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お姉さんのショタ観察記2

 お姉さーん!


 

 新暦533年 3月4日 深夜。


 本部から連絡あり。ある発掘士の人物調査を至急頼みたいとの指令が下りた。


 ……酒盛りは中止。


 調査を始める。


 調査対象は『ジョニー』という名前でバラダン島の遺物センターに登録している発掘士とのこと。この人物の人為を本部は求めていた。


 ……私の撮り貯めたジョニー君ファイルをまとめるのに夜明けまで掛かってしまった。


 朝イチで送信しておいたが……ついに本部もショタの良さに気付いたのだろう。提出した情報は私の何年にも渡る観察記録の触りに過ぎないが、まさしく国の宝と言えるだろう。


 自分の有能さが怖い。だが、勘違いしてはならない。すごいのは『ジョニー君』であって私ではない。素材が良すぎるのだ。


 まだ、たどたどしく『ぼきゅは、じょにーでちゅ!』と自己紹介していたあの頃の動画も送っておいた。


 ……結局一睡も出来なかったが晴々しい気分である。今日はこのままターゲットの観察に移ろうと思う。景気付けに一杯引っかけてからね。




 新暦533年 3月5日 朝


 きぃぃぃぃ! ターゲットはヒロインちゃんと同じお布団で仲良く就寝していた模様っ! 妬ましいぃぃぃぃぃ! 羨ましいぃぃぃぃぃ! 


 あ、焦げたロボットの姿は家の周辺に見えないが、それはどうでもいい。


 ずるぅいよぉぉぉぉぉ!


 いくら幼馴染みでも、それは駄目だろうよぉぉぉぉ! やっていいことと悪いことは分けろよぉぉぉぉぉ! 


 お前、親が隣の部屋で寝てんのに同衾したのかよぉぉ! どこまでビッチなんだ、てめぇぇ!


 ジョニー君の寝顔を見てニコニコしてんじゃねぇよ!


 それは私の特権なんだよ!


 透視スコープで彼の寝顔を堪能しながら朝の一服、は私の日課なのよ!?


 あ……おい……ビッチ……おい!


 お前……なに顔寄せてんの? 


 え、ちょっ……それ犯罪よ?


 意識の無いショタに手を出したら『ショタっ子保護法』違反で世界中の同志がお前を殺しに行くからな! 


 いいか! 絶対に……。


 止め……あ、あーっ!?




 同日 昼


 ターゲットが店に来た。ビッチも来た。ムカつくことに手を繋いでラブラブだ。


 ……分かっている。この二人がラブラブな事は私も理解している。私がこの島に赴任された時から二人はラブラブだったのだ。しかも親公認。絶望しかねぇ。


 だが、それはそれ。私の目の前でいちゃつくとは良い度胸だ。この糞ビッチ。


 澄ましたお顔なのに口許だけが、だらしなくにゅるんと緩んでやがる。


 とりあえず下水の臭いがする香水を勧めてみた。私も信じられないが、都会ではこれが本当に流行っているらしい。


 ……ジョニー君が臭いを嗅いで泣きだした。すぐに換気をした。敏感なショタって……どれだけ私を狂わせたいのかしら。泣いてるショタも良いものだ。


 しかしショタを泣かせるのは、我が本意にあらず。


 だからビッチよ。その手に持っている鈍器を下ろせ。それは一応商品だ。アウトロー達に使うバールのような物、だから本当に止めろ。それ、結構なお値段するからマジで止めて。


 ……ジョニー君が暴れそうになっていたビッチを取り成してくれた。やっぱりジョニー君は天使だと思う。暴走ビッチとは違うのよ、暴走ビッチとは!


 どさくさに紛れて握ったジョニー君の両手は、ぬくぬくだったわ。


 ……ゴツゴツでもあったけど。


 いくら可愛いショタでも彼は一人前の発掘士。その手に『雄』を感じて腰が抜けそうになった。なにこのギャップ萌え。ちょっとトイレに行きたいわ。ビッチ……少し店番を頼む。




 お姉さーん!?

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