ダイジェストVolⅢハミルトン=バカルディ
★ビーンズメーカー ~荒野の豆鉄砲~ をより気軽にお楽しみ頂きたいと思い、ダイジェスト版を掲載致します。
本稿をお読み頂ければ、大体のところ最新話に追いつけます。
各Chapter毎に区切ってありますので、気になる箇所がございましたら、該当箇所をお読みいただければ幸いです。
~注意項目~
●ネタバレを多く含みます。
●都合上、主人公ワイルド=ターキーの視点のみをダイジェスト化しておりますので、他キャラクターの視点部分については本編をご覧下さい。
●『 』(キャラクター名)は本編中に使われているセリフです。
【VolumeⅢハミルトン=バカルディ】
●VolumeⅢーハミルトン=バカルディChapterⅠ:紅兵士タリスカー
俺とローゼズはタリスカーの正体を確かめるために、元ゴールデンプロミスの首領マッカランが隔離されているスティーブ収容所を訪れた。
そしてマッカランの口から、タリスカーの正体は、ローゼズがかつてその手で殺した親友ハミルトン=バカルディであると聞かされたのだった。
●VolumeⅢーハミルトン=バカルディChapterⅡ:南から来た彼女
俺たちは次の遺跡の手がかりを得るために、アンダルシアンの首都マドリッドを目指していた。その道中で突然、シーバス一家っていう無法者が襲いかかってきた。
だけどハーパーこと快傑ゴールドもいて、俺自身もビーンズメーカーを持ってるんだから、あっさりと勝つことができた。でも、馬車に積んでいた飲料水がやられてしまう。
俺たちは飲料水を確保するために、近くにあるエプロ川の支流へ向かう。そこで俺たちは川の辺で意識を失うナイフ使いのタリスカーを発見した。
でもどこかタリスカーの様子がおかしく、奴は意識を失う直前、【ハミルトン=バカルディ】と名乗った。するとローゼズは、そんなタリスカーを介抱したいと強く主張を始める。仕方なく俺たちは近くの海辺にあるハーパーの別荘へタリスカーを運ぶことにした。
翌日、ハーパーの別荘で妙な物音に気づいた俺は、キッチンを覗き込む。するとそこには意識を回復させたタリスカーがいた。だけどタリスカーはまた【ハミルトン=バカルディ】と名乗った。しかもいつもの殺伐とした様子は全くなくて、その言動はまるでローゼズの手記で読んだローゼズの親友【ハミルトン=バカルディ】を思わせるものだったんだ。
『うん!だって最初に私のことを受け入れてくれたのはローゼズだもん。ローゼズのおかげでみんなにお料理食べて貰えて、ジムさんやアーリィ、あと、えっと……』
(ハミルトン)
最初は警戒をしていた俺たちだけど、ハミルトンの良い人柄に触れるに従って、警戒心を解いていった。海でみんなで遊んだり、ビーチバレーを楽しんだりして、一日が終わる頃にはすっかりハミルトンは俺たちの中へ溶け込んだんだ。
ハミルトンと一緒にいて、楽しそうに笑っているローゼズの姿は見ていて本当に嬉しかった。
●VolumeⅢーハミルトン=バカルディChapterⅢ:彼女のいる日々
すっかりハミルトンと打ち解けた俺たちは、食料を調達するためにみんなで山あいの大都市ヒースを目指す。その道中で、逃げ惑う一人の老人を保護した。
老人は先日撃退したシーバス一家に追われていたんだ。
俺たちは老人を助けるためにシーバス一家に戦いを挑む。
だけど慣れない森の中で戦いは、俺たちに苦戦を強いる。するとハミルトンは馬車の車輪整備用のヤスリを手に、シーバス一家と戦い始めた。
ハミルトンは二本のヤスリで器用にシーバス一家の銃弾を弾き続けて、懸命に闘っていたけど、所詮はただのヤスリ。ヤスリはすぐに壊れて使えなくなり、ハミルトンは危機に陥った。
『受け取る!』(ローゼズ)
『ありがとう!ローゼズ!』(ハミルトン)
そんなハミルトンへローゼズは、彼女がタリスカーだった時のシースナイフを渡す。
するとハミルトンは水を得た魚のように飛び回り、ローゼズと一緒になってシーバス一家をあっという間に倒しちまったんだ。
シーバス一家総勢32名を俺たちはヒースの保安官へ引き渡す。ヒースでは翌日、開拓100周年を祝う祭があるそうなんだけど、シーバス一家が暴れていたせいで祭の準備が滞っていた。するとハミルトンは率先して祭の準備の手伝いを始めた。
感化された俺たちも祭の準備の手伝いをすることにした。
そして翌日、なんとかヒースの開拓100周年祭に間に合わせることができた。
●VolumeⅢーハミルトン=バカルディChapterⅣ:朝焼けの決断
祭の当日、何故か俺とローゼズはみんなからはぐれてしまって、二人きりになってしまった。
二人きりで祭を回る中、俺はローゼズが以前よりも大人になって、よく笑うようになったと思う。
