お姉さんのショタ観察記1
視点が変わりまーす。
新暦533年3月4日 晴れ
今日もターゲットは可愛い。ブカブカのツナギのあちこちをベルトでキュッと締めた姿は実に凛々しくも可愛いらしい。頭に掛けてるゴーグルとか、あざとい……実にあざといわ!
でも可愛いから許す。というか赦して欲しいのはこっちだ。毎日がご褒美過ぎて辛い。
今日もステキな姿をありがとう。
あの身を締め付けてるベルトすらオークションでは破格の値段になっているのをターゲットは知らない。知る必要もない。
私もベルトになりたいぃぃぃ!
あの未熟にして青い果実を私の体で!
私の全てで締め付けたいぃぃぃぃ!
……ふぅ。ちょっと興奮しすぎたか。ミッションを続ける。
ターゲットの今日の予定は未踏遺跡のファーストアタックである。
西側海岸線にある『第67号遺跡』の新規調査とアウトロー討伐が本日の予定である。
……危ないわ。手付かずの遺跡がどれだけ危険なのか。ターゲットはちっとも分かっていないわ。これは今日も私が付きっきりで監視しないと駄目な奴ね。ええ、駄目な奴よ。あんなにショタショタしてる男の子がもしアウトロー達に襲われて……。
……押し倒されちゃったり?
しかもそこから服を脱がされちゃったり?
……じゅるり。
機械のアームが少年の柔肌のあんなところやそんなところを舐ぶるように!?
……ぶぱっ!
……うー。今日も鼻血の出は宜しい。健康チェック完了っと。さて、お仕事お仕事っと。
えーと。ターゲットは海岸線の遺跡まで徒歩で移動中。まぁこの島で乗り物を使う場合なんて滅多に無いが。
ターゲットは今日もパートナーを連れて海岸線、白い砂浜をテコテコと歩いている。遺跡までまっしぐらだ。相変わらず真面目である。少しの寄り道はお姉さんも許容範囲よ?
あぁ……私は砂浜にもなりたいっ!(でもベルトは諦めてないっ!)
砂一粒に至るまで少年の裸足(生足って書くと生々しすぎるので自主規制)を堪能したいっ!
……ぐふっ。ぐふふふふふ。砂なら合法。指の股を舐めるように……舐めてもきっと合法。だって砂だもん。
ま、今のターゲットはブーツ装備だから無理だけど。遺跡に入るのならブーツは必須。よしよし、ターゲットのすべすべあんよは今日も守られるわ。
……安全チェックもオールグリーン。本当は止めたいけど問題無し……か。真面目なショタってちょっと困る。
砂浜にはターゲットの小さくて可愛い足跡が点々と続き……その側には可愛いくない足跡も点々とある。
ターゲットのパートナーであるポンコツロボットは今日も健在……と。
ダムッ! アウトロー対策にロボットは付き物とはいえ、あんな野郎がターゲットのパートナーなんて!
……こっそりライフルでスナイプしちゃえ。ヘッドスナイプッ!
……。
……。
……ちっ。
弾倉が空になるまで撃ったのに全部弾かれた。死んだら私が代わりにパートナーとなる予定だったのに。
アサシンは失敗っと。これで……千五百七十二回目の失敗か。弾もタダじゃないってのに……そこは死んどけよ。
あのブリキ野郎め。いくらターゲットのパートナーだからって毎日毎日これ見よがしに、いちゃつきやがって……羨ましいっ!(別にいちゃついて無いがそう見えない事もない。つまり僻みだ)
私だって毎日一緒に彼と同じ屋根の下で暮らしたいのに!
毎日ショタの青々しい匂いを肺腑の奥まで堪能したいのに!
そして毎日お風呂の残り湯でショタ汁浴をしたいというのに!
あぁっ! ショタ汁っ!
なんと甘美で退廃的な響きなのかっ!
飲んでよし! 浴びてよし! 浸かってよし! 崇めるもよし!
美容と健康に効果があるとされる超レアな『ショタ汁』は末端価格でヤヴァイ事になるのよ!
あぁ……天然物のショタ……まさに大自然が生み出した神秘……それをあのブリキ野郎が独り占めとは許すまじ!
……リロード。
距離……百……風……微風……いける。
……殺!
