31:ドライナイトメアの終焉
デビルアンツたちが、あっという間に散った。
「なんだベイベー?」
戦線からつまみ出されたバルバドスが、それに意外そうな声をあげる。
そして俺も、思わず出鼻をくじかれたように動きを止めてしまった。
いったいこれはどうしたことだろうか。
あれほど整然として、
あれほど威風堂々としていた誇り高きアリたちが、
不様なほど無残に、
脇目もふらず一目散に、
戦いもせずに敗走を始めているのだ。
蜘蛛の子散らすという表現は、まさにこのことを言うのだろう。
誇張表現ではなく、本当に一斉に、デビルアンツらは散り散りのバラバラになって、怯えながら逃走しているのだ。
それは先ほどの戦いぶりからは信じられない、
俺たちの知るデビルアンツからは考えられない、
あまりにも生物然とした応対だった。
命を惜しみ、恐怖を知った者の応対だった。
それのなんと、なんとまともな挙動だろうか。
そして俺は思う。
――しかしつまり、
――これこそがまさに、
本来のデビルアンツなのだ。
と。
生物として真っ当な、正常なデビルアンツの挙動なのだ。
ダージリン修道会でシスターたちが暮らしていけたほどの、脅威ではあったが許容できた頃の、本来のデビルアンツなのだ。
――逆に言えば、
悪魔という名に相応しい、さっきまでの禍々しいデビルアンツこそ、
クイーンの魔眼のなせる、異常なデビルアンツだったのだ。
「……撤退するようでござるな」
ポン太は構えを解き、得物にしていた枯れ枝ならぬ長骨を砂地に捨て、遠ざかる彼らの背を見送った。
ただの一匹さえ、歯向かってくる様子はない。一心不乱の敗走を敢行している。
どうやらクイーンの魔眼による支配は、すっかりと解かれた様子である。
――そしてその結果として、
彼らは俺の剣を一太刀も受けることなく。
彼らはポン太の剣技に裁かれることもなく。
彼らはネクロポリスの死兵に襲われることもなく。
10万が10万、一匹残らず例外なく。
一斉に背を向けて、
俺達からの逃走を選択したのだ。
守るべきクイーンを、置き去りにして。
「そんな……。どうして……」
呆然としているのは、この瓦解した群れを上空より見つめているクイーン。
誰よりもハッキリと、戦況の一気終焉を見せつけられている彼女。
呆然の理由は、彼女の魔眼がデビルアンツに作用しなくなったからか。
それとも、魔眼が作用しているにもかかわらず、デビルアンツが制御できないと思い込んでいるからか。
後者であれば、俺はその誤解を解かなくてはならない。
クイーン、おまえの魔眼はもう存在しないのだと。
クイーン、おまえに魔眼はもう存在しないのだと。
しかし俺よりも先に、それを残酷な形で見せつける悪魔王がここにいた。
「ネクロポリス国王軍各兵!」
蝿の王が刺突剣を振りかざし、声高に叫ぶ。
「狙い定めた敗残兵を徹底的に追い回すザンス!」
死兵の総司令官は、
もはやデビルアンツを敗残兵と決めつけ、
逃げゆく彼らの背中を指し示し、そんな無慈悲な命を下す。
「二度と陣を形成できないよう、徹底的に解体するザンス!」
それに死したデビルアンツたちが唸り声をあげて答えれば、
敗走するアリ達もそれに呼応し、一層に逃げ足を早める。
ぞろぞろと
ぞくぞくと
彼らは追われるままに砂漠を逃走していく。
誰一人、
何一匹、
クイーンを省みることはしないで。
その光景は、クイーンにどうしようもない事実をつきつけた。
魔眼の効果が切れた――だからアリ達は恐怖を知るようになった。
魔眼の効果が切れた――だからアリ達は命を惜しむようになった。
魔眼の効果が切れた――だからアリ達は逃げ延びるようになった。
そしてその結果として、
誰一人、
