4/5
4
『窓』からの光が無い時間、私はふと目を覚ました。
いつものソファの上、傍らにはいつものランプがある。
ランプは暗闇の中、浮島みたいに私の周りを照らしていた。
今の図書館は、いつもに増して省電力中。
余剰のエネルギーは、全て『こうもり』に使う事になっている。
「目が覚めたか。」
暗闇から、のっそりと音もせず猫が現れた。
顔を見て、思い出して、なんとなく決まりが悪い。
あの後、私は子供みたいに『猫』に泣き縋って、しかもそのまま泣き疲れて眠ってしまったらしい。
「…ソファまで運んでくれてありがとう。」
猫は返事はせずに、私の腰掛けたソファ横にするりと収まると、また小さく唸った。
小さな声だけれど、その優しげな調子に、私はなんだか気持ちが落ち着くのを感じた。
これも、彼が使う「言語」の一つなのだろうか。それとも、『魔法』だろうか。
私はそっと目を閉じて、『猫』に寄りかかる。
そうして、
「stay witch you.」
と、そっと小さな声で声をかけた。
まだ、あんまりよくわからないけれど、『猫』が使っていた言葉で。
―外に出るなら、きっと必要だからと、覚えた言葉で。




