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ショタのロンド2 

 ロンドー!



 僕はジョニー。人呼んで『バラダン島のアイドル』です。


 ……心の棚に、そいやっ!






 今日は大変でした。


 今日から新しい遺跡で発掘を始めたのです。途中まではウハウハでした。それはもうウッハウハです。


 手付かずの宇宙船遺跡って本当に取り放題なんです。背中のバッグがパンパンになりました。


 まぁお約束でアウトロー達が大量に出ましたけど。


 ロボが仕事をサボってくれたお陰でボムを使う羽目にもなりました。結構お高いんですよね、ボム。


 消耗品なのに高級品なのです。使用頻度もそれなりなので、赤字覚悟のボンバーなのです。


 でも今回はヨユーです。背中のバッグのお陰で余裕綽々だったのです。

 

 まぁそのせいで僕も焦げ臭くなりましたけど。


 ロボも焦げたくらいで済んだので、まぁ今回の探索は成功ではありました。


 でも査定が……遺物の査定が明日まで掛かると言われてしまったのです。


 ……なんか変なの拾ったんですかねぇ。


 追われながらの発掘作業だったので僕も精査してる余裕が無かったのです。


 レアなクリスタルとかあったのですかねぇ。勿体無い事をしました。レアものなら『ロボ究極変態計画』に使えたかもしれません。ぐぬぬ。


 一度受付に提出すると受付のお姉さんに頼んでも出してもらえないのです。返品不可なのです。それが規定だそうで……ぐぬぬぬぬ。


 遺物センターの受付お姉さんは島役場のお姉さんでもあります。まぁ役場の受付カウンターがひとつしかないのでそうなります。役場なのにお姉さんしか居ないのです。


 元々役場には、あんまり人が来ないのでこれでも大丈夫なのです。僕もここが人で溢れてるのを見たことありませんし。


 都会の小さな郵便局風に作られたこの役場は、そのこじんまりさでノスタルジーを誘うらしいです。意味が分からない時は棚にオンっ!


 そんな狭い役場に一人佇む受付お姉さんは機械生命体です。珍しい事にアバターが立体映像です。生身ではないのです。彼女は昔に実在したアイドルをそのままアバターとしてパクったそうです。


 ……肖像権とかどうなんですかねぇ?


 多分その辺はクリアしてると思います。何せここは役場ですから。


 お姉さんのアバターは立体映像なんですが、正確に言うと立体看板です。基本的に動きません。受付だからこれでも問題無いそうです。


 美人さんなんですが笑顔が固まってて少し怖いです。合理的というか……適当というか。


 見た目は綺麗なお姉さんなんです。黒のリクルートスーツ姿のお姉さんです。でも甘くないのです。すごく真面目なのです。ルールは遵守する大人のお姉さんなのです。


『お金が無いんです!』


『明日には入る』


『今すぐ欲しいのです!』


『耐えろ』


 というやり取りをしました。お姉さんは真面目です。言葉が男っぽいというか硬派です。痺れますよね。




 そんなわけで今日はすっかんぴんです。


 宵越しの銭は持たねぇ! という主義ではないので普通にピンチなのです。


 コツコツ貯めてたお金は全部おじいちゃんの保釈金と罰金に消えているのです。

 

 あのじじいはちょっとぢごくに落ちていいと思います。今月で既に三回目です。本当に落ちればいいのに。


 今回はもうしばらく牢屋に入れてもらうことにしたのでそっちの問題は無いのです。


 ……問題は僕の趣味とご飯なのです。


 まぁご飯は食べなくてもすぐに死にはしないのです。でも掘り出し物は一期一会なのですよ!


 島にある何でも屋『よろずやん』でガラクタ漁りをするのが僕の仕事終わりの日課なのです。


 まぁそのガラクタを持ち込んでいるのが主に僕だったりしますがそれは仕方無いのです。


 僕は『発掘士』であって『鑑定士』ではないのです。


 遺物というのは危ないものが玉に含まれているのです。なので最初に遺物センターに持ち込みそこで危険物を判定。そこから更にお店に卸す仕組みになっているのです。

 

 割りと危険なものもガラクタに混ざって売られてたりします。でも本当に危険なものはちゃんと取り除かれているのです。


 安全の為にそうなっているのです。本当です。まだ使える三十連貫通ミサイルがそのまま売られてたりもしますが……心の棚に載せるのです。とうっ。


 僕も鑑定士の資格が欲しいので勉強しているのです。でもあと数年は年齢制限があって取れないのです。


 未成年だと講習すら受けられないのです。


 がっでむ。


 まぁ資格があっても遺物は遺物センターにしか売れないのであまり意味のある資格とは言えません。発掘士の資格みたいですね。


 センターで働く公務員には必須らしいのですが普通の人は無関係ですし。


 それに遺物をセンターに持ち込まず猫ババすることも可能なのです。遺物を猫ババしても罰則は特にありませんし。


 でも遺物って本当に危ないものが玉にあるんですよね。


 僕だけが大変な事になるのなら全く構わないのですが、島のみんなに迷惑を掛けるわけにもいかないのです。


 まだ動く広域殲滅波動砲発射装置とかジャンクパーツとして普通にお店で売られてますが……心の棚に、てーい!


 そんなわけで遺跡から発掘される遺物にはとっても危険な物が含まれているのです。


 今回査定が延びたのは、それだったようです。


 危険っぽい物が出ると査定が延びます。簡易測定で危険度を測って引っ掛かると更に詳細を調べる事になるのです。お金の支払いは全部が終わってからなのですよ。


 だから今はすっかんぴんなのです……あぅぅ。今日のガラクタ漁り……はぅぅ。お姉さんの鬼ぃぃぃ。


 多分明日にはすごい額が貰えそうですが……未来の大金よりも今日の小銭なのです。


 受付のお姉さんは情でほだされる人ではないのです。土下座しても駄目なものは駄目な人なのです。真面目ですよね。


 ロボによくビームを発射しますが尊敬出来る大人だと思います。お仕事が出来る人って素敵ですよね。


 うちのロボも少しは見習って欲しいのです。


 お姉さんも機械生命体なのにこんなに真面目なのですよ。うちのロボはアウトロー退治をサボって焦げ臭くなったというのに。


 武装もちゃんと載せてるのにサボるんですよねぇ。うちのロボは。


 アウトローを退治するためのパートナーロボットだというのに……戦わないとか困るんですよね。


 見敵必殺で倒していけば追われることもなかったのに面倒臭がるからあんな大群に襲われて……全く反省していないのです。


 ロボは今日もやっぱりビームを食らってました。お姉さんは胸の辺りからビームを出します。立体看板でも出せるようです。僕は眼から出すのが正道だと思います。口からもありですねぇ。

 

 と、いつものように受付でロボ折檻が終わるのを待ってほけーっとしていたら拉致される事になりました。


 犯人はあの子です。


 つづく。




 時間軸がちょこちょこズレますが仕様です。

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