急展開
電話をした翌日の学校、クラスはいつの間にかグループが色々出来ていてわりと孤独になっていた。何故毎日学校に来ているのに俺だけハブられているんだと疑問に思いながら隣のクラスに行く。そうすると琉渡が話しかけてくれる。
「昨日と一昨日何してたんだよ。一緒に帰ろうと思ってたらいつの間にいないんだもん。昨日はこっちにも来ないし」
「最近バイト始めたからな。少し忙しくて。それで今日は花蓮さんいるか?」
「はあ〜良い身分だねぇ、恋する高校生は。今日はまだ来てないな。遅刻するとは聞いたけど」
まあまあ気まずいこともないけど会えないのはそれはそれで悲しい。そんなことあっても時間は少ないので教室に戻る。退屈な授業も受けあっという間に放課後になる。昼休みになっても結局彼女は登校していなかったが今はいるのだろうか。そう考えながら帰っていると目立つ髪色をした少女を見つけた。いるんかい。
「おっす、今帰り?」
そう声をかける。
「いつも急ね、今ドグマのとこに行くところよ」
ふと気になった疑問を彼女にぶつける。
「あそこはきみの家でもあるの?」
「住めなくもないのだけれど家は別の場所にあるわ。すぐ近くにあるからあそこにほとんどいるけど」
「なるほど、あの研究所?は基本何をしてるの?」
「基本は私の日々の検査と薬の製作かな。本当に研究所みたいなところ。ホントは私以外の呪われた子も呼びたいらしいけど現時点では見つけられてないみたい」
あそこは風花専属ってわけではないのか。てっきり一人だけしか呪いのある人がいないものだと。
「今日は研究所に来るの?」
意外にもなセリフを聞けて面食らったがそんな顔を彼女は怪訝に見つめる。
「なんかドグマに呼ばれてるから行くつもり」
「ふうん?なんか珍しいね、ドグマの呼び出しなんて」
研究所にて
「加美、遅い」
ドグマがそう言う。
「加美って誰だよ、名前覚えてるはずだろ。わざとか?」
こいつ絶対俺のこと嫌いだろ…まあそこは関係ないとして
「今日はどうしたんだ?何か特別なようか?」
ドグマは珍しく考えこむ。呼び出したなら内容くらいスムーズに言ってくれよと思いつつ待つ。
「お前がここに来た時の出来事は覚えているな?あれは俺にとっても予想外でもあった。」
少し嫌な予感がする。俺はあまり知らない側だがそれでもわかる。医師や研究者の予想外は何か大きいことがある。意を決して聞く
「何かあるんですか?」
「呪いの進行が見られた。これからは一部の有機物に呪いが作用する。対策を考えなくてはならなくなった」
それがどんなにヤバいことなのかはあんまりわからないが、俺に話したのがもっとわからない。
「どうしてそれを俺に?」
「お前、もう一度彼女に触れろ、長い時間だ」
「……?????つまり?」
「 手を繋ぐなり何なりあるだろ」
何を言っているのか理解が出来ない。俺は先日振られたばっかりだぞ?どうしろと?
「何を黙っている。間抜け面がもっと間抜けだぞ。もう花蓮には伝えてある。とりあえず次の日曜出かけてこい」
「いやいや、無理でしょ、まだ出会ってたってないですよ?」
「今すぐにとは言ってないだろう。とりあえず仲を深めろ」
そう言って話が終わった。俺は理解に時間がかかった。だが考えてもわからない。デートをしろってことか?………意味がわからない。もし嫌われてたらどうしろってんだい 。まあマイナスに考えても仕方ない。いいチャンスだと思って楽しもう。
いつもの部屋に戻ると風花がいた。もう風花は知っていたのだろうか。そう考えるとさっきの会話も出来る限り仲を深めようとしてくれてたのかもしれない。
「その感じドグマから話を聞いたのね。」
「ああ、なんかもう少し柔らかく話してほしいなって思ったよ」
「ほんとにね。でも私君と出かけるの悪くないと思ってるよ。」
俺は死ぬのか…?珍しくドグマに感謝を伝えたくなったが、問題は出かけることではない。
「行きたいところとかある?」
彼女はわりと楽しそうに話を進める。
「俺はどこでもいいけど、そっちは?」
「私、あんまり出かけたことないからわからないけど、遊園地とかどう?」
「お!いいね、俺も行ったことないから行きたいな」
「じゃあ決まり!あとは連絡して時間伝えるね!」
「おう」
そう言って彼女と別れた。
でも、もしこの時に戻れるなら戻りたいと願うことになるとはこのときは誰も、いや俺は予想出来なかった。
すんません。風花のこと花蓮とちょくちょく間違うんでどっかにあったら言ってください