ダイジェストVolumeⅣ:【死】をもたらすために【破壊】を
★ビーンズメーカー ~荒野の豆鉄砲~ をより気軽にお楽しみ頂きたいと思い、ダイジェスト版を掲載致します。
本稿をお読み頂ければ、大体のところ最新話に追いつけます。
各Chapter毎に区切ってありますので、気になる箇所がございましたら、該当箇所をお読みいただければ幸いです。
~注意項目~
●ネタバレを多く含みます。
●都合上、主人公ワイルド=ターキーの視点のみをダイジェスト化しておりますので、他キャラクターの視点部分については本編をご覧下さい。
●『 』(キャラクター名)は本編中に使われているセリフです。
【VolumeⅣ:【死】をもたらすために【破壊】を】
●VolumeⅣー【死】をもたらすために【破壊】をChapterⅡ:プラチナローゼズ
俺たち五人は未だ東海岸にあるハーパーの別荘に留まっていた。
『だから早く……早く、ハミルトン……ううっ……』(ローゼズ)
タリスカーことハミルトン=バカルディが自ら命を絶ってから一週間が過ぎても、ローゼズは彼女を失った悲しみに打ちひしがれ、毎日墓前に座り込む生活を送っていた。
ローゼズのためになにか力になりたいと思っていたけど、俺もまた俺自身のことで悩んでいた。
突然向上した身体能力、そして銃弾を弾き返すほどの硬い皮膚に変わる俺の身体。
まるで化物のような変化は俺に問惑いを抱かせ、そのことは俺を精神的に疲弊させていた。
そんな時、アーリィが俺を気晴らしにと買い物に誘ってくれた。
『気を使わせて悪かったな』(ワイルド)
『ううん、良いんだよ。好きでやったことだし』(アーリィ)
『ありがとう。いつも助かるよ』(ワイルド)
おかげで気持ちが少し軽くなるのと同時に、いつもこうして何かと気にかけてくれる幼馴染のアーリィのことが気になり始めた。
だけど、そんな気持ちは買い物に来ていたヒースの街へ、突然飛来してきた無数の銀色の球体によって吹き飛ぶ。
空中を自在に駆ける銀色の球体は内蔵マシンガンでヒースへ無差別攻撃を始めた。
俺とアーリィはヒースを救うために、銀色の球体が最も集結している街の中心を目指す。
するとそこにはブラックローゼズとプラチナローゼズと名乗る小さなの少女がいた。
銀色の球体は【銀兵士】という、プラチナローゼズが操る自動攻撃兵器だと知る。
そして何故かプラチナな俺のことを【兄】と呼んだ。
俺はプラチナローゼズへ挑むも、銀兵士に阻まれそして、アーリィと共にプラチナローゼズに囚われるのだった。
●VolumeⅣー【死】をもたらすために【破壊】をChapterⅢ:黒の真実
プラチナローゼズに囚われた俺は、奴の屋敷で俺の出生の真実を知った。
『わたし達はテラフォーミング初期時代、未だこの星の人が高等技術を有していた頃に作られた。人を構成する要素、細胞というものをブロックのように組み合わせて作られた、人の腹から生み出されたのでは無く、機械の中で生を受けた人造生命体。それがわたしとお兄ちゃんなんだ』(プラチナ)
俺はプラチナローゼズと同じ、【遺跡】の技術で作られた人造生命体で、【死】をもたらすために【破壊】を行う【白】ことプラチナローゼズをを守るために作られた【黒】のブラックローゼズであるという真実を突き付けられた。
今、プラチナの傍にいるブラックローゼズの本名はバランタイン=ファイネストと言って、本物の【黒】である俺がみつかるまでの代用品だった。
人間ではないという事実に、俺はショックを隠しきれなかった。
その時プラチナの配下のボウモワのところから逃げ出してきたアーリィが俺を助けに来て、二人でプラチナの館から脱出した。
でも、俺が人間ではないという真実は俺から気力を奪い去っていた。
俺とアーリィがハーパーの別荘へ戻ると、ブラックローゼズと銀兵士の集団が仲間たちを襲っていた。
救援に駆けつけた竹鶴姫や中央政府の敗残兵と共に俺たちは一旦森の中へ逃げ込むこととなった。
