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ミーティアライトのいたずらよ  作者: ヒジカタアルジ
1年目~5年目
8/19

8話 百合子の憂鬱

百合子目線。

総一郎さんがトラックで行ってしまった。


溜め息をつき、さっきから感じている視線をさっと見る。


何かが建物の陰に隠れた、すばやく近づく、二度見する頃には目の前に立ってやる。


そろりと物陰から出てきた人物に。


「コハクッ!」


小柄な軍人は百合子を見上げながら怯える。


「ゆ、百合子さん、えっと、こんにちは・・」


「こんにちはじゃありません!コハク、いつまでそうしているのですか?こそこそと嗅ぎ回って。」


「百合子さん、ボクは百合子さんが・・」


「あなたの好意に応える気はありません。」


間髪入れずに答える。


そうでなければ、期待させてしまう、改めてはっきりと断ろう。


「私は総一郎さんを愛しています。私達の宝物が、この子です。」


「だー!」


呼ばれたと思って返事をする光一郎。


「ズ。」コハク


「ズ?」私


「ズ、ズルいズルいズルいーー!」


そう言って走り去ってしまった。


二度目の溜め息。


「ゆーりーー。」


カオルコが見張り台からスナイパーライフルを肩に担ぎながら降りてきた。同い年の26歳、センター分けのショートカットがいかにも、スポーティーなタイプの私の同期。


走り去るちっちゃいのを見ながらカオルコが茶化しにきた。


「さっきのコハクだよねぇ、朝からどったの?告白でもされたか?」


うっ


「はっきりと断りましたが諦めたようには思えなくて。」


「ゆりのどこに惚れたんでちゅかねぇ。」


光一郎に問いかけるから赤ちゃん言葉になってる。


「悪い子ではないんですけど。」


訓練も勉強も一生懸命だし、人を傷つけるようなタイプでもないし、ただ恋する対象が私なのが問題なだけで、と考えていると、先に宿舎に帰るカオルコから三度目の溜め息をつかされる。


「あんまり難しい顔ばっかしてるとシワが増えて、総君に嫌われるわよ。」


「大きなお世話です!・・・はぁ。」


まだ午前中だというのに、先が思いやられる。



次は総一郎。

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