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第一章
「ただいま」
カーテンの閉まった真っ暗な部屋のベッドの上には、今日も女子生徒が寝転がっている。ちょうど帰室した彼女のバディは、いつものようにそう言った。
「おかえり」
彼女はベッドから出る素振りも見せず、背中を向けたまま答えた。
今日はいつだろうか。彼女はふと気になった。簡単な呪文を唱えて、机の上に置いてあるカレンダーを手元に移動させる。カレンダーが指し示す今日は、あの日から約一か月後だった。
一か月もこんな生活を続けてしまった。彼女はまた少し自分を嫌った。自分が情けないと思いながらも、結局は部屋から出られない臆病者でしかなかった。そんな自分がまた嫌いになり、自己嫌悪を幾度となく繰り返していた。