何一匹、
クイーンを省みることはしなかった。
その意味は言うまでもない。
デビルアンツにとって、
クイーンは女王などではなくて、
単なる魔眼に過ぎなかったのだ。
「やはり魔眼の効果は解けたのでござろうか」
ポン太の声に改めて目をやると、彼女は静かにただ佇み、上空のクイーンを見上げていた。
その視線はまっすぐに、彼女の呆然とした白眼を直視している。
俺は尋ねて見ることにした。
「どうだポン太。何か妙な高ぶりとか覚えないか?」
クイーンの魔眼の効果について直接聞いてみると、彼女は首を左右に振った。
「そのようなものは、何も」
と。
それが全てだろう。
それで全てだろう。
やはりクイーンは、もう魔眼を使えないのだ。
そして同時に、クイーンは女王として終焉したのだ。
魔眼を失って。
「ただしかし……」
彼女はそこで言葉を止めて、俺の方を向いた。
「言葉では形容しがたい、悲痛な波風が吹き渡ってござるよ」
静かに言ったそのとき、ポン太の切れ長の目から、一滴の涙がこぼれて頬を伝った。
クイーンの目を見つめて心に起きた衝動。
それは魅了による昂ぶりではなく、
涙をさそうほどの悲痛だった。
「あんまりではござらぬか」
ポン太が泣いていた。
ジェラートの死をティラミスに聞かされた時でさえ涙せず、
老いた龍帝が自らの命を差し出そうとした時でさえ涙しなかったポン太が、
涙をこぼすほどの悲痛を、心に覚えていたのだ。
クイーンの、その目を見て。
「あんまりではござらぬか」
その在り様を、彼女は一言で言った。
「呪いによって捨てられた子が、育まれたアリの中でさえ、呪いとしてしか生きていなかったなんて」
運命を狂わせた魔眼の呪い、
それに身体を変えられようとも生き延びて、
アリ達を肉親として生き延びて、
ようやくのようやくの今日、
それが解かれてみれば、
自分そのものの意義まで否定された。
――そんなのは、あんまりでござらぬか。
ポン太が、泣き崩れて膝をついた。
「そんなの、あんまりでは、ござらぬか」
ボロボロと。
ボロボロと。
あまりにみっともないほど涙をこぼして、彼女は泣き始めた。
自分を殺そうとしたクイーンを哀れんで、彼女は泣き始めた。
まるでまるで普通の女の子みたいに。
まるまるで、いじめられた弱い女の子みたいに。
かつて魔界の魔物を駆逐しかけた龍族の最強が、
自らと自らの仲間を殺そうとしたクイーンを哀れんで、
情けなく泣き始めた。
それは見るに忍びない、あまりに居た堪れない情景だった。
「ワーデルモーデル」
静かにベルゼブブが言った。
「たとえ悪夢から冷めたとしても、その冷めた現実が幸福とは限らないザンスね」
悪魔王の声には哀悼を捧げるような鎮痛さが滲んでいて、そしてその言葉にはあまりに救いがなかった。
悪夢から冷めても、
現実が幸福であるという保証がない。
いまのクイーンがそれだった。
生けるその物語りだった。
彼としても予想外だったのかもしれない。このあまりにあっさりとした、群れの崩壊が。魔眼失効による、あっさりとした瓦解が。
隣でバルバドスも、じっと口をつぐんでいる。
その大きな目はただ静かに、いまなお死兵に追われて逃げ惑う、滑稽なデビルアンツたちを眺めていた。
逃げ惑うデビルアンツ。
追いすがる死兵。
空で呆けたようになっているクイーン。
泣いているポン太。
悼むようなベルゼブブ。
無言に佇むバルバドス。
あまりに滑稽で、不様な情景だった。
とても戦争の体などなしていない、言うなれば単なる鬼ごっこ。
死兵が追いかけ、敵兵が逃げる。
ただそれだけ。
ただそれだけ。
「……けんな」
そんな中にあって俺は、
「……ざけんな」
心の奥底より湧き上がる一つの感情に、
