5 レイファ兄さまのアドバイス②
「……ああ、いや。考えていた。まずメリルは全属性魔法を操れる。それは凄く稀少な能力なんだ。魔法っていうのは属性が交互に作用し合って効果を打ち消してしまうのが普通だからね。だから大抵の人は単属性の【魔法スキル】がほとんどなんだよ。威力はこの際問題じゃない」
ええっ!?威力が問題じゃない?でも兄さま、しょぼしょぼ魔法だから問題あるんでは?
「威力がしょぼしょぼだから……」
思わず俯いてしまう。悲しい。辛い。
……分かってる。きっと努力すれば何とかなるって、そう思ってる。
でも、皆みたいに“自然にすごい”わけじゃない自分が、たまらなく情けなかった。
なんでわたしだけこんなみそっかすなんだろ……
「全属性持ちというところに問題があるんじゃないかな。身体の中で効果を打ち消し合ってるんじゃないかと私は推測している。それにね、無詠唱で魔法が出せるっていうのも実はとんでもないことなんだ。きっとメリルは魔力の核がもの凄く大きいんじゃないかな」
初めて聞く単語だ。
「魔力の核?」
「魔法の着火石といえば分かりやすいかな。だから取り組み方を変えてみよう」
えっ?
しょぼしょぼ魔法を何とかする方法なんてあるの!?たったこれだけでレイファ兄さまには突破方法が分かったの?
「魔法を発現させるのに一回だけの詠唱だと決まっているわけじゃない」
ほわっ?全然分からない。
「んん……」
「つまりね、メリルは魔法を発現させる時、例えば火なら火を思い浮かべてるわけだよね?」
「うん」
「たとえば"火よ出ろ"だけじゃ、核コアに火の命令が一つ届くだけ。
でも"熱を集めろ、燃え上がれ、形を成せ"と順に唱えれば、魔力が段階的に反応する。
それが、威力の変化にも繋がるんだ」
う、うん。確かにそうだ。
「"火よ出ろ"って思い描いて出してる」
「私たちはそれを言葉に移し替えて打ち出すのさ。じゃあ私がちょっと見本を見せよう」
そう言って兄さまはざっと脚を広げて片手を上げた。
「火よ来たれ」