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俺の仕事は異世界から現代社会に帰ってきた勇者を殺すことだ  作者: 宮社
第一章 ファンタズマ / ファンタジア
37/57

第三十六話 勇者リワーク!⑧【ひみつのアッキちゃん】

 

 。:+* ゜ ゜゜ *+:。:+* ゜ ゜゜ *+:。:+* ゜ ゜゜ *+:。【アキ視点】



「…………よわ」


 さっき、おとーさんと別れて数分、海老根を確保した。


 今、片足で海老根の胸のあたりを踏み押さえて制圧した。


 海老根は意識があり、音葉を使おうとしているのだけど無駄だ。


 まだ誰も知らないし、バレるまでは言うつもりもない。


 自分の弱点でもある行為だから。



【魔法使いが魔法使いの心臓辺りを押さえていると、音葉が使えなくなる】



 あたしがいた異世界では常識だったのに、なぜ誰も知らないのか。


 こっち(現実世界)に帰ってきて、おとーさんと一緒にお風呂で胸を触られた時♡音葉が使えた事でこの特性はそのままだと確信した。


 しかしコイツは弱い、弱すぎだ。異世界で見た、駆け出し冒険者ニュービーといい勝負かも知れない。


 本当に異世界に居たのだろうか?


 それに加えて、こっち(現実世界)で見た帰還者は魔法属性が一種類しか使えないようだ。


 コイツは火だけだったか。


 あたしは全属性の魔法が使えるが、得意なのは火だ。


 普段使っている水や氷の魔法はフェイクだ。これが得意だと思いこませている。


 ただ、こいつを捕まえるのに魔法すら使わなかった。それくらいコイツは弱い。


「セイカ姉さん、海老根を確保したよ」


『……どうやって確保したの?』


 セイカ姉さんは本気で言っているようだ。


「見てなかった?普通にコケさせて地面に押さえつけただけだよ。なんかコイツ不潔だから触りたくなかった」


『見えないのよ、カメラで追えなかったの。どういうスピードなのよ。これからそっちに搬送部隊を送るからそれまでそこに居て。それと搬送中暴れないように海老根の意識とか飛ばせないかしら?』


「ふむ……触りたくないから――!」


 魔術でこん棒の形をした氷を作り出し、海老根の顎を殴った。


 「ぐぁ!」


 鈍い音と共に海老根の意識が……飛ばなかったので、二三発追加で殴っておいた。


 無事気絶したようで、あとは搬送部隊に引き渡すだけとなった。


『自分の妹のサイコパスな光景を見ると、なんかこうグッと来るものがあるわね』


「セイカ姉さんが何を言っているのかわからないよ?」



 搬送部隊を待っている間、セイカ姉さんと話をしていると、おとーさんから通信が。



『アキ聞いてるか?空を曇らせてくれ』


 おとーさん……便利屋みたいに言わないで。私はシャーマンでもアメフラシでもないよ。


 アメフラシは違うか。



 何故「空を曇らせろ」と言ったのか理解したので、空に手をかざし、音葉を使う。


 晴れていた天気から空模様はすぐに曇った。



「これでよし……と。あとは……」


 焦燥感が止まらない。


「セイカ姉さん、搬送部隊の到着時間はどれくらいかかるの?」


 おとーさんが天気を変えてほしいなんて言うから空を見上げたら景色が一部歪んでいた。


 あれは恐らく剣干とかいう奴の魔法だ。


『ごめんなさい。後15分はかかってしまうわ。今応援に富子としまこをそちらに向かわせているところよ』


「わかった。で、私の周りにいる敵は5人で合ってる?早くおとーさんのところに向かいたい」


『私もそうしてほしいところだけど、もう少しだけ耐えて』


 なぜあたしはおとーさんと別行動をとってしまったのか。


 後悔する思考を現状打破のために頭を切り替えようと努力する。



『敵は前方に5名よ。ただ後ろに11名こちらに迫ってきているわ』


「セイカ姉さん、今こいつを死体にしてしまえばよくない?どうせ最後は殺すんでしょ?」


『ダメよ。辛抱して』



「おとーさんはどうなっているの?」


『剣干賢人と戦闘中よ。MJSが作動していて剣干は音葉が使えない状態だから善戦しているわ』


「そう……」


『アキ、お父さんを信じて。私たちのお父さんはとっても強いのよ。それに私もサポートしているから』


「……わかった、我慢する――」


 銃声が鳴る。あたしを狙って撃ったのだろう。


 弾丸はあたしのこめかみに当たって弾けた。



 それを合図にか、先発隊であろう5人が一斉にあたしに向かって銃撃を開始した。


 山の中でこんなに弾丸で散らかして、環境汚染など考えていないのか。


 誰が掃除すると思っているんだ。


 ……あたしもわからないけど、ものすごい数の弾丸を浴びているが、全然ダメージはない。


 SAVの戦闘用スーツも効果があるが、なにより肉体硬化の魔法を使っているのでスーツからむき出しになっている顔などに弾丸が当たっても平気だ。


 ただ跳弾した弾丸が何発か、あたしの足元に居る海老根に当たっていたので気を付けなくてはいけない。


 最初から分かっていた5人から敵は増えないことを確認し、パンパンと柏手を打って魔術で氷を精製、音葉を使う。


 各敵の上空に氷を出現させてそのまま落とす。


 一斉に5人を無力化した。


「富子さん、しまこ、今からあと11人処理するから後はコイツお願いしていい?」


 足元の海老根を指出して搬送班への引き渡しを二人に引き継ぐ。


「了解よ。これもう動いたりしないかな?」


「それはそうとしてアキさん危ないですよ。アキさんに当たった弾がこっちまで飛んできて、危うく負傷するところでした」


 しまこが文句を言っているがそこまであたしも面倒は見れない。


 2人は到着したところだったのだけど、あたしが銃撃されていたので隠れてやり過ごしていたらしい。


 助けてくれても良かったのに……。


 とりあえず、しまこは無視してデバイスで11人の敵の位置、方角を確認。


 セイカ姉さんがマーキングしてくれたところを参考に、音葉で敵の気配を視界と同期させ正確な位置を割り出した。


 手を交差させて火の魔術を圧縮。敵の足元に配置するためにもう一度音葉を使った。


「じゃあ、後はお願いね!」


 さっと手を上げて圧縮した火の魔術を起爆した。


 少し離れたところで爆発して、こちらに迫ってきていた敵を殲滅した。多分。


 残っていても二人がきっと何とかしてくれるだろう。


「セイカ姉さん、あたしお父さんのところに行くから!」


『わかったわ。急いで!』



 セイカ姉さんから許可が出た瞬間、猛ダッシュでおとーさんの元へ向かった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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