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魔法とスマホの魔界戦記RPG  作者: 常日頃無一文
第1章:勇者目指して頑張りましょう。わっしょい♪
8/66

8:Arcadia戦姫ニュース:『死者帝国『ネクロポリス』で巨大花火? 噂の真相はここでチェック!』

 皆さんこんにちわ。今日もArcadia戦姫ニュースの時間がやってきました。

 司会はお馴染み、初めての方は初めまして。コメンテーターのサクシャーと、本日も特別ゲストを迎えてのお送りとなります。それでは恒例のゲスト紹介から参りましょう。


 本日のゲストはこちら。え~、お食事中の方には大変申し訳ありませんが、ご了承ください。


 『三度のメシよりク○が好き。食ったら出して、出したを食っての永久機関。クーサレ語のパイオニアにして通り名はスカトロ貴公子』 


 でお馴染み、死者帝国『ネクロポリス』の国王にして魔王軍72柱の1柱、蠅の王ベルゼブブさんで――クサ!! あ、もうクサ!! あ~、早くもカメラさんがあまりの臭さにタンカで退場となりました! 初っ端からトラブルです!


 え~映像スタッフのトラブルにより、ここからの番組はラジオ放送に切り替えてのお送りとなります。改めてこんにちわベルゼブブさん――くさ!


「うむ。ベンジョルノ。苦しゅうない苦しゅうない。ガスマスクと消臭スプレーと医師を待機させての出迎え、誠に行き届いておるザンス。ひょっひょっひょ」


 海水浴場のトイレみたいな臭いを放ってのご出演、どうもありがとうございます。


「フンバルトモレール。なかなかイキな挨拶をするザンスね」


 え~、ニックネームがスカトロ貴公子ということですが、確かに。見た目は貴公子に相応しいフランス貴族全開な感じですね。色んなとこカールしまくった金髪とかヒゲとか、フリルつきまくったタキシードとか。そして背中に生えてる虫ハネが蠅の王の証と。


「ケツカラデルード。その通りザンス。チンの自慢ザンス」

 

 さてさて本題に入りますがベンジョルノさん。


「なんザンス。チンはベンジョルノではなくベルゼブブざんす」


 最近動向が注目されているフィナンシェ・エルヒガンテさん一行ですが、死者の森『シンドルワー』を抜けたあと、ベルゼブブさんの統治する死者帝国『ネクロポリス』に向かったそうですよ。国王としてどう思われますか?


「ひょっひょっひょっひょ。フンバルトヘーデル! 魔王エルヒガンテ様の姫君とあらば、国の奴隷どもを死ぬ気でこき使って三日三晩飲めやクソえやの宴を用意させるザンスが、ここ100年もお屋敷に閉じこもりっぱなしだったあの姫君が、今更なんの理由もなくちんの国にいらっしゃるわけがないザンス」


 ほうほう。フィナンシェ・エルヒガンテさんが『ネクロポリス』にやってくる訳がないと。するとつまり?


「つまり、その一行とやらは姫君の名を騙るニセものたちザンス。即ち、前のフリプール村のニュースも含めて、これはガセネタざんす。ひょっひょっひょ」

 

 ふーむ、すると本物のフィナンシェ・エルヒガンテさんは、今も魔界のお屋敷に引きこもっておられると?


「ワーデルモーデル。その通りザンス。なにせ最近のゲームには目がない姫君。今頃は自室で4DSにかじりつき、ペルソナ5とか魔界樹の迷宮とかをやりこんでるはずザンス。やれやれ全く、こんなこと姫君の嗜好をちょっとでも調べれば分かるようなものザンスのに、そちの取材員はまことゲリベンのようにゆるいおつむザンスね。ひょっひょっひょ」


 なるほどなるほど。


「それに、シンドルワーからネクロポリスへの道は困難を極めるザンス。ゾンビとかゾンビとかゾンビとか。他にもゾンビとかゾンビとか一杯いるザンス。行こうと思って行ける場所ではないザンス。その偽姫君がどんな馬の骨かは知らないザンスが、道中でイき倒れるのは確実ザンス」


 大変よく分かりました。解説どうもありがとうございます。


「うむ。苦しゅうない苦しゅうない。イッヒフンバルトベンデル。ひょっひょっひょ」


 それでは一旦、特派委員が入手したとする証拠写真をご覧いただきましょう。


「ゲーベンボルグ。まーたガセネタざんすね。しかしまぁ今日は快便で機嫌がいいので見てやるザンス。ひょっひょっひょ」


 こちらです。


 デデン♪


「な、な、な」


 おおっとベルゼブブさんの顔色が一気に変わりました。もしかしてこれはトクダネでしょうか?


