13:知られざる守護者
「えらい食欲やな~」
深夜のダージリン修道会の納屋。
そこを訪れたティラミスの声を聞いて、クルっと振り返ったペンギン型の不審者は、もちろん腹減りポン太である。
パン袋に頭を突っ込み、中をゴソゴソとやっていたプニプニ生物なのだが、そのつぶらな瞳でもって誰何し、彼女の腕組む姿を後方に認めた。
ティラミスからは、ジトっと重く湿った目線が注がれている。
「で、もう一日分の袋もこのままいくんか?」
ティラミスは言った。
この様子、どうやら随分と前から、自分は生暖かな目を向けられているらしかった。
ポン太は、それに二度三度マバタキしてから言う。
「これはこれはティラミス殿。このような夜更けにいったいどうなされた?」
それはまるで、彼女こそが来訪者であるかのような口ぶりだった。
口をモグモグと動かしながら尋ねるプニプニ生物に、ティラミスは大きく嘆息する。
「いまのポン太は、『それはウチのセリフや』とも突っ込めんぐらい先にいっとるなぁ」
そして腕を解いてから、パン袋の他、空になった野菜袋を見つつも
「まぁ、何となくポン太がおるような気配がしたから来た、とでも言おか」
自分に折り合いをつけるように、ティラミスは頷いた。
ポン太がパタパタと両手を動かす。
「ティラミス殿であれば、私は何時でも歓迎でござるよ。ささ、何もないところではあるがゆるりとされよ」
そして、まるで『どうぞ』とでも招くように、その平たい手を下に差し出した。ティラミスはクスっとなる。
「そのセリフも、『それはウチのセリフや』と突っ込めんぐらいやな」
ポン太はあの夜以来、数年に渡り、食事を求めてはダージリン修道会の納屋をちょくちょく訪れるようになっていた。
いつ何時、ポン太がここにやってくるのかといえば、それは大体夜更けのことで、朝になって朝食の材料を取りに納屋を訪れた修道女が、決まって書き置きを見つけるという形でそれは明らかとなる。
『昨晩、こちらの食料を少しばかり頂いた。いずれ必ずお返し致す故、どうかこの大恩、今しばらくこの身に着ることをお許し願いたい』
だいたいはこういう文面が、非常に美しい楷書体で綴られて、食料のあった棚に置いてあるのだ。
また時には
『僅かばかりで申し訳ないが、これは私の感謝の印』
という行と共に、数ゴルドの金貨が、書き置きの横に丁寧に並べられていることもあった。
ちなみに、それが食料分に見合った金額であったことはない。
しかしだからといって、ティラミスは、ポン太が納屋に入って来られないよう扉に施錠したり、あるいはこうして出会った夜に、このプニプニ生物を追い返すようなことはしなかった。
ただ早朝になって、納屋で書き置きを見つけるたび、綺麗に畳まれた空のパン袋や、野菜の袋を見て、彼女は苦笑するだけなのだ。
――ほんま、しょうないなぁポン太は。
と。
――レッチリに食料配送してくる業者も、ほとんどおらへん言うのに。
と。
しかしその状況をさしひいても、ポン太の大食の夜食をさしひいても、いまのダージリン修道会は、食料に逼迫しているというわけではなかった。
むしろまだ少し、余っているといっても過言ではない。
何故ならば、
今やこの教会に住まうのは、ティラミス彼女ただ一人だけなのだから。
――――そしてそのうえ、
気心の知れた同僚や、大好きだった『姉』に加え、この妙な闖入者までが途絶えたとあっては、いよいよもって本当に、自分は一人となってしまう。
引き手のいないオルガン。
告解を聞くものも話すものもいない懺悔室。
無人の参列席。
あまりに広すぎる、静かすぎる修道院。
そして教会。
ティラミスはいつもそれを、自身の目で、耳で、そして肌で感じている。
いなくなった彼女達を恨む気持ちはないが、それでも恋しくないと言えば嘘になる。