「……ふざけんな」
総身を震わせていた。
泣いているポン太を見ていたらより湧きたち、
悼むようにクイーンから目を背けているベルゼブブを見ていたらより湧きたち、
諦めたように戦場を見ているバルバドスを見ていたらより湧きたつその感情。
しかしなにより、
呆然としたままのクイーンから、
初めてこぼす涙を見つけた途端、
奔流となった感情は沸き立つどころか吹き上がり、
体内にとどまれず口より溢れ、
「ふざけるな……!」
そんな形となって迸った。
「ふざけるな!!」
大きく声を発したとき、
そばの三人のみならずクイーンまでもが俺を見た。
ブルブルと両手が震えた。
ギリギリと食いしばる奥歯が軋んだ。
「なにやってんだよクイーン!」
俺は吠えた。
「早く群れをまとめろよ!!! 体制を立て直せよ!!! なにやってんだお前このままだと俺たちに負けるぞ!!!」
クイーンの表情が呆然から懐疑に変わる。
周囲の三人は俺に唖然とする。当然だろう、敵に発破をかけているのだから。コイツ狂ったと思われても仕方がない。しかしそんなのはどうだっていい。一向に構わない。
この戦いの勝利は、もはや打倒デビルアンツではないのだ。
だから俺は構わず叫ぶ。
「魔眼なんか使わなくたって、クイーンが女王な証拠をさっさと見せろよ!」
俺は噴き出る感情を、ありのままに叫ぶ。
「さっさとあの弾けるような怒声をあげて、瓦解した群れをまとめろ!」
クイーンの顔が懐疑から驚愕に変わった。
「ネクロポリスの死兵達を押し返せ! さっきの戦線を回復しろ!」
この感情は自棄になったクイーンを哀れむ凍えるような悲しみではなく、
自棄になったクイーンを救おうという、燃えるような怒りだった。
「ぼっとしてんじゃねーよ!」
俺は驚愕のままに凍っている彼女に言う。
「的確な判断を下して、迅速に行動しろ!! ここは戦場だぞ!! お前は指揮官だぞ!」
砂漠にこだました俺の叫びに、クイーンがぽつりと「あたしが……指揮官……」と、弱々しく言った。
そして漏れた、「ははは」というクイーンの自嘲の笑み。
そのあまりの情けなさに、
俺は切れた。
「おまえが魔眼に負けたのは仕方ねーよ!!!」
プッツンきた俺は、説明の過程をすっ飛ばして結論を叫んでいた。
「魔眼なんて物騒な呪いにかかっちゃ人間のお前にはどうしようもねーよ! どうあがいたって抗いようねーよ! お前の人生最初からムリゲーだったよ! 最悪のニューゲームだよ!! でもそこで投げずに人生続行して教会目指して! お前マジですげーよ! 惚れそうになったよ!」
クイーンの瞳が、ショックで揺れた。
けどキレた俺はなお叫ぶ。
「でもその結果やっぱりムリゲーはムリゲーだったよ! だからお前は倒れたよ! 途中で力尽きて砂漠の真ん中で倒れたよ! しかもそこで差し伸べられたのが救いの手じゃなくてデビルアンツの牙だった! こんなのムリゲーどころかクソゲーだよ! どうしようもないよ!」
俺は叫びながら泣いていた。
泣いていたけど構わなかった。
「だから俺は! プレイヤーとしてそれをお前からそれを取り除いてやったよ! なくしてやったよ!! 俺は勇者でそれができるから!! お前のどうしようもない悪夢を終わらせてやったよ!! クソゲーとおさらばさせてやったよ!! けどな!!」
そこで俺は撫子を思い切り振りかぶり、
「 消 え た 魔 眼 に ま で 負 け て ん じ ゃ ね ー よ ! !」
あらん限りの力で大地を切りつけ、火花を散らした。
「こうやって救われといて!! なお負けてんじゃねーよ!! ムリゲー設定取り除かれて!! クリア諦めてんじゃねーよ!! 破綻してんじゃねーよ!!」
