着衣水泳
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着衣水泳のはじめての講習の時もパニックになったっけ‼
と、若干危機的な状況で前世を思い出した私は、背面平泳ぎって膝開かない方が顔沈まないんだったかなとか、靴も履いてた方が浮いたっけとか、昔(前世)の記憶を必死に思い出し、講習の時はペットボトルがあったのに~~と、パニックは、脱した?けど、危機的状況からは脱せず、薄れ行く意識の中、講習は温水プールだったし、5才の私には、まだ初夏の池の水温でもヤバイわ~と思っていた時、バシャバシャ近づく気配に安堵し、意識を手放したのでした。
流石に風邪で3日間寝込んでる間に、前世の記憶も馴染んだようで、5才の身体で精神年齢大人な、某有名アニメみたいだけど、残念なことに、前世の私は多分神経衰弱で死んじゃったんだと思う...
未曾有の感染症が広がって、家に引き込もって鬱症状が悪化して、買い物行くのも、ごはん食べるのも億劫になっちゃった記憶が最後だし...
まあ残念な最期ではあったけど、今思うと変なプライドで意地を張って大切なことを相談出来なくて、ドンドン負の連鎖に陥っていたと思う。
一回死んじゃって、55年分の後悔を思い出した私は、今度こそ、素直に正直に生きていこうと密かに誓うのでした...(5才ですしね...)
今思うと、庭の人工池の水深は120cmくらいで,100cmの私でも一度沈んでジャンプしながら進んだ方が自分で何とか出来たのではとか、次にもしも落ちた時のことを割りと真剣に考えてたら、コンコンとノックの音が。
「どうぞ。」
「失礼致します、お嬢様、お加減はいかがですか?」
「もう大丈夫、心配かけてごめんね、クロエ。」
「お顔の色も良くなり安心致しました。今日から朝食も皆様とご一緒に致しますか?」
「うん。お父様、お母様、それにお兄様にも心配かけてしまったから..謝らないと。」
記憶が戻ったものの、5才でいきなり自分のことは自分で出来ますって言うのも変だし、クロエの手際の良さに、つい甘えてしまって用意を済ませ、ダイニングに向かうのでした。
5才の私は、微熱でうつらうつらとしつつも暇なので3日間情報収集したところ、
お父様は、侯爵家の三男で、長男の伯父様が侯爵家を継いでいて、次男の伯父様は伯爵家にお婿さんに行ってお婆様の実家の子爵家をお父様が継いでいるらしい。私、子爵令嬢ですか、貴族ってことですね、ちょっと不安です...
両親は、とても仲良く、1つ年上の兄は、6才にしてはとてもしっかりしていると思う。
つい前世の息子を思い出す...
一人息子の優斗が、6才の時は、将来の夢を聞かれたとき「コンビニの店員さんです。」って嬉しそうに答えていたっけ(笑) まあ隣の一樹くんは「キノコ。」って答えてたけど...
その後、一樹くんママたちと卒園祝いのランチで盛り上がったな~
「女の子になりたいです。」て答えてた佑馬君ママは、見守る決意をしてたっけ...
サッカー選手とか野球選手とか、公務員とか、お医者さんって答えてたママたちはパパも会社休んで来てたから一緒に行けなかったけど、女の子で「大工さん。」て答えてた歩美ちゃんや「お姫様。」って答えてた梨華ちゃんのママとか、ちょっとユニークな答えの話で爆笑したのよね、今思うとあの頃が一番幸せな時だった気がする...
「お嬢様、大丈夫でございますか?」
は!!いけない、つい感傷に浸ってしまって百面相しちゃいましたね?心配かけてごめんなさい‼
「大丈夫、お腹すいちゃって...」
「既に皆様お揃いです。直ぐに召し上がれますよ。」
「ありがとう、クロエ。」
「お父様、お母様、お兄様、おはようございます。心配かけてごめんなさい。」
「エミリア、もう大丈夫なのかい?」
「はい、お父様、もう元気になりました。ドレスを汚してしまってごめんなさい。」
「エミリアが元気なら良かったわ。ドレスは破れたわけではないから大丈夫よ。」
「ありがとうございます。お母様。」
「もう一人で池に近づいてはいけないよ。」
「はい、お兄様、蓮の花がキレイで、お兄様に注意されていたのに、ごめんなさい。」
次に落ちた時の心配より落ちなければ良いですよね(苦笑)
「エミリアも反省しているし、さあ家族揃っての食事を楽しみましょう。」
「はい、お母様、お腹ペコペコです。」
「今日は、エミリアの好きなものを揃えたのよ、快気祝いもか兼ねてね。フフ...料理長が張り切って作ってくれたのよ。」
「ワア❗美味しそう❗」
前世、孫もいましたけど何か?
前世、息子28才、今世お母様26才ですが何か?
ふわふわのパンケーキにテンション上がる55才って結構いますよ?見た目5才ですし、べリソースで汚れた口元をサッとクロエが拭いてくれた時は、ちょっと恥ずかしかったけど...習慣ってコワイデスネ。ちゃんとその後気を付けましたよ?