なんだかんだで、ポン太を歓待と言わぬまでも、迷惑な親友のようには迎えてしまうその本音を言えば、やはりそんな寂しさがあったやも知れない。
1人にはなりたくないという、
人として至極自然な寂しさが。
「明日な。ウチ、死者帝国ネクロポリスに行こうと思うねん」
さらりと出てきたティラミスの言葉に、ピクっとポン太が震えた。
「……いま、何と仰られたティラミス殿?」
ペンギンのつぶらな瞳が、少しばかり真剣味を帯びたようだった。
その様子からして、聞きそびれたわけではないと悟った彼女は、ただ頷いてから先を続ける。
「みんなここにおらへんようになって、ジェラート姉さんも早うになくなってしもうて、このダージリン修道会もすっかり広うなった」
ティラミスが、そう言いながら見回しているのは、この月明かりを頼りとした薄暗い納屋の中であったが、その心はしかし、教会や修道会全体を巡っているようだった。
「最後の方は、そう」
彼女は声音を、囁くように小さくする。
「ダージリン修道会はウチとジェラート姉さんだけになって、去年にウチが、井戸の水を汲みに行ってる間に、ジェラート姉さんは教会の中で倒れてたんや」
当時を回想するように、虚空を見るともなく見ながら続けるティラミス。
その横顔に、以前のような悲しさの色はない。
ただ懐かしむような感情だけが、滲み出ているように思う。
まるで遠く離れた故郷を回想する、旅人のような面持ち。
――もう折り合いをつけることが出来たのでござろうか。
ポン太はポン太なりに思う。
「……確か、ジェラート殿は肺を患っておられたとか?」
ポン太の相槌に、彼女は頷いた。
「ここは砂漠やから砂埃も多いし、夜と朝とで空気の温度も全然違うしね。まぁそんなところで長い間寝起きしてたら、普通はジェラート姉さんみたいになるのが当然やと思う。けれど、なんでかウチはピンピンしたまんまやったね。去ってった他のみんなも」
あるいはジェラートの病は、もしも早くに自分がその兆候を見出していれば、今でもここで元気にしていたかもしれない。
この未熟な自分にも、何かできることはあったかもしれない。
そう思わぬ日はなかった。
なかったけれども、それはやはり無理だったと、そのたび否定で悔悟は終わる。
ジェラートは、いつも自分の前では元気に、明るく、そして厳しく振舞っていたから。
咳一つ聞かせず、めまい一つ見せなかったから。
一体そこに、どんな病を見出だせるというのか。
――そして何より、
あのジェラート姉さんが、病気で倒れるなんて、発想さえ浮かばなかった。
だから、ジェラートが倒れているのを見つけた日、ティラミスが混乱しつつも彼女を抱き上げて、ひとまずベッドに横たえようと、今まで一度も入ったことがない修道女長室に運び入れた時、彼女は、目を疑ったのだ。
床に散乱する、延命に関する治癒魔法書籍。
天井から吊るし干された、痛み止めや熱冷ましといった薬草の山。
茶や赤の血痕をたくさん作っている、古布。
同様の汚れをポツポツとシミにした、日記。
それらどれもが、口をそろえて同じ事を言っている。
放心したティラミスにも、それが何かは分かった。
ジェラートは、もう助からない。
「そこでティラミス殿は、ジェラート殿に後事を託されたのでござったな? この修道会を守っていくようにと」
ポン太が問いかけると、しかしティラミスは首を横に振った。
んんん、と。少しだけ自嘲気味に笑って。
「ウチはその場で、ジェラート姉さんに『破門』を言い渡されたんよ」
ポン太の目が、少しだけ大きく開いた。
転がるように悪くなる。
そういう比喩はあるけれど、ジェラートの場合、その容態は悪い方へ既に転がりきっていて、後は止まるだけだったようだ。
だからこれが、
今のこの唐突が、
――ジェラートの最期だ。
感情が否定し、
頭脳が肯定した。