俺は睨み殺すほどの強さでクイーンを睨みつけ、そして撫子の切っ先をクイーンへ向けた。
「此処から先は俺達と対等だろ!!! 泣き言も言い訳も一切認めねーよ!!!」
俺はここ一番に吠える。
彼女を救う言葉を。
「お 前 は 俺 達 と 同 じ だ ! ! 」
クイーンの瞳が波打った。
「お前はフィナンシェお嬢様に救われた俺と同じだ!! お前はバルバドスに救われたベルゼブブと同じだ!! お前は俺に救われたポン太と同じだ!! お前はジェラートに救われたティラミスと同じだ!! お前はティラミスに救われたエクレールと同じだ!!」
クイーン、お前は俺達と対等だ。
此処から先に、お前を哀れむ余地はない。
デビルアンツのクイーン。
勇者ごときに、不戦敗してんじゃねーよ。
「だから俺たちと戦ってみせろ!!」
あらん限りに吠える。
「お前はいまこそただのクイーンだ! 余計な装飾と華美と冗長と余分から開放された、純然たるクイーンだ!」
力の限りに吠える。
「そして俺は単なるステビアだ!」
激情に任せて吠える。
「クイーン!!! いまこそお前だけの力で、そのデビルアンツを取りまとめてみせろ!!」
そして俺は最後の発破をかける。
「で な き ゃ 俺 は 、お 前 を 絶 対 に ク イ ー ン だ な ん て 認 め な い ! ! 」
と。
そこまで言い切って、俺は再び、撫子を青眼に構えた。
さぁ、再び戦を始めようとけしかけるため。
さぁ、お前を救う戦いを仕切りなおそうと、態度で示すため。
しばらく沈黙が流れた。
三人は黙って、俺とクイーンを見守っていた。
この成り行きを静かに。
この展開を静かに。
ただ遠くで、死兵に追われるデビルアンツの足音だけがする。
敗走の音だけが、静かに、しかし確かに響いていた。
やがてクイーンは目を閉じ、
すぅっと、息を吸い込んだ。
そして。
再び開眼する。
真っ白な目を剥いて。
その口を薄らと開いて。
「 う ろ た え る な 臆 病 者 共 ! ! 」
破裂するような憤怒の声が、上空で爆ぜった。
その音圧は俺たちを退かせた。
さらには敗走していたデビルアンツと、
追走していた死兵たちの足を留めるほどの威と、そして傲岸さを放っていた。
「 戦 う 前 か ら 死 に ぞ こ な い 如 き に 尻 尾 を 巻 き や が っ て ! !」
ネクロポリスの死兵を、
死のぞこないごときといった。
そしてクイーンの傲岸な怒声は、
再び爆ぜるような音圧を放ち、
大地の砂を炙って放射状の軌跡を描いていた。
「 お 前 た ち は そ れ で も ク イ ー ン に 仕 え る デ ビ ル ア ン ツ か ! ! ! 」
敗走の音がピタリと止んだ。
「 群 れ の 掟 に 従 え ! !」
代わりに顎なりの音が沸き起こってきた。
「女 王 蟻 を し と め た こ の あ た し こ そ が お 前 た ち の 女 王 だ ! ! ! 」
クイーンは言ってのけた。
自らの運命を克服する言葉を。
逃げずに認め、なお超越する言葉を。
そして
怒声の直後に、
異変が起きた。
メキメキメキメキという、地割れのような音が、
ガキガキガキという顎なりの音に重なって、
一帯にこだまし始めた。
音の在り処を探ってみれば、
それはクイーンの大喝を受けたデビルアンツたちの体殻より響いていて、
見やればそれは、
彼らの身体に走る亀裂の音だった。
「まさか……これは」
涙に濡れていたポン太が、その異様に驚愕する。
俺はしかし、その怪異をなんだろうかと疑問に思いはしなかった。
何故ならヒビ割れたその裂け目の奥には、
新たな甲殻の色が覗いていたから。
「眠れる獅子を起こしたザンスね、マダム・ステビア」