「なんザンスかこれはーーーーーーー!?!?」


 ただいまベルゼブブさんの目が飛び出ております。身を乗り出した上に目まで飛び出ております。写真にすごい衝撃を受けられたようです。

 え~、ラジオをお聞きの皆さんのために写真を解説しますと、これはベルゼブブさんがお住まいのネクロポリスの城、ベンダシタイナー城の地下牢ですね。そこを1,2,3,4。四名が、ガスマスクを装備して練り歩いています。臭いがヒドいのでしょう。


「あ、あ、あ、あれは宵闇の翼ヴェスパー・ウィング!! 魔王の眷属たるしるしザンス!! まさか本物だったザンスか!?」


 ベルゼブブさん臭いのでご着席をお願いいたします。はい続いての一枚。


 デデン♪


「ち、地下金庫が破られてるざんすーーーーーー!?!?」


 ただいまベルゼブブさんの耳が飛び出ております。驚いてもそこは飛び出ないだろうというパーツが飛び出ております。写真に大きなショックを受けられたようです。

 え~、状況を解説しますと、顔はガスマスクで判然としませんが、セクシーなボンテージドレスからしてこの人はフィナンシェさんでしょうか? 特派委員の向けるカメラに向かってエレガントに髪を流してポーズを決めてますね。そして背景には、これは……教会のシスターさんでしょうか? ガスマスクをつけたシスターさんが、破られた地下金庫から何か重そうな本を取り出してる構図です。


「ぐ、グリモアを奪い返されたざんすかーー?!?!?!」


 ベルゼブブさん臭いので息をしないでください。はい続いての一枚。


 デデン♪


「ばばばばばばばばば、バルバドス!?!?!?!?!??!?」


 ただいまベルゼブブさんの髪が飛びあがっております。もしかしたらヅラ疑惑が浮上しかねない恐るべきパーツが飛びあがっております。写真に絶大なダメージを受けられたようです。

 え~、写真を解説しますと、場所はこれもまた地下牢ですね。ここは空気が澄んでいるのかマスクなしです。まず背景ながらもカラフルな色で目に付くのが赤、青、緑のカエルです。何か感動のシーンのようですね。カエル三匹、互いに号泣しつつ抱き合っています。そして正面ドアップ、とっても可愛らしい青髪の少女が、特派委員の向けるカメラに対し、両手の中指をビシっと立ててキュートかつ挑発的な笑みを浮かべてますね。

 ちょうど 凸(。-∀-)凸 な感じです。


「バルバドスおのれあの裏切り者ガエルめーー!!!!!!!!!!!!!!!」


 おーっと早くもゲストの忍耐が限界に近いようです。顔が真っ赤です。ウ○コ漏らさないでくださいよベルゼブブさん。はい続いての一枚。


 デデン♪


「ち、ちんの玉座がー!?!?!?!?!?!?!?!?」


 ただいまベルゼブブさんの股間が盛り上がっております。あまりにも貧相な放送禁止パーツが盛り上がっております。写真に謎の興奮を覚えておられるようです。

 え~、状況を解説しますと、ここはベンダシタイナー城の王の間ですね。赤絨毯に飾られた床に天井で煌くシャンデリア。各種アンティークな調度。絢爛豪華な装いですが、玉座の後ろにあるムカツク顔の肖像画が全てを台無しにしてる感じです。


「ちんの自画像ざんす!!!」


 大変失礼いたしました。え~、その玉座に対してですね。その、これはお伝えしても宜しいのでしょうか。場合によっては魔界児ポ問題担当大臣のバグネスチャン妃殿下が乗り込んでくる恐れもありますが、まぁ音声解説なので良しとしましょう。ハイ。えっとですね。ピンク色のショートボブの髪をし、ネコのコスプレをした愛らしい女の子が、まるで猫みたいなポーズで玉座にオシッコしております。


