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お姉さんのショタ観察記6

 おね……あれ?


 最初は別の人の視点です。誰なのかは後々判明致します。



 

 新暦533年 三月某日


 バラダン島から一人の少年が旅立った。


 少年の名前は《ジョニー・バラダン》


 この島で唯一のショタである。


 かねてから保護が叫ばれていた少年だったので、むしろ怪しい事この上ない。


 あの島民が態々、島に居るショタを島の外に出すだろうか。


 あの悪名高き『ダンバラ団』が根城とする『バラダン島』から奴等の大好物とも言えるショタを……。

 

 明らかにおかしい案件故、この調査を秘密裏に行う事とする。この調査は第一級秘匿事項とし、専任には『ブルー』と『レッド』の両名を選定した。


 ダンバラ団案件であるが……彼らが適任と判断した。


 もし当該ショタがあの組織の刺客であった場合……処分も許可する。場合によっては薬物の使用や拷問も已む無しである。


 なお、ダンバラ団との軋轢を避けるため局からのサポートは一切無い。あくまでも個人として任務に当たってもらう。


 もし揉めても当局は切り捨てるのでそのつもりで。


 


 追記 新暦533年 三月某日


 当該ショタの安全を何よりも優先すべし。危害を加えることは禁止とする。


 この案件は天空船案件……『特級』秘匿事項に掛かるものとして扱う。


 ショタの障害となることを禁ず。


『可愛いショタには旅をさせよ』


『ショタこそ至高』


『半ズボンが似合うのはゴールデンエイジのみ』


 と、本部のロボット達が軒並みハッキングされたのでくれぐれもショタに手出しはしないよう厳重に注意されたし。


 任命も一時白紙とす。


 後任が決まり次第追記する。




 再追記 新暦533年 三月某日


 エージェント『シトリン』をこの任務に任命。以降彼女に全任する。


 

 ……ダンバラ団に染まりきった娘の姿は以前よりも幸せそうに見えた。


 この案件はこれで封印とする。






 新暦533年 3月10日


 

 またしても指令が来た。


 最近は人使いが荒い気もするがそれも勤め人として仕方無し。


 本部の……父からの指令だった。ちょっとビビった。しかし仕事は仕事である。私情は挟まない事にして指令を確認する。


 私に下された新たな指令は『ジョニー・バラダンを秘密裏に護衛、監視せよ』というものだった。


 ……島での任務と同じである。


 つまり私は……あれか?


 ジョニー君の専属ストーカーとして本部のお墨付きを頂いたという事になるようだ。


 ……喜ばしい。大変に喜ばしい事態である。


 だかしかし!


 先日行われたジョニー君の旅立ちに当たり、送別会をあんなにも情熱的に開いたので顔を会わせるのが正直恥ずかしい。


 ジョニー君の足裏は良かったなぁ……たまんねぇ。ショタの生足(すっごくなまなましてたっ!)で顔を踏まれるって、ご褒美でしかないって本当なんだねぇ。


 ジョニー君はすごい顔をしてたけど後悔はない。


 幾年経とうが『それ』を思い出して生きる力にする為、私はずっと大切にしてきた『お姉さん』の仮面を投げ捨てたのだ。

 

 ……まさかこんなすぐにまた顔を会わせることになるとは思わなかったんだよ! くそがっ!


 しかし……仕事は仕事である。


 ジョニー君を追うために転移装置で移動する事にした。早急にジョニー君が向かった『ムツキ島』で潜伏拠点を築いておかねばならない。


 こうなれば私も体裁を捨てる他あるまい。父からの指令とは、それだけ大切な物なのだから。


 ……父は実家住まいだ。

 

 ……実家には私の荷物が沢山保管されている。


 ……。


 つまりだ。


 実家に送った宝物を親父に処分されるわけにはいかねぇんだよ!


 あれは永久保存版で世に出たら不味い物が大半だ。よって父の機嫌を損ねるのは非常に不味い。本当に不味い。多分団からもペナルティーが来るくらいには不味い物ばかりだ。


 捨てる前の確認作業ですら間違いなくアウトだ。


 急ぎ荷物をまとめて移動することになった。島の転移装置は基本的に封印されているが、ジョニー君の護衛任務と伝えたら島役場の受付嬢が普通に使わせてくれた。


 やはり同志である。ジョニー君の事が心配なのだろう。受付嬢として何年もバラダン島の役場に君臨してきたのだ。興味の無い振りをしてもバレバレである。


 なのでお礼として『ショタ百科辞典』を進呈しておいた。新暦317年物のプレミア品だ。私も五冊持ってるから一つをあげた。


 我が団の掟『宝はみんなで楽しむべし』


 機械生命体だろうが傀人だろうが性癖に壁は無い。等しく愛を。等しく堕落を。それが我ら『ダンバラ団』である。

 

 ……受付嬢が任務にも着いてこようとしたのでバールのような物を使って説得した。

 

 やはりバールの威力は凄まじい。いやいや、あくまでバールのような物。


 アバターに最新型のメイドロボットを選択したあいつが悪い。あれは18禁な事も可能なハイエンドなハイブリッドモデル。


 無論、奴の脳天にバール(のようなバール)を突き刺してやったぜ。


 コアが無事なら犯罪にならない。むしろ犯罪を止めたのだ。この私がな。


 斯くして私は『ムツキ島』へと旅立つ事になった。


 次回からはもっとちゃんとしたレポートになるだろう。ジョニー君の居ないレポートなんざ価値もねぇゴミだ。


 本部には『任務了解』とだけ返信しておく事にする。


 ……そういや赴任手当って出るのかなぁ。ここでの赴任で貰ってないんだけど。




 ちょこっと裏話。


 何気にこの話には重要な情報がてんこ盛りで満載です。『やっべー。伏線だらけやん』と今気付きました。やっべー。


 

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