ボロボロと涙をこぼしながら、ギュッと修道衣の裾を掴んで、ジェラートに泣き縋るティラミスに、ジェラートはベッドに伏したまま、ティラミスの髪を撫でながら言った。
――ティラミス。アンタはこんな辺鄙とこで、1人老け込むにはまだまだ早いわ。
それは掠れたように、弱々しく小さな声だった。
ティラミスは泣きながら思った。あるいはジェラートは、これほどまで弱っている事実を自分に見せない、それを必死の支えとしていたのではないか。そしてそれを失ったから、今こんな風になってしまったのではないか。
そんなことを思ってしまうほど、それはあまりの変わり様だった。
――アンタが見るべき世界は、砂の海だけやない。聞くべき世界は、砂塵の音だけやない。読むべき世界は、神話の中だけやない。思うべき世界は、大天使の心だけやない。
ジェラートの力ない指が、ティラミスの髪をといていく。
――世界は広いよ。魔界も天界も、それから龍界も。他にも、アンタもウチも知らん世界がようさんある。
これが今際の際の言葉と、ティラミスにもそれはわかる。わかるけれど、それが全然頭に入ってこない。
――ここで完結するには、あまりに勿体無いものが、外にはあるんよ。
いまティラミスの頭を占めるのは、自分が鈍感であったことへの怒りと、ジェラートが知らぬ間に苦しんでいたことへの悲しみ。そればかりだった。
――大天使エクレールには、向こうでウチの方から言うとくわ。
『向こう』という言葉に、顔をあげるティラミス。
ジェラートは、もう寝入りのように力の抜けた、緩い目になっていた。
――ダージリン修道会は、もうお開きや。って。
頭が白くなる。
――せやから、ティラミス。アンタはここを出ていきなさい。
ティラミスが否定感情そのままに反発しようとしたが、しかしそれを遮るように、
――ティラミス・ダージリン。
ジェラートが、フルネームで彼女に呼びかけた。いつものように、ティラミスは背筋を打たれたような心地になる。
――ジェラート・ダージリンは、ダージリン修道会の修道女長として、今ここに汝の職位を剥奪し――
――ジェラート姉さん!
――ダージリン修道会より正式に破門することを、ここに宣言する。
そうしてジェラートは、再び泣き縋るティラミスに、クスリと微笑んでからこの世を去った。
「ヒドイ話やわ」
ティラミスは静かに言った。
「これまでずっと、修道会を一緒に支えてきたウチに対する遺言が、破門ってなんやねん」
ポン太は静かに目を閉じていた。
まるで黙祷を捧げるように。
ティラミスがどれほどジェラートのことを慕っていて、そしてジェラートがどれだけティラミスのことを可愛がっていたかを考えれば、この破門の意味を察するのはあまりに容易だった。
ティラミスはそして、なお独白や告白のように続ける。
「修道会の規則では、修道女が残り1人しかいないとき、修道女長はよっぽどの理由がない限り修道女を破門にできひんのよ。修道会が潰れてまう可能性あるからね。せやから、ジェラート姉さんは規則破りなんやわ」
それは実際のところ、修道女にはあるまじき大罪だった。
明確な理由のない、修道女の破門と修道会の解散。
伝統の放棄。神聖の意図的失墜。
これまで高潔な修道女だったジェラートは、最後の最後に、そうして天界を冒涜したわけである。
ティラミスのことを、考えて。
ポン太が見つめる中、ティラミスは、今回の旅の核となるようなことを告げる。
「規則破りをして死んだ修道女は、天界やのうて魔界のネクロポリスへ行ってしまう。罪人や魔物としてな。……せやからうちは、」
ジェラート姉さんがそこに堕とされとるようやったら、一発説教かまして、天界へぶっ飛ばさなあかんねん。
勝手に修道会を終わらしな。
ウチの幸せを、勝手に決め付けるな。
外がどれだけ広い世界か知らへんけど
ウチはそれらにないものをここに見出して、好き勝手に幸せでいついてんねん。
