先ほどの連携で追い詰めようとする。


しかし、


「1度見たものほど冷めるものって無いよね」


先程までのルートは全ての攻撃を避けたり防いだりとしていたが、今回のルートは暗殺者たちの攻撃を自己修復力で強引に回復させて1人ずつ確実に仕留めていくことにした。


いくら『朱月』という有名な暗殺者集団とはいっても、所詮は暗殺者、一対一となればやはり戦士としてはいくらか見劣りする。


ルートはまた一人と戦闘不能にすると、


「…お次は?」


そう言って残りの暗殺者たちに狂った笑顔を見せる。


その笑顔を向けられた暗殺者たちは、短時間で2人もやられたいということで切り札たる口の中に仕込んだ薬品を服用しようとすると、


「それはもう見たからね」


暗殺者たちの口元に青色の鎖が現れ、仕込んだ薬品を服用できないように鎖を噛むような形でガッチリと拘束した。


暗殺者たちは自分たちが暗器を使う関係もあり、そういった姿の見えない、もしくは見えずらいものについての警戒は怠っていなかったはずなのに、突然拘束されたことに一瞬戸惑う。


しかしそこは暗殺者としての心構えなのか、一瞬でその混乱を収めると自ら命を絶とうと魔力を練り上げて魔法を自らに当てるつもりだったのだが、


「封魔の効果を持った魔道具だよ。次はどうやって死ぬつもり?」


そう言いながら腰袋から取り出した金属球を空中に浮かべ、『変形メイク』で暗殺者たちの手足を何らかの方法で抜けられないように、セメントで固めたようにガッチリと拘束する。


そして、


「薬品の服用も封じた。魔法も封じた。手足も封じた。さて、俎上の鯉といった様子だけどここから手はあるのかな?」


ルートは腰袋から取り出した短剣でその暗殺者たちの体をブスブスと刺しながら嗤ってそう言う。


暗殺者たちはその間も冷静にこの逆転も自殺も許されない状況を打破するための方法について思考を巡らすがいい案が出ることもなく、万策尽きた事を認めた。


そうして暗殺者たちから一切の抵抗が無くなった所でルートは、


「さて、それじゃあ抵抗が無くなったところで復讐の時間だよ」


そう言ってルートは魔力を練り上げ、黒い魔力を手に纏って、


「家族を奪ったあの貴族には同じく家族を理不尽に奪うということで心を折った。あはは。まあ、あれも嘘なんだけど。実際には拘束されたあの貴族の子供の髪飾りを使って演出しただけ。非常に滑稽だったよね、アレ」


暗殺者たちの方を見ることなく上を向いて、笑い声を堪えるつもりもなく伸び伸びと笑うルート。


そうして一頻り笑ったルートは視線を暗殺者たちに向けて、


「で、今度はお前達なわけなんだけど。どうにも有効的な方法が思い浮かばないんだよね。全身を切り裂かれてもなにかを漏らすようにも思えないし、それこそ仲間の命なんて塵以下でしょ?」


最後の部分で首をこてんと横に倒してそう言った。


そしてルートは妙に芝居がかった様子で暗殺者たちに指を突きつけると、


「そこで、おまえたちには追体験してもらうよ。内容は簡単、これまで一番苦しかった記憶。それを当時の精神性に戻って体験してもらう。まあ、僕からのサプライズということで精神が崩壊しないようにしておいてあげるよ。それじゃあいってらっしゃい!」


そう言ってにこやかに嗤って近くにいた暗殺者の頭に鷲掴みにして、


「『追従する悪夢(ナイトメア)』『精神改竄マインドハック』」


そう告げると、暗殺者の体がバタリと前に倒れ、そしてしばらくすると、


「うわわああああ!!止めて、止めてくれええええ!!」


先ほどまでの暗殺者然としていた様子が崩れ、元気よく泣き叫ぶ。


その様子を見ていた暗殺者たちは、今泣き叫んでいる者が確かに拷問程度で根をあげるような脆弱な精神性を持っていないということも分かっていたからこそ、表情にこそ出さないが、内心では今でこそ感覚が薄れてきている自分にとって最悪の記憶を思い出して戦々恐々としていた。


