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第10話

申し訳ありません短めです。

繋ぎ回って感じですね。

「えー、それでは来月行われる球技大会の種目分けをしたいと思います」


 現在、HRホームルームの真っ最中である。

 そして、GWゴールデンウィーク明けに行われる球技大会の種目分けをしていると言う訳だ。

 正直、球技大会とかどうでもいい。男子が女子にアピールする為に無駄にハッスルするとか凄くどうでもいい。

 そんな事より早く猫を迎えに行きたい。あー、あの子に会いたいなあ。

 名前何にしようかなー。種目分けとかどうでもいいから男子全員で父の仕事1日だけ代わりにやれよ。そうすればすぐに迎えに行けるのに。


「……片桐かたぎりさん? 真面目にやりましょうね」


 ……猫の事考えてたら宝蔵院ほうぞういんに注意されたよ。

 はいはい。真面目にやりますよ。


 因みに種目だが、男子は野球、サッカー、バスケ。女子はバスケとバレーと言った感じ。

 バレーは……うん。あれ難し過ぎでしょ。サーブは良いんだよ。でも、スパイクとブロックができる気がしないんだ。

 バスケもねえ。なぜかゴールに近づけば近づくほどシュートが入らなくなるという……ね。

 3P(スリーポイント)なら3本に2本くらいの率で決められるんだけどね。

 と言う訳で、まともにできるとは思えん。男子の種目? 凄くどうでもいいです。

あと、その部活と同じ種目に所属している人間は、その種目に出てはいけないらしい。

 まあ、うちのクラスにはシニアリーグ日本一の投手と、全中得点王がいるからな。

 出れたらどう考えても出来レースになる。

 てか、出れなくても基本的にうちのクラスの平均スペックがおかしいからな。凄い事になる気がしてならない。


「では、これから僕と片桐さんが、独断と偏見で種目分けをしたいと思います」


 ……ん?

 そこは希望者を募らないのか?

 ほら、クラスの連中からも怒号が飛んで……無いな。

 何この俺達に任せとけば大丈夫的な空気。困るんですけど。


 結果から言おうか。俺と希帆きほはバスケになった。かえでちゃんは、バスケは無理! って感じで必死に首を振っていたのでバレーにした。

 男子の方は、背の高い順にバスケにし、後はテキトーに振り分けた。

 その結果として、シニアリーグ日本一と得点王がバスケになり、男子バスケ優勝確定のお知らせが流れたが、まあ余談だろう。


 よし、種目分けも終わったので帰りましょう。そうしましょう。

 あ? 鹿せんせいの話? そんなの無いよ。無くていいよ。帰ろうよ。


「じゃあ、この辺で今日は終わりましょう。また明日」


 鹿がそう言って、HRを締めた。

 よーし無駄話一切無いとはよくやった!




 ----------




 帰り道、いつも通り希帆と楓ちゃんと一緒に帰る。

 2人は電車通学の為、駅までだがそれでも嬉しい。


「あ! そういえばそら! 猫ちゃんいつ迎えに行くの?」

「ん? 次の日曜だよ。早く来て欲しいね」


 他愛の無い話をしながら歩いていると、希帆に突然猫について聞かれた。

 言って無かったっけか? まあ、いいや。


 希帆はしきりに「あの猫可愛かったもんねー」「早く会いたいねー」等と言っている。

 ……これは言外によるアピールなのだろうか? いや既に言外って域を越えている気がしないでも無いが。

 にしても、猫可愛いって言ってる希帆可愛いな。


「よかったら、希帆と楓ちゃんも日曜日一緒に迎えに行く? そのまま家で遊べばいいし」

「いいの!?」

「いいんですか!?」


 言外アピールされてる気がして誘ってみたら、凄まじい反応をされたでござる。


「しかし楓よ。あの空のお家にお呼ばれする事が叶った訳だけど。どうする!」

「そうですねえ。手土産もそうですが、格好も気合を入れないといけないですし」


 2人が意味の分からない事で悩み始めたぞ。

 よくある一般家庭に来るだけでなぜこうも悩むんだ。


「2人とも? 手土産とか要らないし、格好も普通にしてね?」

「でも、空の家だよ? ちゃんとしないと怒られない?」

「そうですよ。空さんの家ですよ?」


 うん。俺の家なんなんだって言うんだ。

 あれですか。豪邸だとか勘違いされてませんか。それとも、そのすじの者だとか?

 一軒家ではあるが豪邸では無いし、その筋では無くむしろ父の仕事はそれと真逆だし。


「あの……。よくある一般的な家庭だからね?」

「……空さんが居る時点で、よくある一般的な家庭にはならないと思いますが」

「……楓の言う通りだと思う」


 ひでえや!


「……たとえ私が普通じゃなくても、他の家族は一般的だからね?」


 お願いだから。と必死で頼んだら、気合は入り過ぎないように気をつけると、2人とも了承してくれた。

 しかし、俺だって一般の範疇は出ないだろう。失敬な。

 家族だって、警視正の父と専業主婦の母に、アンダー代表の弟が居るだけだ。

 ……う、うん。普通だって。普通だってば!


 その後、駅に着くまで話をして、土曜から泊まりで家に来る事になった。

 勿論、その場で母に電話をして了解を取ったさ!


 2人が泊まりに来るのかー。夕飯とかどうしようかなー。俺が作るかなー。あ、3人で作るとか楽しいかもしれん! でも、2人はお客さんだしなー。


 あ、泊まるって事はパジャマとか見れるのか!

 やばいぞ。俺の鼻が持つだろうか。鼻血我慢的な意味で!




----------




 家に帰ってきて、今は夕飯後だ。

 猫を飼う前に名前を決めておこうと思ったので、ノートを広げて睨めっこをしている。

 弟にも意見を聞いてみたが、太郎とか伝の介と言われ意味が無かった。女の子だっつの!

 ……そう言ったら、じゃが芋って言われた。もう弟には触らせてやらねーんだ。


 さて名前が思いつかない。

 こう、ドイツ語やフランス語で雪や白を調べてみたがなんかピンと来ないんだよね。

 かと言って、じゃが芋とか断固嫌だしな。

 あ、何も名前って横文字じゃなくて良いのか。ペットの名前はなぜか横文字のイメージがあったからな。

 よーし、なら簡単だな! 1つしか思いつかん!


 仮候補ではありますが、名前が決定致しました!

 その名も雪花せっか! セツとか雪ちゃんとか色々呼べそうですし良いと思うんだ!

 あ、意味は雪の結晶な。後、雪が降ってるのを花に例えて言ったりするね。

 真っ白なメインクーンにはぴったりだと思うんだ。


 ああ、週末が楽しみで仕方ない。

 希帆に楓ちゃんが泊まりに来て、更に猫が来る!

 やばいなー。俺はこの天国のような週末を乗り切れるのだろうか。

 幸せすぎて途中で倒れるんじゃないかな。いや、倒れる訳にはいかない!

 男は根性! って女か俺。

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