……。
……。
……まぁロボットならこんな豆鉄砲じゃ通用しないか。
伊達にアウトロー用のロボットじゃないという事で。
……。
……。
……騒ぎすぎた。私がアウトロー達に囲まれている。逃げ場は……無い。
……まだ朝なんだけどなぁ。
ターゲットが遺跡に侵入。ギリギリでその姿を確認した。私はライフルを派手に撃ちすぎたのでアウトロー達に見つかった。当然の事ながら大変な目にあった。
……足腰立たねぇや。
スコープでターゲットが遺跡に入るのを確認して気絶。気付いたら夕焼けだったので急いで店に戻ることにした。
同日 夕方
ターゲットは遺物センター(島役場)で何やら揉めた模様。詳しくは後で情報を集めるが、何か変わった物を発掘して持ち帰ったようだ。珍しいコアでも見つかったのか。パートナーのロボットが焦げていたので激しい戦闘が行われたのだろう。
ターゲットは可愛いショタであるが島で唯一の専業発掘士でもある。その腕は恐らく都会の発掘士と比べても劣ることはあるまい。ショタだから下駄を履かせている訳ではない。現実として腕が良いのだ。
ここが田舎で遺跡が沢山あるという事を鑑みてもターゲットは優秀な発掘士だろう。
無理をしない。必ず備える。欲をかかない。
これを若くして徹底している。
……少しくらい無茶をしてくれると私も介入できるのだが、その隙すら見せない。
ガッデム!
そこは子供っぽくて良いのよ! むしろ若さゆえに過ちを犯して! お姉さんが矯正するから! 優しくするから!
なんにせよターゲットは帰宅途中に店によるだろう。その時がチャンス。今日こそは私の事を『お姉さん』ではなく『お姉ちゃん』と呼ばせてみせる!
遺物センター(島役場なんだよ)の受付カウンターに突っ伏しているあのターゲットを……あっれ!? なんかすごく凹んでる!?
あ、そう言えばお祖父さんが昨日……。
……。
……そうね。ターゲットはまだ子供ですもの。
……ここは私の出番。いや、マジでチャンスじゃね? ロボットは焦げてるし、ターゲットは凹んでるし……あ、これは攻める場面だ。
うふふふふふふふふふふはははははははは!
来た! ついに来たわ! あの青い果実を手に入れるチャンスが!
よっしゃ! 行ったるで!
同日 夜
ターゲットが奪われた。ターゲットの隣に住んでるヒロインちゃんが遺物センター(島役場だっつーの)にやって来てターゲットを捕獲。手を繋いで……仲良しさんで……ぐすっ……ヒロインちゃんの家に連れていかれた。
なお、焦げたロボットはその場に放置された。まぁこいつはどうでもいい。問題はヒロインちゃんだ。
彼女はターゲットの隣に住んでる幼馴染み。
隣に住んでる幼馴染みなのよ!?
何よその最強属性は!
チートか!? いきなりチートをかますのか!? 家族ぐるみのお付き合いとか、どんだけ課金したっていうのよ!?
私だって……私だって……。
お金で幼馴染みになれるのならいくらでも払ってやんよぉぉぉぉ!
こんな田舎で金なんて使わねぇんだよぉぉぉぉ! 私にもショタな幼馴染みぃぃぃぃぃ!
金髪ショタの半ズボンンンンンン!
……。
室内の会話を傍受。窓から監視する限りターゲットはまだ落ち込んでいる模様。
……ターゲットはどうやら今日の成果に納得いってないようだ。ふむふむ。彼にもよく分からない物を発掘出来たが……査定待ちでお金がしばらく入らない……なるほど。役場で凹んでいたのはそういう事だったのね。
いつもお仕事の帰りに私の店で掘り出し物を探して買っていくのが彼の楽しみだものね。
……うふ。
うふふふふふふふ。
そんなにお姉さんに会いたかったなんて。うふふ。
もうっ! お姉さんはお金じゃなくて君の体で払ってもらっても一向に構わないんだゾ? ぐふ。
あ、おい、ヒロインてめぇ何ターゲットに『あーん』とかしてんだおい! 私にもやらせて下さいこのビッチ! 私も恋人ごっこしてぇんだよ!
おいぃぃぃ!? おまっ!
お前ぇぇぇ!
そのスプーンは間接キスになるだろうがよぉぉぉぉ! おまっ、なんて事無い顔してるけど口の端が『うにょん!』て上がってんのは分かってんだよ!
まだろくに毛も生えてねぇ(どこの毛なのかは乙女の秘密)癖に声に艶とか出してんじゃねーよ、このビッチがっ!
ビッチめっ! この少女ビッチめが! いやさ! お前は既に『女』である!
『ロリっ子保護法』は育ち過ぎた貴様を守らんぞ!
覚悟しろ! このビッチめ!
……。
……今度は『美少女保護法』か。
うちの組織は業が深すぎる。
仕方無い。今日はターゲットも店に来ないだろう。写真を少し撮って今日のミッションを終える。ヒロインちゃんの家の前……というか扉の前で焦げ臭いロボットがたそがれているが、気にしない事にして帰還する。
今日は私もアウトロー達に襲われたし、膝が笑っているので大人しく休むことにする。
すべてはこの世界を守るため。
絶対神ロリータよ!
至高神ショターンよ!
この世のラブリーキュート達に祝福あれ!
……さて、日課のお祈りも終わったし夕飯どうしようかしら。膝が笑ってるから適当にお惣菜を買って帰るか。今日は魚かな。酒も買って帰るか。
この物語は複数の視点から物語を紡いでいくスタイルです。なんか……そうなった。