せやからあの破門は無効にしてもらう。
ジェラート姉さん、悪いけど姉さんは天界へ厄介払いや。
こんなお節介、魔界におってもうたら悪魔も困るしな。
だから、天界へいってもらう。
現ダージリン修道会修道女長ティラミス・ダージリンと、
大天使エクレール、
その名においてな。
彼女はそう言ってから、笑顔を見せた。
「遺言の意趣返しやね。へへ」
ポン太は頷いた。
「宛はござるのか?」
と。
ティラミスは、ポン太がなんとなくネクロポリス行きを引き止めるのではないかと考えていただけに、その返答は少し意外だった。
しかしそういう流れになれば、わざわざ混ぜ返す必要もないので、彼女は頷く。
「半年前に、ちょっと変わり種の悪魔王と知りおうてね。幼馴染と結婚することにしたから、挙式をして欲しいって言われたんやわ」
「悪魔であるにも関わらず、天界の祝福が欲しいのでござるか?」
ポン太が大きなマバタキをした。ティラミスがクスっとなる。
「おかしいやろ? なんでも、嫁さんの小さい頃からの夢を叶えたいとか言うんよ」
ふむ。と、ペンギンは組めもしないのに腕を組むようなポーズをとり、やはりリーチが足りず自分の胸を抱く格好になった。
「ヴァージン・ロードを歩く、でござるな?」
その姿がおかしくて、ティラミスはまたクスリとなる。
「そうなんや。せやけどまぁ、悪魔どころか悪魔王やしね。色んな教会を鼻摘んでたらい回しにされたあげく、このレッチリくんだりまで来たらしいわ。そんでその悪魔が言うにはな。もう悪魔王も引退して、余生は平和に暮らすからベイベー、みたいに頭下げるんよ」
ベイベー? と首を傾げるポン太に、悪魔王の口癖なんや、と答えるティラミス。
「悪魔の言うことを、ティラミス殿はそう簡単に信じても良いのでござるか?」
ポン太の問いは、額面通りのものではなく、ティラミスの立場を考慮しての疑問だった。
天界にとっては最大の敵の一つである悪魔王、その言葉を、教会のものが信用するなど、それこそ神への冒涜の恐れはないか、と。
しかし彼女は、そうは取らず、言葉のままに捉えてこう応えた。
「そこは先手を打たれたわ。つまり、ウソはないっていう証を見せられたんやね」
と。
ペンギンはそれを察知したようで、内心で『やはりティラミス殿は妄信的なシスターではないのだな』と感心しつつ、しかしセリフの流れで首をひねる。
「その先手とは?」
ティラミスは頷いた。
「悪魔王引退に際して、自分にダージリン修道会に伝わる『超究極レベルダウン魔法』をかけて欲しいって、そう言いながら背中を見せてきたんよ。悪魔王ならともかく、死者王にはそこまでの力は必要ないって。そこまでされたら、流石に悪魔でも気の毒やし追い返されへんやろ?」
ポン太がなるほど、っと笑った。
そしてこの笑みは、悪魔王が可笑しかったのではない。あくまでティラミスの性格に、このペンギンは感じ入っているのだ。
教会に身を置きながら、しかし悪魔とはいえ無条件に差別したりはしない。彼女のそういうひととなりに。
まぁそもそも、ここでこんな会話をしている時点で、これまで数年と自分の侵入を黙認してきた時点で、『一般的な』教会の人間と彼女が大きく違うことは、ポン太も理解していたのだが。
「それは確かに、しかし何とも愛橋のある悪魔王でござるな」
パタタっとペンギンは両手を動かす。
「ホンマ、なんで魔界におるのか分からんぐらい気のエエ悪魔でさ。……それで、挙式の後にも妙に意気投合して、お互いの身の上を話してたら、その悪魔王、いや、元悪魔王か。ネクロポリスを統治してるって聞いたんよ。それで今回、その悪魔を頼ろう思ってんねん」
ティラミスが変わっているとはいえ、しかしこうもあからさまだとポン太もやはり不思議になる。
「こういっては何でござるが、修道女が悪魔に頼るというのは、やはり奇妙な話でござるな」