そしてルートは次々と一切の慈悲も無く暗殺者たちに闇魔法を掛けてゆき、聞こうと思っても聞ける物でもない叫びと嘆願をしている暗殺者たちに冷たい表情を向けて、


「聞こえては無いと思うけど、一応その言葉ってあと30分くらい続くようにしてあるし、毎回新鮮な気分で楽しめるようにしてあるからね。精々楽しむといいよ」


吐き捨てるようにそう言い、それを最後に暗殺者たちから視線を外してエリュの顔を見る。


そしてルートはエリュに目標を達成したというのにも関わらず泣きそうな顔で、


「…終わった、そう…だよね。おかしいよ、達成感くらいはあると思ってたんだけど、全然無いみたいだよ」


エリュはそう言う今にも崩れていましそうなルートを抱き寄せ、


「…お疲れ様、ルート」


耳元でそう言ってルートの背中をトン、トン、トンとゆっくりと優しく叩いてルートの気持ちを落ち着かせるようにする。


そうして暫くそのままでいるとルートはエリュに、


「…ありがとう。できればもう少しだけ…」

「…私の時はお願いね」

「…うん」


「おい!大丈夫か!」


「「!?」」


「ん?…ああ、済まないが話をしてもいいだろうか?」


突然大声を上げて室内に入ってきた乱入者の言葉に、目的を達成したことで気を抜いていたルートとエリュが驚いてそのままの体勢で体が硬直し、乱入者はその目の前の状況に悪いとは言いながらも状況の説明を要求する。


その言葉に硬直が解けた2人はお互いにバッと体を離してある程度距離を空けると、


「ハイッ!『朱月』の重要人物と思われる者を確保しました!はい!魔法も自殺も封じています!」

「ええ、その通りです!」

「お、おう。…どうしてそいつらはそんなに叫んでいるんだ?」

「分かりません!僕はただねじ伏せただけですので!」

「ねじ伏せたってもなあ。…そういやそれも道中のもお前の仕業か?」

「もちろんです!」

「にわかには信じ難いが、信じるより他ないな。運搬はこちらでやろう。戦闘もなかったからな、これ位はさせてくれ」

「分かりました!」


乱入者のその言葉にテンパり気味のルートは勢いよく頷いて了承すると、


「よし。お前ら!仕事だ!さっさと奴らを運び出して酒場で宴会だ!」


「「「おお!」」」


乱入者の言葉に、部屋の外で事態に備えていた者たちが室内に大声を上げながら入ってきて、暴れる暗殺者たちをしっかり抑えて、全ての暗殺者たちを運び出す。


「そんじゃあ地上まで帰ることにするか。お前達が先頭に立って歩きな。俺達はその後ろを歩いていく。お前らは今回の事件の功労者だからな」


乱入者の代表はそう言ってルートとエリュの背中を押す。


そうしてルートとエリュを先頭に『朱月』の本拠地から出ると、そこにはギルドマスターのアレンシアといった本部で見た顔に、さらには群青騎士団の団長のショルツといった連中を中心に待ち構えており、ルートとエリュが一礼すると向こうも少し驚いた様子ではあったが同じく礼を返した。


そしてアレンシアは一つ前に出てルートの顔を見ると、


「…納得した。で、例の件に関してはどうするのかしら?」


その問い掛けにルートは、


「そうだね、3日後になったらいいよ。その頃には王都を出る予定だから」

「あら、そうなの?けど、あなたの今回の働きはギルドとしてもこの国にとっても表彰物よ?3日後に出るなんてことはできないと思うわよ?」

「まあなんとかするよ。というわけで情報についてはお任せするよ」

「分かったわ。ただ今回の働きをギルドカードに記入しておかなくてはならないから1度はギルドに寄って頂戴」

「うん、分かった」


アレンシアとの話をそうして終えたところで、ルートがふと周りを見ると、いつの間にか暗殺者たちの身柄が乱入者たちの手から騎士の手に渡っており、それを自分たちが用意してきた馬車に詰め込んでいるという光景であった。


