22話
ザナン三世達と晩餐をしたルシアは次の日の朝早くに従者に起こされた、顔を洗い髪を整えると部屋でフェリルと朝食をとり、食べ終えると従者と供に荷物をまとめるとカリアンがやって来る。
「ご用意はできたようですね、ルシア様、荷物の運びは従者に任せてザナン三世陛下に挨拶に向かいましょう」
「分かりました、カリアン、、、、荷物をよろしくお願いします」
「はい、ルシア様」
今の立場にまだ慣れていないルシアはカリアンとザナン三世が待つ大広間へと向かった。その頃大広間ではエティアスとザナン三世が話し合っていた。
「エティアスよ、セシアの事をお前に頼んで本当に良かったと思っておる、よく仕えてくれたな」
「勿体ないお言葉です、陛下」
「ルシアもセシアもお前をとても信頼しておるのは分かっている、何か望みはないか?」
「なれば一つお願いしたいことがあります、陛下」
「何だ?申すがよい」
「はっ!旦那様が公爵になられた時、新たな騎士団を創設されると思われますがその助力となる方の所在と協力の御口添えをおねがいしたく思います」
「その助力とする者の名は?」
「ハートランド王国元近衛騎士団、副団長ウィルド・ヴァン・ラシュトア男爵です」
「なるほど、ウィルドは近衛騎士を退役してからはこの王都の外れの小さな家に住んでいるそうだが、ウィルドは、、、、、まあいい今私からの書状を書こう、しかしエティアスよ、お前の忠誠心には感謝しなければな」
「いいえ、陛下、ありがとうございます」
ザナン三世の書状をてにしたエティアスの後ろから声がする。
「お祖父様!」
「おお!ルシアよ、来たか!」
「お世話になりましたお祖父様」
「いいや、ルシアよ、ルア殿とリアと別れて寂しかろう、公爵領はこの王都に近いいつでも来るがいい、、、いやまた顔を見せてくれ、よいな?ルシア」
「はい!」
「それでは行って参ります、お父様」
「セシアよ、私からも公都に度々向かおうと思う、我が娘よどうか受け入れてくれ」
「はい、お父様いつでもお越しください」
「城門まで私とセルナディアも見送ろう、バイセン伯よ少しの間頼む」
「はい、陛下」
一行は城の外まで歩く。
「セルナディア、お父様をよろしくお願いします」
「ええ、勿論です、セシアまた機会があればお会いしましょう」
「楽しみにしてます」
城門までセルナディアとザナン三世に送られたルシア達は城を後にした。
「セシア様、お嬢様、ご紹介した方がいるゆえご一緒に来ていただけますか?」
「ええ」
「どんな人ですか?エティアス」
「私の元上官にあたる方です、近いうちに発足されるであろう騎士団を編成する旦那様の助けとなりましょう」
「エティアスの上官なんて興味が沸きます!お母様!参りましょう!」
「ええ、ルシア」
エティアスとルシアとセシアとカリアンは王都の外れにある古ぼけた家まで来るとエティアスがドアをノックすると黒髪のセミロングの少女が扉をあけた。
「、、、、、どなたですか?」
「私はハートランド王国の元近衛騎士エティアス・デュー・デュラント、元近衛騎士団副団長のウィルド様にお会いしたい」
「、、、、、、、お爺様は休んでおられます、どうかお引き取りを」
「ノエルよ、聞こえていたぞ、入れてあげなさい」
「、、、、、、、、、、、はいお爺様、、、、!皆さまどうぞこちらへ」
ルシア達が中に入ると片足が義足の老人が椅子に座っていた、エティアスはその男に深く礼をして声を掛けた。
「お久しぶりです、ウィルド様」
「会えてうれしいぞ、今日はどのような用時できたのだ?」
エティアスはザナン三世の書状を見せると新しく創設するであろう騎士団の剣術指南や相談役などについて貰うようにウィルドに話しそれを聞いたウィルドは口を開いた。
「ハートランド王国の最高の騎士と言われた私も今では足を失いこの様だ、返ってお前達の足を引っ張ってしまうかも知れんが、、、」
「一体何があったのですか?」
「2年前に王都付近に凶悪な魔物が現れてな、王立騎士団の騎士では手に負えず討伐に向かって退治はしたが私は見ての通り大けがを負いそのうえ多くの部下を死なせてしまった、、、、、そして今はここで孫と二人きりだ」
「ウィウルド様をそのような目にあわせられる魔物がこの王都付近に?」
「ああ、見た事もない魔物だった」
「そうですか、、、、しかし相談役としてだけでも旦那様の助けとなるでしょう」
「そうか、、、ルシア様という姫が誘拐されとは噂で聞いたが、こちらのお方がザナン三世陛下の話していたセシア殿下とその娘のルシア様か?」
「はい、ご協力頂けますか?」
「分かった、しかし一つルシア様に頼みがあります」
「はい?私に?ですか?」
「はい、私のたった一人の家族であるこのノエルを将来、女王になるかもしれないルシア様専属の騎士として欲しいのです」
「、、、、お爺様?」
「ノエルよ、お前の剣の腕ならおそらく近衛騎士団にも入れるだろうが生憎、現近衛騎士団では女性の近衛騎士は前例がない、しかしルシア様専属の騎士となれば近衛騎士の様な栄誉であろう、どうですかな?ルシア様この愛想のない口下手な我が孫を騎士に迎えて頂けますか?」
「はい!勿論です!よろしくね!ノエルちゃん」
「、、、、、よろしくお願いします、ルシア様」
「ルシアでいいよ!」
「ウィルド様、それでは後日お迎えに上がります」
「エティアスよ、このノエルも出来れば連れて行ってくれ」
「分かりました」
「、、、、、、お爺様、一人では、、、、、」
「料理くらい一人で作れる、さあ、行きなさいノエル」
「、、、はい」
ノエルを加えたルシア達は王都の外で待っていたルキフとアエリアそしてケイオスとラーセルと合流する。
「誰だ?この人?」
「私の騎士のノエルちゃんだよ!」
「お前の騎士だって!?ルシア?」
「ボクはラーセル、こっちの元気なのはケイオスです、よろしくお願いします」
「よろしくな!」
「、、、、、よろしく、、」
「こっちはルキフ君とファール教の司祭見習いのアエリアだよ!」
「よろしくお願いしますね、ノエルさん」
「お嬢様の騎士なんてうらやましいけど、よろしく」
「、、、、、よろしく」
「皆、馬車乗ってくれ、出発しよう、お嬢様とノア、君はあの馬車に乗ってくれ」
「、、、はい」
新しく従者となったノエルを加えてルシア達は公都へと向かった。ルシアは必死にノエルとコミュニケーションを図るがノエルはただ相槌を打つばかりだった、眠っていた籠の中のフェリルが鳴き声を上げるとノアの顔が変わる。
「あ!気になる?この子はフェリルだよ、触ってみて」
ノアがフェリルを撫でるとフェリルはノアの手をなめ返す
「、、、、、可愛い、、」
ノエルは笑顔になりフェリルを撫で続ける、その笑顔を見れたルシアは喜んだそしてフェリルとの出会いやノエルの好きな事や人モノなどを聞いた、ノエルもルシアに少しづつ心を開き猫がすきな事、両親が病で亡くなり祖父であるウィルドに厳しく剣の稽古を受けて育てらたことなどを話すようになった、そして皆を乗せた数台の馬車は進んでいった。




