プロローグ~ブレイズ・オンラインランキング一位~
プロローグ~仮想世界一位
カキーン! ハァッ!
俺は今最終クエストボスを絶賛攻略中だ。
今俺がやっているこのゲームの名前は「ブレイズ・オンライン」このゲームは二千二十五年にディファレント社から発売された日本初のバーチャルゲームだ。
そのゲームでの俺のランキングは一位。ブレイズ・オンラインユーザーの中で一番最強の俺が今こうして最前線で攻略に励んでいるわけだ。
もうこのゲームを初めて半年にもなるが……。
未だにフレンド数ゼロ
パーティーに誘われた回数ゼロ、デュエルを申し込まれた回数五百以上。
どうやらあいつらは、このゲームのトップランカーの俺とフレンドになりたい人より俺を一位の座から引きずり下ろしたい人の方が多いようだ。
だから俺は毎日最前線にソロで挑んでいるわけだ。
カキーンッ! カキーンッ!
これで最後だ!くらえっ!
「……。(爆発音)」
よしっ!やっと最終クエストまで攻略出来たぞぉ~!
こりゃ~街に帰ったらお祝いだなぁっ! まぁ~一人だけど。 アハハハ!!
そして俺は街に向かって歩いていた。すると岩場の方で誰かが倒れていた。俺は走って駆け寄り肩に手を置き揺さぶりながら安否確認を行った。
おい!大丈夫か!?
って!こいつ女の子じゃねぇーかよ!こんな最上級フィールドに女の子一人なんて無謀もいいとこだぜ。
おい!お前生きてるのか?死んでるのか?
いや、待てよ。このゲームではもしフィールドでライフが無くなったら自動的に街にリスポーンされるはず…って事はこいつはまだ生きてる!!
ともかく早く回復させねぇーと、とりあえずこの即回復ポーション飲ませるか。
「んっ、んんっ。」
よし、これで大丈夫だろ!
「……(機械音)」
なななな、なんだこの機械音?
「再起動準備中…。」
「再起動まで残り七十パーセント…。」
うわぁぁ!なんだこいつ、再起動準備中?こいつまさかロボットだったのか?って事は敵?倒した方がいいのか?いや、でも女の子だしなぁ~。
「再起動完了。視覚良好。聴覚良好。嗅覚良好。触覚良好。メインシステムイジョウナシ。」
おっ!おい!待てよ!ってかなんで最後だけロボットっぽく言ったんだよ。なんのこだわりだよ。
おい、お前名前なんて言うんだ?
「私の名前はプレイヤーサポートエーアイ、type000-01です。」
それがお前の名前か?ちょっと長ぇーしそもそもそれは名前と言えるのか?名前と言うより素体番号じゃないのか?それよりプレイヤーサポートエーアイって言ったよな?
ブレイズ・オンラインにそんなエーアイなんて実装されてないぞ?どいうことだ?
「私はプレイヤーサポートエーアイを今後このブレイズ・オンラインに実装する為に送り込まれた言わば実験体ってわけです。」
えぇっ!って事はよ、まだ完全に実装されていないアイテム?ってことか!?
「そいうことになります。」
マジかよ!ちょーラッキーじゃねぇーか!でも、俺そんなにラック値あげてないぞ?
「私は元々街にある研究所に送られる予定でしたが、その道中で乗っていた飛行機にトラブルがあり、私は飛行機からパラシュートで緊急離脱をしましたがまさかのトラブルパートツーです。なんとパラシュートが開かなかったんです。そしてそのまま地上に落ち気を失っているところをあなたに介護してもらったという経緯です。」
そうだったのか、そりゃー色々大変だったな。って事は今から街に行くんだろ?
だったら俺も着いてってやるよ、俺もちょうど街に戻るとこだしな。なんせここは最上級フィールド、こんな所を女の子一人で歩かせる訳には行かねぇーだろ?
「ありがとうございます。とても助かります。」
いや、いいって!
それより早く行こうぜ!
「はい。」
「ところであなたの名前はなんでしょうか?」
あれ?自己紹介して無かったっけ?ごめんごめん。
俺の名前は「朝比奈 侑」だ!
プレイヤー名はユウ!なんの捻りもなければ普通に本名だけどな!
「ユウ…。それがあなたの名前ね。」
あぁ~そうだ…って!?
「マスター登録完了。マスター名ユウ。これからマスターのサポートにあたります。」
おっおい!どいうこと事だ!マスター登録完了だと?
俺はなにもしてないぞ!?
「すみません。すっかり忘れていました。プレイヤーサポートエーアイはマスターが居ない状態でプレイヤーから自己紹介されると勝手にマスター登録されるんでした。」
えぇぇええ!なんでそれを早くに思い出さないんだよ!
もしこの事が運営にバレたらどうするんだよ!もしかしてアカウント停止とかアカウント没収とかされないよな?せっかくここまで強くなってさっき全クエスト攻略したばっかりなのに~。
「大丈夫です。これは私のミスなのでそれを運営の方にちゃんと話します。だから落ち着いて下さい。多分大丈夫ですから。」
多分ってなんだよ~。
本当に大丈夫だろうな?