そうしてその様子を見ているとショルツが近寄ってきて、


「また会いましたね。今回の件について宰相殿の口から説明された時にルートさんの名前が出てきたので驚きました」

「確かに序列3位まで動かすって言ってたからショルツさんたちの群青騎士団が来るのは知っていたけど、短い再開だったね」

「そうですね。と、あなた方2人には我が王が連れてきてほしいと仰せなので着いてきていただきたいのですが如何でしょうか?」

「僕は問題ないよ。エリュは?」

「行く」

「分かりました。それでは狭くて申し訳ないのですが、こちらで用意した馬車でお送り致します。こちらです」


顔の整ったこの騎士団長はそのルートとエリュを馬車まで案内する所作のどれもが様になっており、2人はその案内に従って馬車に乗り込む。


そうして一緒にショルツも乗り込むと自分の後ろの壁をコンコンと叩いて御者に合図を出すと、馬の嘶きと共に馬車が動き出した。


そうしてその周りを群青騎士団の団員たちが取り囲んで護衛されながら、大通りを通る時に何事かという住民達の視線を浴びながら、2人は王城まで案内され、

そうして、


「到着しました」


ショルツがそう言うと、御者の手によって扉が開かれる。


そうしてルートとエリュが降りると、そこには朝も案内してくれた執事服の男がいて、ルートと目が合うと一礼をし、


「王がお呼びです。付いてきて頂けますか?」


その言葉にルートは頷くと、「ありがとうございます。ではこちらへどうぞ」と言って執事服の男が先に歩いてゆく。


ルートとエリュはここまで案内してくれたショルツに一礼すると、執事服の男の後ろを少し早く歩いて追いつく。


執事服の男に付いていくと、三日前に案内された王の執務室と思われる場所まで案内され、入室を許可されて中に入ると、そこには王が執務机の向こうに座り、その後にリリーシアが立ち、長方形の短辺の一人用のソファーにそれぞれ宰相とあと1人、ルートが知らない一人の壮年の男性が座っていた。


ルートはその人物が自分に向けてくる視線に妙な近親感を覚えて記憶をたどっていると、王から、


「ご苦労であった。事の顛末を聞きたいので是非座ってくれ」


そう着席を許されたことでルートとエリュは3人がけのソファーに腰を下ろす。


二人の着席を確認した王は一つ咳払いをすると、


「改めて言わせて欲しい。ルート、お主には余の監督が行き届いていなかったことで多大な苦難を与えた。余の自己満足に過ぎないが改めて謝罪させてもらう。申し訳なかった」


王や宰相、リリーシアに見知らぬ壮年の男性までもがルートに対して頭を下げる。


その行動にルートは、


「その言葉は受け取っておきます。それに私の復讐はあの貴族と『朱月』に対してケジメを付けたことで終わりました。これ以上はセルファに王国側の手によって何かが行われない限り、私から王国に対して行動を起こすということはもうありません。そのことは私の誇りである亡き父、そして現セルファ辺境伯として誓います」

「…そうか」


王はルートの言葉に対して短くそう言葉を返した。


そして全員が頭を上げると、王はルートの目を見て、


「それでは余からは今後のお主の扱いと償いと報酬について話そう。宰相からは今後のセルファ領について、リリーシアからは少し、そしてお主は知らぬかもしれんがそこの男は余の弟であるマーディライト公爵からはお主の父君の事で話があるそうだ」

「父様ですか!?」

「そうらしいが、先に余から話を始めさせてもらう」


ルートは自分の父様についての話ということで大きな反応を示したが、王はルートの扱いや償いと報酬の話を初めてゆく。


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もう一つの連載作 テーマは独善の投影。
「辻ヒーラーさんは今日も歩く」
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