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ほんとうのこと2



翌朝  AM7:00




ピピピ…ピ。


意味もなくセットした目覚まし時計が、無機質な電子音で朝を告げる。

それを手探りだけで毛布の中から手を伸ばして止め、ゆっくりもぞもぞと毛布から顔を出す。


(今日からは少しずつでもいいから、もとの生活に戻らなくちゃ…。斗真に心配かけないように…)


重い体をゆっくりと起こして、カーテンを開き久しぶりに窓も開けてみる。

無抵抗に舞い込む、爽やかな朝の風。


「がんばらなくちゃ…!! 斗真のために…!!」




ふとよみがえってくる暗い思考を頭の隅に追いやるように、窓の下に広がる街並みに叫ぶように声に出した。




「おう、がんばれー。んで、がんばるってなにを?」


「なにをってそりゃいろいろだよ、いろいろ。て…ん"? 」




(あたし、今誰かと話したような…?)


起きたばかりの朝。

当然、友達がいるわけもなければ電話しているわけでもない。

そして、家族の声でもない。おそるおそる後ろを振り返る。ある傾向のDVDなどでは振り返った背後にこの世ならざるなんちゃらがー、などという展開はよくあるもの。もし振り返った先に何かがいればそれらと同じ類たぐいのものがそこにいるのだろうが、誰もいない。


(なんだ、気のせいか…)


ほっと胸をなでおろし、くるりと踵を返した時だった。




「残念。 そこじゃねぇよ」




(あれ またそらみ……み゛!?)


 それは背後でもなく、もう一度振り返った前方でもなく。


不意に見上げた天井、あたしの頭の上あたりでふわりふわりと浮きながらのんきに右手を上げて笑った。



「いよっ!!おはよ、奏」




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