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第十話

「あ、薊先輩!?なんでここに?逃げてくださいって言ったじゃないですか!」

司は力を振り絞り立ち上がり、ふらふらとおぼつかない足運びで薊の手を引いて本堂の方へ駆け出す。


「なんで戻ってきたんですか!」

本堂の柱の影に隠れて薊の方へ視線を向ける。


「なんでってそりゃ。可愛い後輩一人で死なせる訳にはいかないでしょ?」

化け物共が司達を追って本堂に向かって迫っているというのに、薊は呑気に話す。


「はぁ・・・。俺が稼いだ時間なんだったんですか。まぁ、いいや。とりあえず俺が時間稼ぐんで今度こそ逃げてください」

司は色々と言いたいことが有ったが、薊を逃すことが最優先だ。


「司君。あれ使っていいよ」

薊は弁慶の錫杖を指差す。


「ん?錫杖っすか?一体どんな権限が有って言ってんすか。まぁ、緊急時ってことでお借りします弁慶さん」

司が能力を使うと、いとも容易く弁慶の錫杖が宙に浮かび上がる。


「司君の能力って念動力(サイコキネシス)とかそういうやつなのー?」

薊が人差し指を顎に置きながらあざとく話す。


「まぁ、厳密に言えば違いますけど出来ることは念動力(サイコキネシス)と変わらないっすね。いや、てか、何悠長に喋ってんすか。早く逃げてくださいって!」

司は錫杖を操作して、化け物に向かって放つと錫杖は化け物の頭を貫く。


「うわ・・・弁慶の錫杖かたすぎ・・・?」

錫杖の操作を手放さないまま、司は錫杖を右に左にブンブン振り回して化け物を紫色の煙に変えていく。

だが余りに数が多すぎる。

錫杖一本でどうこうなる敵の量ではなかった。


「くそ、減らしても減らしても何処からか湧き出てきやがる」

司は薊が逃げる時間を稼ぐために脳の限界を感じながらも必死に錫杖を遠隔で操作する。


「あれは餓鬼(がき)っていう(あやかし)でねー。いうならば雑兵みたいな役割の(あやかし)だねー。だから広範囲でまとめて攻撃をするのがセオリーだよー。一体一体の殲滅は時間の無駄だよー?」

薊が司の横で何やら解説を始める。


「餓鬼?(あやかし)?なんかよくわからないんですけど?ってまだ居たんすか!?」

司にはとりあえず遠距離から錫杖を操作して餓鬼の群れをボコボコにして、本堂までこないように阻止するので精一杯だ。


「でもそうだねー。確かに司君のその能力だと確かに厳しいかもしれないねー。そこは今後の課題って感じだね。よーし、司君の今後の課題も見つけたし、後は任せてよ」

薊が司の前に立つ。


「えっ?先輩?危ないですって!本当、あいつら冗談通じないんで!」

司は薊の手を引き、後ろに戻そうとするが、するりと躱す。


「まぁまぁ、見ててって」

薊が手を前に出した直後、全てを包む眩い光が幾重にも醜悪な化け物どもを目掛けて降り注ぐ。


不浄を払う天日アナイアレイション・サンライト

薊がポツリと呟く。


司が苦戦していた(あやかし)をたったの一撃で全て葬り去ってしまった。

見たこともないような圧倒的な力で(あやかし)を殲滅する。

放たれた光は煌々と輝き一段と眩しく、彼女の顔を明るく照らす。

その様はまるで西洋の神話に出てくると言われる戦乙女のように凛々しく美しいと感じた。


ただ幼く見えるだけの少女だと思っていたこの女子こそ、聖ジャンヌ白百合学園最強の超能力者(リミットレス)

"神無月 薊"その人である。


司は言葉を失い何も言うことが出来ず、ただ薊の姿を見つめているだけであった。


「怪我はないー?"お坊ちゃん"」

薊は先程まで纏っていたあどけなさが残る少女とは全く違う、艶やかな表情で司を見つめる。


その後のことをなんとなくしか俺は覚えていない。

超能力者(リミットレス)として能力を使いすぎたからだろうか、それとも神無月 薊が餓鬼を一掃して、安心したのかはわからないが、俺はその場で意識を失った。


けど、早い段階で俺は目を覚ました。

いや、どれくらい気を失っていたかは正直わからないが、多分すぐに目を覚ましたのだと思う。

なぜなら薊先輩の顔が目の前に見えるから。


「薊先輩?」

司はまだ覚醒していない状態で名前を呼ぶ。


「お、司君。お疲れ様。思ってたより早いお目覚めだねー。流石、男の子!」

薊は司を見下ろすような状態でニコニコと笑っている。


「ここは?」

寝転んだ姿勢のままで辺りを伺うと清水寺の中にいるようだ。


「ここは清水寺だよ。甘味処でお団子もらってたんだー!司君も食べる?」

目が覚めた時には清水寺は何事もなかったかのように元に戻っていた。

本当に餓鬼との戦いなどあったのか記憶を疑ってしまった。


そこでようやく意識が覚醒する。


「ふぁ!?」

司は薊に膝枕をされていることに気付いた。

膝枕から起きようとするが薊に制止される。


「もうちょっと休んどきなよー。能力いっぱい使って頭すごく痛いでしょ」

薊は団子を食べながら、もう片方の手を司の胸にポンポンと優しく置く。


言われてみれば確かに頭がとんでもなく痛い。

どれくらい痛いかはちょっと言い表しにくいが、ズキズキと血管が収縮するように感じると言ったらいいだろうか。


「いてぇぇぇぇぇぇ!」

司は頭を押さえながら叫ぶ。


「うわー!びっくりした!もう、大きな声急に出さないでよ!」

薊が司の頭を軽くはたく。


「す、すいません・・・」

司は頭痛が治るまで、薊に膝枕をしてもらい待機することにした。


「面白い!」「続き読みたい!」と思ったそこのあなた!

下の方に有る星を全部水色にして星5で評価しちゃって!!!


してもらえたら作者のモチベーションがぐぐぐーんと上がって執筆速度上がるんで!!


ぜひよろしくお願いします!

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