亜美ちゃんの感想
詩織が思いを寄せて書いた小説も~亜美ちゃんには不満の様です。
さて、亜美ちゃんの感想とは?
詩織はいつもの通り「カフェしおん」にやってきた。「おはよう」っと挨拶をしていつもの席に座った。
すると
亜美ちゃんがいきなり、
「しおりさん、あれってなんなんですか?」少し怒ってように言う。
「あんな最後じゃ、気になって眠れないですよ!」
詩織は少し戸惑い、「何のこと?」と言うと、、
「何って、昨日雑誌に載ったあれですよ、あれ。」
詩織は亜美ちゃんが不満そうな訳が分かって、「あ〜っ、あれね。」笑いながら応えた。
「いいじゃない、来ても来なくても。待ちたいから待つのよ、きっと。」
「ど~してですか?嫌です、来ないのに待ってるなんて。結局彼は来ないんですか?」
「さぁ~どうかしらねぇ~?読者の皆さんの好きな様に考えて貰えれば良いと思うんだけどなぁ~!」
「あれって、もしかしてしおりさんの経験、、って事は無いか、、結婚した事ないんですものね?」
詩織は声を出して笑った。
「あれね、昔、母が話してくれた映画をモデリングし真似て書いてみたの。」
「どんな映画ですか?」
「『あの愛をふたたび』って言うんだけど、、。映画女優とその映画の音楽を担当した男性とのラブストーリー。ダブル不倫で、でも割り切った関係だったのかな?でね、その女優さん、その不倫に本気になりそうで怖くなって、家庭に戻るんだけど、結局家庭も微妙で、、で、そんな時に彼から電話があってね、会う約束するのよ。それで彼女はその約束の場所へ行くんだけど、、何故か彼は来ないのよね~!」
「何それっ、、自分から電話してきて会おうって言ったんでしょ?なのに、どーして来ないんですか?そんなの酷ーい。」
それを聞いて詩織はまた笑ってしまった。
「亜美ちゃんがそう言うの、良く分かるわ。そうよね、男性から会いたいって言ったわけだし、、。でもね、、何となくそのラストがグッとくるっていうか、、。上手く説明出来ないんだけどね、何となく感じるものがあるのよ。」
「そーなんですか?私には全然、ぜーんぜん分かりません。」
亜美ちゃんは納得するどころか、ますます不機嫌になった。詩織はそれに構わず説明を続けた。
「その映画の音楽がすっごく良いの。フランシスレイが作ったんだけど、ロマンチックでねぇ~。彼女の悲しみがその音楽で更に~、、。」
「まぁ、しおりさんの作品ですから、しおりさんの好きでいいんですけどね。」
亜美ちゃんは口をトンガラかして怒った様に詩織を見る。
「ごめんね、もやっとストーリーで、、じゃ、そのお詫びに、亜美ちゃんの好きな、チョコレートスムージー奢ちゃう!これでどう?」
「えーっ、本当ですか?きゃぁー嬉しい。分かりました。そこまで言うなら、、私機嫌直しますーしおりさん許します!」
「スムージーにて買収成功なり~なりこれにて一件落着!」
そうして二人で声を揃えて笑った。
明日はまた違う物語が綴られるのだろう。詩織はそれをいつも楽しみにしている。