しかしそれは瑣末だと思い、
「が、渡りに船ともこのことでござろう」
そう最後に加えた。
ティラミスは肩をすくめる。
「第一、教会で愛を誓うような悪魔なんて、悪魔かどうかも妖しいもんやろ?」
「うむ。これは悪魔の新たな事実として、ティラミス殿は世界創造神話の最新号にでも綴っておくべきでござろうな。神の祝福を望む悪魔王もいると」
「ははは」
彼女は笑った。
二人はそうしてしばらく、気の抜けるような会話を続けた。
ジェラートの最期や、ティラミスの決意。
それらが意味する重さを、少しでも馬鹿話で軽減するかのように。
やがてティラミスは、区切りをつけるようにノビをした。
「まぁ、そういうわけや。ウチがここにやってきた意味は、ポン太に『ホナいってくる』を言おうとしたんやと思うわ」
彼女はそこで、ようやくつかえが取れてスッキリしたというように、息を吐いた。
「いつ戻って来られるかは分からへんけど、まぁその間も最低限度のパンや野菜はここにやってくると思うから、自由に食べといて」
「良いのでござるか?」
ポン太は問う。
「ウチがおらへん間は、ポン太ぐらいしか食べるもんおらへんやん? 手付かずのまま痛ませたら、それこそバチあたりやしな」
ティラミスの言い分は最もだった。しかし最もだったからこそ、ポン太は彼女が最大限の気遣いを見せていることを察した。
ならばもう、是非もないだろう。
ポン太は居住まいを正すようにし
「そういう事であれば、遠慮なく。ただし有り難くいただくでござる」
ペコリっと頭を下げた。ティラミスは可笑しそうに笑った。
「まぁ、要件はそれだけ。……ほな」
そう踵を返し、納屋をでていこうとした時だ。
「ティラミス殿」
ポン太が呼び止めた。
互いに口には出さなかったが、最悪、これが今生の別れとなる可能性もなくはない。そのあたりを鑑みて、このペンギンは止めたのかもしれない。
ポン太が、彼女の背中に静かに言う。
「もしもこの私が、これからネクロポリスへ旅立とうとするティラミス殿に対し、『実は私は、龍族の末裔にして次期龍帝として相応しい力をつけるため、世界を行脚修行している流浪人でござる』。そう声をかければ、どのような返答が頂けるのござろう?」
その口調は、冗談を言ってるようには思えぬほど抑揚がなかった。
それは求道者が、自らが認めた相手に自分の道を提示し、それに純粋な意見を求めているかのような、そんな真剣さが滲んでいた。
しかしティラミスは、特に驚いたような様子を見せず、少しだけ振り返って言った。
「未だにLV1でか?」
と。
ポン太はそれで、目をパチクリとさせ、パタパタパタと両手を動かし
「むぅ、せめて失笑ぐらい取れるつもりでござったが、失敗にござるか?」
ポン太がいうと、ティラミスはクスリと笑った。
「LV2やったら信用できたかもな?」
と。
ポン太は小さく息をつき、
「では、ティラミス殿が帰ってくるまでには精進しておくでござるよ」
「期待せんと待っとるわ」
そうして二人は別れた。
よく未明、ティラミスは、ダージリン教会襲撃の急報を、一足先に知らせにやってきた元悪魔王バルバドスに、死神に変装ができるマドンナリリーのローヴを渡され、スカリンと名乗るように言われる。
その直後、魔物を率いてやってきた蝿の王に、グリモア『エクレール』もろともに拉致されるのだが、このときのティラミスは予想だにしなかったし、腹減りポン太も、よもや彼女がそのようになっているなどとは、思いもしなかった。
――――また、
そうして主不在となったダージリン教会を、ティラミスが再び戻ってくるまでの間、一体全体、誰がデビルアンツたちから守護していたのかも、この時点ではまだ秘密の部分。
ティラミスの過去シナリオが補完されました。
次回から時間軸は再び現在へ。
引き続きプレイ続行してもらえたら幸せです。