ベルゼブブはこの光景に嘆息したが、しかしその顔は喜色満面に笑んでいた。
「変体してるザンスよ、デビルアンツが」
そう、
ベルゼブブの言うとおり、
デビルアンツは変体していた。
亀裂のような音を立てて、ぞろぞろと古い皮を剥いで、新たなデビルアンツへと変体していた。
そしてそれを受けて、
ネクロポリスの死兵たちが、
死して恐れを知らぬはずの死兵たちが、
新たなデビルアンツたちに恐れをなして後退し、
ぞろぞろと後退し、
ついには俺達のもとにまで撤退してきた。
10万が10万、
揃いも揃って一匹残らず、
ここまで撤退してきた。
その光景にバルバドスが
「即席の軍には忠誠心がないなベイベー」
チクリとベルゼブブに嫌味を言った。ベルゼブブは「ぐぬぬ」と歯ぎしりしてから、
「仕方ない。もう一度陣形を整えるザンス」
言ってから刺突剣を振って空を裂けば、死兵達はよどみなく動き、正方形の陣――方陣を整えた。
「しかしまぁ、なんだかやばい展開になってないかベイベー」
バルバドスは我知らぬうちに、トライデントスピアを握る手に力を込めていた。
「くるでござるよ」
ポン太の声に、空気がピリリと鋭くなる。
散り散りになっていたデビルアンツたちが、
ネクロポリス死兵の撤退を皮切りにぞくぞくと集まり、
集まって集まって群れとして集積していき、
そして陣形を整え、
戦線を回復し、
――こちらへ行軍してくる。
その姿に、俺達は四人とも息を呑んだ。
「まじか……」
感動さえ覚えて、俺はそう呟いた。
――何故ならば、
クイーン憤怒の叱咤を契機として、
生まれいでたる新たなデビルアンツは、
全身に瑠璃色の光を湛えた、
美しい宝石のようだったから――。
そして。
今度の相手は、魔眼に操られた凶性ばかりが取り柄のデビルアンツではない。
呪縛より解き放たれ、新たな女王を守ると誓い、理性と知性を兼ね備えた、
真の意味でレッドホットチリペッパー砂漠の脅威たる、純粋のデビルアンツだ。
「今一度問うぞ。お前たち」
力強く、そして傲岸さに満ちたクイーンの声。
「このクイーンのために命を捨てる知性があるか?」
覚悟ではなく、知性といった。
その傲岸さに、俺は確信する。
クイーンは、クイーンに戻った。
そしてその声に応じるように、新たなデビルアンツたちは一斉にあごを鳴らした。
一匹残らず例外なく、
10万が10万、揃いも揃って一斉に、
全てが全て、誓いを立てて吠えていた。
洪水のように湧き上がる、彼らの狼煙。
それにベルゼブブがニヤっと口元を歪める。
「フンバルトモレール。今度ばかりは誠に遺憾ながら、チンのみならず国王陛下にも、一戦交えて頂く必要があるかもしれないザンスね」
流し目を受けたバルバドスが、大きな口でニィっと笑った。
「ようやくバルバドスにも活躍の出番が巡ってきたかベイベー」
と。
「ステビア!!」
そのときクイーンが、俺の名を呼んだ。
応じるようにその顔を直視すると、彼女は表情を変えて言った。
「ありがとう!!」
それは初めて見る、満面の笑顔で。
そしてその笑顔からは、涙が散っていた。
魔眼では絶対にこぼせなかっただろう、人としての歓喜の涙が。
トドメにこれを叫ぶ。
「そしてしね!!」
と。
彼女らしい、不遜で傲岸な宣戦布告だった。
俺も勇者として、それに笑顔で応じた。
「やれるもんならやってみろクイーン!!」
開始の合図はそれだった。
皆が一斉に飛び込み、一気に入り乱れて混戦を開始した。
いよいよドライナイトメアを終わらせる本当の戦いが、幕を開けたのだ。
引き続き勢い投稿です。
ん~、あとで要修正ですかね?
ともあれぼちぼち主役なあの人が出てきますよ~^^