俺はローゼズがハミルトンと再会してから凄く幸せそうな顔をしていると思った。
ハミルトンと一緒にいればローゼズは幸せに暮らして行けるだろうと思った。
俺はローゼズとハミルトンをヒースに置いてゆき、これからはヒースでずっと穏やかな生活を送って欲しいと思うようになる。だけど、今一歩踏み出せなかった。
『離れる寂しさを抑えて、そしてもう一度冷静に考えてみてよ。どうしたらローゼズとハミルトンが幸せかをさ』(アーリィ)
だけど、そんな俺の悩みを察知してくれたアーリィが的確なアドバイスをくれて、俺はようやくローゼズとハミルトンと別れる決意ができた。
そのことをジムさんとハーパーにも相談すると、二人共賛成してくれて、早めに二人を置いてヒースを離れるための相談を始める。
だけど俺たちの行動を知ったハミルトンは、自分を置いてゆくのは構わないが、ローゼズは連れて行って欲しいと言い出した。
その時、困惑する俺たちの前へ血相を変えてローゼズが走ってきた。
タリスカーことハミルトンを追っている中央政府の軍人がヒースに近づいてきていると知らされた。
ローゼズがこれから穏やかに暮らして行くためにはハミルトンの存在は不可欠。
俺たちは一旦、ローゼズとハミルトンを置いてゆく計画を中止して、ヒースから逃げることにした。
●VolumeⅢーハミルトン=バカルディChapterⅤ:赤の決闘
アーリィ、ジムさん、ハーパーにハミルトンを追う中央政府軍を任せ、俺・ローゼズ・ハミルトンの三人は森の中へ逃げ込んだ。
そんな俺たちの行く手を塞いだのは、先日シーバス一家から助けた老人だった。
『わしか?わしはボウモワ=ラーガン!【遺跡】の真実に迫る求道者!』
老人はボウモワ=ラーガンと名乗るマッドサイエンティストで、紅兵士のハミルトンを捕まえるべく、シーバス一家を即席紅兵士っていう化物に改造して、俺たちを襲ってきた。
俺とローゼズは善戦したけど、ハミルトンはボウモワに捕まってしまい、再びタリスカーとしての意識を復活させられてしまった。
ローゼズとタリスカーは死闘を繰り広げ、俺はボウモワと即席紅兵士にされてしまったシーバス一家と対峙する。即席紅兵士に改造されてしまったシーバスはギリギリのところで正気を取り戻し、その命と引き換えに、ボウモワの隙を作ってくれた。俺は命をかけたシーバスの後押しを受け、ボウモワを撃退するのに成功し、ローゼズとタリスカーが戦っている場所へ急いだ。
ローゼズとタリスカーの決戦。辛うじてローゼズはタリスカーに勝利する。するとタリスカーはハミルトンへ戻る。だけどハミルトンに戻っても尚、彼女はローゼズへの恨みを口走った。
だけど俺はハミルトンの中に迷いがあると思い、ハミルトンへローゼズを殺さないよう叫ぶ。
『どうしてだろ、憎いはずなのに、殺したいはずなのに……なんで私、こんなに泣いてるんだろ……』(ハミルトン)
ハミルトン自身も自分の中に渦巻くローゼズへの殺意と、彼女を大切な家族と思う良心の中で葛藤をしていて、結果ローゼズの殺害を諦めてくれた。
『僕はブラックローゼズ!世界を真っ黒に染めるもんだよ!よろしく!』
だけどそんなハミルトンの前に黒衣の女:ブラックローゼズと名乗る奴が現れて、ハミルトンをまたしてもタリスカーに戻してしまった。
迫るタリスカーに戸惑いを隠せないローゼズ。その時、タリスカーは自分のナイフで割腹をした。
『私はローゼズにこれからも生きていってほしいの。これまでずっと辛い思いをしてきたローゼズにはこれからたくさん幸せになって欲しいんだもん……だけど私が生きている限り、ローゼズは命の危険に晒される……だったら私は死にたい。家族を危険な目に合わせるのは私自身……だから私は私を殺すことにした……久々にローゼズと会って、たくさん楽しいことして、全部思い出した上で見つけた答えがこれだから……』(ハミルトン)
意識はハミルトンに戻っていて、彼女はいつか大切な家族であるローゼズをその手で殺すのが嫌で、自ら命を絶つ決断を下した。
ハミルトンはローゼズに見守られながら息を引き取り、それを見てブラックローゼズは笑いこける。
そんなブラックローゼズを見て俺は怒りを覚える。すると突然、体が異常に軽くなって、俺は異常な身体能力の向上を感じた。それんばかりか腕の皮膚の一部が黒光りするワニのウロコのように変化をして、ブラックローゼズが放つ銃弾を弾き返した。
『どうしてお前がクロコダイルスキンを使えるんだ!何故なんだ!?』(ブラック)
ブラックローゼズも俺と同じ皮膚の変化:クロコダイルスキンを発動させて、死闘を演じる。
そして辛くもブラックローゼズに勝利し、疲れ果てた俺は意識を失うのだった。