「これは許したザ~ンス」


 ただいまスカトロから不適切な発言がありましたが、ノーカットでお送りしております。さて最後の一枚がこちら。ベルゼブブさんどうかショックのあまり漏らさないでくださいね。


 デデン♪


「城が燃えとるやないかーー!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」


 ただいまベルゼブブさんのあらゆるパーツがハミ出ております。もはや解説不可能なあらゆるパーツがハミ出ております。写真にこれ以上ないほどのインパクトを受けられたようです。

 解説しますと、はい。ベンダシタイナー城がほどよく燃えております。メラメラメラ。そしてその後ろでは、まるで祭りを祝福するかのように色とりどり、無数の花火があがっており、城前の広場では国民@死人の皆様がビールジョッキを片手に祝杯あげまくってますね。わー楽しそう。


「他人事ザンスかーーーーー!?!?!?!?!?!?」


 え~、写真の中央ですね(無視)。まるで集合写真のようにして、この放火の主犯と思われる人物たちがポーズを決めております。中央はもちろんフィナンシェさんで、やはりエレガント。腰に手を当て斜めに構えた、実にクールかつ優雅な立ち姿です。


「やっぱり本物の姫君ザンスかーーー!!!!!」


 で、その向かって右横は、高額の身受けで話題をサラった青髪少女のステビアさん。親指を立てて元気にサムズアップしております。ウィンクが可愛い。


「前のニュースもガセネタじゃなくてガチネタだったザンスかーー!?!?!?」


 さてステビアさんのとなりの猫娘も可愛いですね。両腕でぎゅっとステビアさんの腰に抱きついてます。さっき玉座でおしっこしてた子ですね。バグネスくんなよ頼むから。


「許したザンス」


 さて、向かって左はカエル三匹。ミツマタのヤリを持った赤のカエルが涙を流しつつも背をピシっとただし、緑の小さなカエルを肩車してます。そしてそれに寄り添うように、青のカエルが微笑んでます。家族でしょうか? なにか心温まります。


「ケツカラデルド! おのれバルバドスめ! やはりお前が姫君たちをネクロポリスに手引きしたザンスね! ぐぬぬぬぬぬ!」


 ベルゼブブさんがウ○コ漏らしそうな顔で唸ってるのが心配ですが、続けます。え~そして。そんなカエルに苦笑しているのがその隣、先ほどベルゼブブさんが『グリモア』と言っていた大きな本を抱えたシスターさんですね。肩車してる赤のカエルに対し、まるで『親バカやな~』とでも言ってるかのような表情です。


「ててて、ていうかちょっと待ったザンス!!!!!!」


 何でしょうかスカトロ? 失礼、ベルゼブブさん。


「こ、こ、このバルバドスが被っているのはチンの王冠ザンスよ!?!?!? いったいどういうことザンスか!?!?!?」


 少々お待ちください。……あ~、はいはいはい。確かにそのようなものを被ってますね。小さいながら、宝石が散りばめられた豪華な王冠です。まるでネクロポリスの国王であるかのような貫禄です。


「冗談じゃないザンス!!!! ネクロポリスの国王にしてベンダイシタイナー城の城主の証たるあの王冠を被っていいいのはこのベルゼブブだけザンス!!」


 ベルゼブブさんバンバンとゲスト席を叩かないでください。壊れます壊れますあー壊れた! え~、ここで新たな情報が入ってきました。これはこの騒動に対して魔王エルヒガンテさんが今しがた下した決定だそうですが


「おお!!! 魔王エルヒガンテ様がこの暴虐に正義の鉄槌を下して下さるザンスね!?!?!?!?」


 ベルゼブブを100叩きのうえ国外追放し、本日付で新たなネクロポリスの国王としてバルバドス・ゲロッパーズを就任させるとのことです。


「ケツカラデルド!?!?!?!?!?!?!?!?!?  なんじゃそりゃーーーーーー!?!?!?!?!?!?!? 冗談じゃないザンス裏切りガエルにして謀反ガエルのバルバドスの大罪を罰するどころか、国民選挙も議会承認もその他モロモロゴチャゴチャした手続きも経ぬままいきなり国王就任とかいったいどういうことザンスか魔王様!?!?!?!?!?!?」


