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3日前 リリアン視点






今俺の目の前にいるこの令嬢は、まだ昔のことを気にしているらしい。

まあ確かにこの令嬢でなければ、トラウマで引きこもってしまっていたことだろう。


クラリスはあの爺様の特訓もあってか、とにかくメンタルが強い。もちろん多少なりトラウマは確実に抱えているし、時折辛そうにするが、騎士道精神が根っこにあるのだ。


"汝、愛しい国家と国民を愛し、鋭き剣と強固な盾であれ"


爺様の口ぐせだ。クラリスはそれを忘れていない節がある。人に対して甘いのだ。


正直、幾度と振られたクラリスは影では傷物扱いも受けている。

婚約破棄されたわけではもちろんないのだが、相手が有名過ぎたのだ。

それさえなければ、正直貰い手はいくつもあると思う。



そう俺には謎なことが1つある。



こいつは顔がいい。



そうこいつは顔がいいのだ。

すらりと伸びたスレンダーな体型に、キラキラ光るグレージュの髪の毛はシルバーに近い。紫色の瞳だって、切れ長のぱっちりした二重とそれを囲む長い睫毛に縁取られている。

女性的というよりは中性的に近い美しさがある。

あんなに剣の練習をしていたが、肌はくすみひとつない真っ白な陶器のようだ。


幼い頃は、髪型のせいもあって確かに男児にしか見えなかったかもしれないが、それを補うだけの美しさはあったように思う。


まあ、後はこいつの男運というか、見る目の無さが一番問題だと思うが。


だが、今のこいつなら求婚者が後を絶たないとすら断言できる。だが、それがないのだ。

なぜか?…まあ憶測に過ぎないし、俺は様子を見させてもらうけどな。




我が家はクラリスのノッガー家と懇意にしている。三大公爵家の1つスターリー公爵家だ。我が家は代々宰相を輩出してきた。それはカイルのアルヴィス家も同様で、スターリーとアルヴィスは、代々宰相はどちらかになり、宰相出ない方は財務長官をに担う習わしだ。俺も例外ではなく、おそらく次に襲名するのは俺かカイルの可能性は非常に高いだろう。



俺は出来たらあの女癖の悪い殿下の下には着きたくはねえけど…

でも、まあ財務長官になって地方各地に赴くよりは、宰相になってこうやってクラリスの菓子も食いたいから、一応頑張ってみる予定ではある。



まあカイルも簡単に折れてはくれねえだろうから、どうなるかは分からねえけど、とりあえず明日の茶会で様子見ってとこかね?



ああ、あとちなみに俺は俺に昔求婚してきた奴らにはもれなく一度やりかえしてるからトラウマなんて一切ねえよ?


人目のないところで弱者ボコるのって、我ながら最低だけど、吠え面最高だわー。








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