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1話

前作ハルウニア物語、剣聖の孫の後の話です。

 神聖ルファール王国のアシナント伯爵家の庭でエルフの美しい女性が見守る中、銀髪の少女が短く刈った金髪の背の高い初老の男に練習用の剣を手に打ち込みをしていた。

  

 「セィっ!」


 少女が打ち込む剣を真正面から受けていた初老の男は気合の入った少女の一撃を弾くと剣を振り下ろし少女の頭上で剣を止めた、息を切らす少女に金髪の男は声を掛けた。


 「まだまだですな、お嬢様」


 「エティアス!いつか一本をとってみせます!」


 悔しそうに金髪の男に銀髪の少女そう言った


 「そのいきです、アルシ様達の様になるには剣技をもっと磨かなければならぬでしょう」


 エティアスの指導を見ていたエルフの女性は口を開いた。


 「痛くないですか?お嬢様、エティアス、ルシア様はまだ騎士になられるか分かりませんよ?女性でなおかつ魔法の勉強もあるのですから、、指導の仕方を考えてください。」


そう言いながらエルフの女性は血豆ができたルシアの手に薬を塗る。


 「このくらい大丈夫です!カリアン」


 「、、、カリアン、確かに厳しく指導はしているが、お嬢様は旦那様の祖父であるアルシ様やフラック候カルザス閣下のようになる事を願っておられる、それにお嬢様はハートランド国王のザナン陛下の血も継いでいる」


 「年をとっても相変わらずですね貴方は、、、今の貴方の主はハートランド国王ではなく旦那様やセシア様ではありませんか?貴方のザナン陛下にたいする忠誠心は知っていますがお嬢様に無茶させないでください」


 そんな3人のやり取りを見ていたルシアの両親がいた。


 「ルシアン?もうあの子が生まれてからもう16年も経つのね」


 「ああ、良い年ごろだな、しかしルシアは剣と魔法にしか興味を示さないな?リアにはノア君という好青年の恋人がいるが、、、」


 「あの子は昔から貴方のお爺様のアルシ様やその親友のカルザス様の武勇伝を聞いて育ったのよ、その影響じゃないかしら?あの子の性格は私より貴方にてるとおもうわ。」


 「顔立ちはセシアにそっくりなんだがな、、、しかしあの髪の色はエティアスさんの話の通り明らかにハートランド王国の王族の証なのだな、その武勇さはセシアの父上の影響もあるかもしれないな」


 生まれてから一度もあったこのないハートランド国王の父の話を避けてきたセシアの表情が陰った。その様子に気づく事のない夫ルシアンの手を握り言った。


 「そうね、、、、あの子は私と違ってハートランド王族の血を強く受け継いでいるのかもしれないわね、、、、」

 

剣の修行をしている娘であるルシアを遠間から見ていたルシアンは美しい妻にそう言われてルシアが生まれる前の事を思い出していた。自身を育ててくれた剣聖と呼ばれた祖父アルシの死、義理の娘になったリア、ハートランド王国の近衛騎士だったエティアスと妻の教育係で魔法使いのエルフの女性カリアン、自分が団長を務める騎士団の副官にして親友のサーディス、聖神カリュを深く信仰する司教シャノアそして光の剣に選ばれた勇者であるアストリア王国の女王となったアナ達と果たした魔王討伐。英雄の一員となったルシアンとその妻セシアは結婚してからルファール王国の伯爵とその夫人として義理の娘リアと血の繋がった娘ルシア、セシアの従者であり西の大陸のハートランド王国の近衛騎士だったエティアスとセシアの教育係だったエルフのカリアンそしてルシアンの大叔母であるルアと沢山の従者と暮らしていた。そんある日、一つの手紙がエティアスの元に届いた。


