12話 エンドオブ食堂
そういえば、夜なので蛍光灯壊れたら見えないじゃん、なのでちょっと残ってます。
かろうじて残った蛍光灯が辺りを照らしてくれてる。
コハクの胸に耳を当てて、心臓の鼓動を確認する。
「えーっと、心臓は動いてる、生きてるよ。でも心はどうだろうか?」
まだ光一郎を抱っこしてるサトル君が答える。
「ここに来る前にも同じことがあって、完全にケモノ化してしまうと、もう戻れないみたいだけど、コハクは元の姿に戻ったんなら、大丈夫だと思う。」
本当にケモノ化したなら気絶しててもケモノ化らしい。
・・・良かった、あとは、目が覚めてくれたら、ちょっと胸に傷が残っちゃったけど、あれ?なんとなく谷間がある?
「百合子さん、コハク君って、ひょっとして・・・女の子?」
「コハクはれっきとした女の子ですよ、いつまで見てるんですか?」
慌ててぼろ切れとなった軍服を掛ける。
「何事だー!」
「どったのー(どうしたの)?」
シュウヘイが拳銃片手にライトを照らしてやって来た、続けてカオルコが軽い感じで付いてきた。
半壊した食堂に唖然とする二人に可能な限りの説明をした。
遅い夕食中にコハクがやってきて、ケモノ化して大暴れ、来た時点で様子がおかしかった。
「まぁ死者が出なくて良かったとしよう、カオルコ君はコハク君を医務室に運んでやってくれないか?」
「かしこまりー。」
お姫様抱っこで連れていく。
事情を説明している間に、光一郎は百合子さんが抱いている。
「総一郎さん、私も医務室行ってきます、ちょっと痛いんで。」
結構血が出てたけど、あれでちょっと痛い程度なんだ。モチも百合子さんと一緒に付いていった。
シュウヘイさんが、外に集まった人達に事情を説明しに行った。
また戻って来て、サトル君を案内するそうだ。
サトル君とは、少し長い話をした。
彼は、きっと大丈夫だろう。
シュウヘイさんが帰ってきたので、サトル君を任せて、医務室の百合子さんとこに行こう。
医務室では、もう治療が終わった百合子さんがいた。包帯と絆創膏が痛々しいが本人はケロッとしているので帰っていいと言われた。
コハクさんには、明日面会に行こう、もう日付が変わろうとしていた。
ただ事件はまだ終わらなかった。
はい、コハクは女の子です。
ちょっと無理がありましたか?