●VolumeⅣー【死】をもたらすために【破壊】をChapterⅢ:君がいる喜び
竹鶴姫の従者:響さんから、プラチナが操る銀兵士が首都のマドリッドとアンダルシアン東海岸に存在する多くの街を一瞬で壊滅させたことを知らされた。
だけど俺は未だに戦意を喪失したまま。だけど、そんな俺たちへ容赦なく銀兵士が襲い来た。
響さんが明後日にマドリッド奪還作戦を実行すると叫びをあげ、俺たちは散り散りになって逃げた。
俺はアーリィと共に銀兵士から逃げ続ける。
その道中、プラチナの配下で三銃士の1人ボウモワと、奴の手で黄金兵士へ改造された元バーレイの首領アードベックが逃げ惑う一つの家族を襲っている場面を目撃する。
だけどやはり、俺は自分が人間ではないという事実を突きつけられて、相変わらず戦意を喪失していた。
『こんなに腑抜けてて、情けないワッドはワッドじゃない!もう、良いあたし一人で行くから!』(アーリィ)
そんな俺をアーリィは殴り倒し、一人ボウモワとアードベックヘ挑む。
アーリィは懸命に闘うが、全く歯が立たず、命の危険に晒された。
そんなアーリィを見て、俺は彼女を失いたくないと思った。
そして俺はアーリィのことを大切に想っているのだと感じ、気がついたときには飛び出していた。
『俺はお袋レアブリードと親父ライの子!ワイルド=ターキーだぁッ!』
迷わずクロコダイルスキンを発動させ、圧倒的な身体能力でボウモワとアードベックを撃退する。
もう俺の中に、俺が人間ではない、という戸惑いはなかった。
この力を使って、愛するアーリィを守りたいと俺は心に誓う。
『アーリィがずっと傍にいてくれたから俺はここまで来ることができたんだ。また戦う力を得ることができたんだ。ありがとう。本当にありがとう。そしてこれからもずっと俺の傍に居て欲しい……』(ワイルド)
『勿論!ずっと一緒にいるよ!どこまでもね』」(アーリィ)
そしてマドリッドへ向かう道中、俺はアーリィへ好きだと告白した。
アーリィも俺の想いに答えてくれて、俺たちは結ばれることができた。
●VolumeⅣー【死】をもたらすために【破壊】をChapterⅣ:暁の結末
アーリィと結ばれたことで戦意を取り戻した俺は集結場所のアンダルシアンの首都マドリッドへ到達した。
そこで俺は未だハミルトンの死に打ちひしがれていたローゼズへ、ハミルトンが生前自分になにか合った渡して欲しいと言われていた手紙を渡す。
そこにはハミルトンのローゼズを励ます最後の言葉が綴られていた。
『ごめんワイルド、心配かけた。でももう大丈夫!』(ローゼズ)
『一緒にやってくれるな?』(ワイルド)
手紙を読んだローゼズは戦意を取り戻し、復活を遂げる。
再び集まった俺たち五人は、プラチナローゼズからマドリッドを解放すべく、戦いを挑むことにした。
マドリッドへ突入した俺たちは、行く手を塞ぐプラチナローゼズ三銃士のボウモワ、アードベック、そしてブラックローゼズを圧倒する。
その時、一発の銃弾がアーリィを貫いた。
『お兄ちゃんと心を重ねるられるのはわたしだけ。傍に居て良いのはわたしだけ。さぁ、お兄ちゃんこっちへ来て!もうアーリィさんは殺すから。もういなくなるから。もうお兄ちゃんにはわたししか居ないから!』(プラチナ)
アーリィを撃ったのはプラチナローゼズ。奴はアーリィに俺を取られたと思って逆上し、凶弾を放ったのだった。
俺はプラチナローゼズへ怒りをぶつける。
『やだやだやだやだ!やだぁぁぁーー!!お兄ちゃんに嫌われるのはいやぁぁぁぁ!!』(プラチナ)
するとプラチナローゼズは悲しみの余り、銀兵士を暴走させた。
大量の銀兵士の暴走に圧倒されてしまった俺たちはあえなく敗走を余儀なくされる。
『もしも生まれ変わったら……またあたしに生まれ、たい、な…………』(アーリィ)
敗走の最中、俺の最愛の人アーリィは俺の腕の中で死んだ。
そしてアンダルシアンはプラチナローゼズの強大な暴力が支配する暗黒時代を迎えるのだった。