 「これは?!」


 血相を変えて送られて来た手紙を読んだエティアスはすぐさまルシアンとセシアに手紙の内容について報告に向かった。


 「どうしたのですか?エティアス」


 幼い時から従者として仕えて来たエティアスにセシアが聞いた。


 「セシア様のお父上であらせらるハートランド王国の国王、ザナン三世陛下からの手紙が来たのです」


その言葉に反応したセシアが聞く。


 「、、、、またお父様から?どのような手紙ですか?」


 「はい、何度も来たように陛下がセシア様とお会いできないかという事なのですが、、、、」


 「、、、、今更お父様にお会いして何になるでしょう?」


 「セシア様、お聞きください。今まであまり陛下の事はあまり話しませんでしたが陛下は心よりセシア様の母上であらせられるセシリア様とセシア様を気に掛けられておられました」


 「、、、私もお母様と貴方に気を使い言わなかったけれどお父様は何故今まで直接に何の連絡も寄こさなかったのですか?!お母さまはお父様の事を最後まで愛しているようでした、それなのにお会いになられなかったお父様に今更お会いしたいとは思いません!」


 「お聞きください!陛下は最後までセシア様の母上であるセシリア様と御一緒にと願われていましたがハートランド王国の王は代々銀髪を受け継いだお方しかなれません、セシア様が生まれてからその髪の色をみたセシリア様はセシア様が王位継承者となれないまま陛下の元にいると不幸な生き方をされることを危惧して陛下に別れを告げたのです!」


 「、、、、、」


 「セシア、ハートランドの国王陛下と母上であるセシリア様がいなければ私はセシアと出会えなかった、私は感謝の意味も込めてハートランド国王陛下にリアとルシアをつれて一緒にお会いしたい」


 「ルシアン、、、、でも」


 ルシアンに続いてエティアスも言った。


 「セシア様、陛下はご病気でもう長くはないそうです。せめて最後の時が来る前に陛下に一度お会いください」


 母や父と自身に忠誠を誓い支えてきたこの家族のような騎士であるエティアスが真剣に母を説得する姿を見たルシアが言った。


「お母様、私もお祖父さまにあってみたいです!姉さまも行きましょう!ね?」


 「ええ、、、そうね。」



 「さあ、セシア、二人の気持ちもこの通りだ、私達と一緒に来てくれないか?」


 「、、、、でも、、、」


 「、、、、聞いたわよ、セシアちゃん、私も銀虎王と呼ばれた西の大陸の英雄王フリウム王の血を引くザナン三世陛下にお会いしたいわ、ハートランド王国の王族は代々ルシアちゃんの様な綺麗な銀色の髪をしているそうじゃない?」


 「ルアおばあ様!寝室から出るなんて!」


心配するリアの前に高齢のルシアン祖父アルシの妹であるルアが一人の騎士と共にルシアン達の元にやって来た


 「リアちゃん心配してくれてありがとう、私はまだまだ大丈夫よ!リアちゃんがアシナント伯になるまで生きるつもりよ、それにセシアちゃんがあんな大きい声を出したのが心配でねえ?セシアちゃん?ハートランド国王陛下に一緒に会いにいきましょう?」


大恩ある元アシナントの女伯で自身の事や気持ちを常考えてくれたルアの説得にセシアは耳を傾けて聞き入れた。


「分かりました、しかしルア様はお身体が、、、、、」


 「ふふ、実はね?もう一度空に飛びたいと思っていたのよ、、、リアちゃん?昔の様にお友達をよべる?」


 「、、はい、明日ゾルフィ達を呼びます、だからルアおばあ様はどうか今日は休んでください」


 「浮かない顔ね?リアちゃん大丈夫?」


 「大丈夫です、ルアおばあ様」


 「そう?明日はよろしくね?リアちゃんにしっかりつかまるわよ」


 そう言ってルアは寝室へと戻って行った。


 こうしてアシナント伯爵家の者達と何名かの従者達は西の大陸のハートランド国王の元へと向かう為グリフォン達の背に乗る事にした。


 

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