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お茶会当日





そしてやって参りましたわアルヴィス邸。

懐かしいですわー。10年振り!

私が大きいせいかしら?こんなに中庭狭かったかしらー?笑


今日はとにかくご挨拶だけして、さっさとリリアンと帰りましょう。




「さあリリアン。さっさと終わらせてお暇致しましょう。」


「来たばっかだろうが…」




自分より下にある頭を見下ろしながら言ったら真っ当な答えが返ってくる。

ふむ。確かにそうですわね。

まあ、あの方々とのご挨拶だけあっさり終わらせてしまえば良いですわよね。


私とリリアンは久々の顔見せということもあってか、周りを大勢の方々に囲まれ、とにかくその場を笑顔で乗り越えていった。


つ、疲れますわ。


そんな時、急に人混みがモーセの如く2つに割れたのです…!



ヤツラがキター



無駄にキラキラした4人組。一周回ってくどすぎて吐きそうですわ。

一瞬顔がひくつくのを、リリアンからの背中ぽんぽんでなんとか堪え、笑顔で挨拶をする。




「ご機嫌よう皆様。この様な会にご招待頂けましたこと、誠に光栄でございます。」


「やあやあクラリス嬢。本当に久々だね!また綺麗になったんじゃないかい?」


「うふふ。勿体ないお言葉ですわ。」



皇太子殿下のシェルマン様がめっちゃ近づいて来たので、ひょいっと一歩後ろに下がりました。

お互い笑顔で応戦する。


うふふふふふふ…



「久しいなクラリス嬢。元気にしていたのか。」


「ええ。それはもう。昔が嘘の様に元気でございますわ。」



カイル様話しかけてくんなー。

なんですのその笑顔?私たち仲良かったでしたっけ?



「クラリス嬢、最近我が家の展示会でお見かけしなかったようですが?」


「母が立ち上げたブランドに夢中で、もう他は見ておりませんの」



ルッツ様よく見かけないとか言えたな。お前のせいで恥ずかしくて展示会に行けなくなったんだよ。アホか。




「クラリス久しぶり。すごく素敵になったね。昔が嘘みたいだ」


「…うふふ。ジュリアス様こそですわー。」



呼び捨てにすんなクソやろー。

あら嫌だ。呼び捨てにすんなですわこのナンパ野郎。



もう限界なんなの泣きそうですわ。

こいつらすごい話しかけて来ますわ。

ストレスがすごすぎて無理!


思っていたよりも彼等はグイグイと私に近づき話しかけてくる。そして後ろに後退する私。

目を合わせたくないのに…近い…!

もう…限界…!




「皆、そして殿下。申し訳ないのですが、クラリスと私は別件でそろそろお暇しなければなりません。場を乱すようで恐縮ですが、本日は失礼致します。」



スッと私の前に立つと、リリアンは私の手を取り庭園から連れ出してくれた。

安堵と我慢していたせいで目から涙が落ちてきた…


く、くやしい~



「おいおい泣くなよ」


「だって、悔しいですわ…!私のこと、絶対今も馬鹿にしてますわ…!」


「いや、多分どちらかといえばそうじゃねえと思うけど、まあ今は帰って2人で茶会しようぜ」


「う…うぇ…っく…そう思って、お菓子作って、来ましたわ」


「お!流石だな!よしそしたらパーティーだ。」



リリアンに手を引かれながら、思ったよりあの面々と会った衝撃が大きかったことを実感した。

悔しいし、何故か目が合うと鼻の奥がツーンとして、涙が溢れてきそうな感覚だった。

あー。だめだめ。次はしっかりしないと。

やり返してやるつもりでいなければ。



私は心に固く誓ったのでした。






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