 え~またこの決定に関して、魔王エルヒガンテさんは、目にねじこんでも痛くないほど溺愛してる一人娘のフィナンシェさんから、『お願いパパ♪ バルバドスちゃんにネクロポリスあげて♪』というメッセージと共に『画面キスの写メ』をもらったのとは一切全然すごく無関係であると、その点を目線キョロキョロ汗タラタラしながら必死に強調されているので、


「それが原因ザンスーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 まぁ無関係なのでしょうね。


「ふざけんなザンス!?!?!?!?!?」

 

 え~、最後にネタバラしになりますが。今回のニュースはフィナンシェ・エルヒガンテさんよりスポンサーとして多額の援助金を頂いており、その代わり、ネクロポリスを城主不在にするためにゲストとしてスカトロ貴公子を呼んでくれと――


「なななななんだってザンスか!?!? キサマいったいそれどういうことザンスか!?!?」


 あ~っとベルゼブブさんやめてくださいやめてください! 近寄らないでくださいマスクの上からでも鼻がモゲっと、ここで。現場と中継が繋がりました。え~、フィナンシェ・エルヒガンテさんより、ベルゼブブさんにメッセージだそうです。おお、画面に釘付けですベルゼブブさん。


『こんにちわ。ネクロポリスの元城主ベルゼブブ。一国の主からわずか一夜で無宿の貧民にまで落ちぶれた屈辱の味は如何かしら? たまらないわよね? ふふふ。まぁ私は悪魔だけれど鬼ではないから、この土壇場で一つだけチャンスをあげるわ。もしも再びネクロポリスの国王としての地位を取り戻したいのならば、現ネクロポリスの国王であるバルバドス・ゲロッパーズと一対一の決闘に臨みなさい。日時は明日早朝ネクロポリスの広場。良い? 時間も場所も厳守よ? もしもこれに応じないのならば、私自らが100叩きの刑を執行することにするからそのつもりで。私の一撃は死刑と同義よ? 知ってるわよね? さて、最後に決闘には相応しい煽り文句を、この私フィナンシェ・エルヒガンテから一言添えておきましょう。

逃 げ ん な よ ク ソ ヤ ロ ウ  凸(*^ω^*) 』


 以上、現場からの一方的なメッセージでした。って、ベルゼブブさん? 俯いて肩をワナワナ震わせて「ひょっひょっひょっひょ」って笑ってますが、どうされたのでしょうか?


「ヘーデルトベンデル! この蝿の帝王ベルゼブブと一騎打ちとは、ひょっひょっひょっひょ。バルバドスめ。身の程知らずもそこまで来ると甚だしいどころか痛々しいザンスね」


 おお、クワッと開いた目が血走ってます。まるで脱法ハーヴを決めまくったようにヤバイ感じがプンプンします。臭いもプンプンします。


「良いザンス!! バルバドス!! そのつかの間の幸せから!!!! このベルゼブブが一気に絶望のどん底まで叩き落としてやるザンス!!!!!」


 わー、なんと申しますか。


「フンバルトモレール!!! ネクロポリスはキサマの墓場ザンス!!!!」


 すっごい死亡フラグですね。


「お黙りザンス!! チンは早速ネクロポリスに向かうザンス!!」


 あの、ベルゼブブさんまだ番組途中なのでどうかお席に


「おだまりゃザンス!! オディオスざんす!!」


 あ~、ベルゼブブさんが背中のハネをヴーーーーーンと耳障りにハタメカせて飛び立ってしまいました。途中で退場してしまいました。


 え~ここで新たなニュースが入って来ました。訃報通知です。


 先日、『ニク、ちょっとシンドルワーに用事を思いついちゃったんだぞ♪』みたいなメッセージを最後に行方不明になっていた、歌手で自称アイドルのオワコン歌姫、終音ニクさんですが、先ほどシンドルワーの森でゾンビとなってネギを振っていたところを特派委員に発見されました。ここで適当にお悔やみしつつ、今後のゾンビとしての活躍をお祈り致します。


 え~、二週連続で番組中にゲストが退席するというハプニングがありましたが、これでArcadia戦姫ニュースを終わります。お相手はコメンテーターのサクシャーと、スカトロ貴公子のベルゼブブさんでお送りいたしました。


 それでは皆さん、また次回お会いしましょう。

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