とりあえず最後 カウント4人目
7歳までに3回振られた私は、9歳まで次の一目惚れはせずにおりました。これ運が良かったと思うべきでしょうか?
そして私の9歳から10歳の誕生日パーティーでまたもや事件は起こったのです。
私のお誕生日当日、お父様とお母様の口添えもあってか本当に多くの方がお祝いに来てくださいましたの。中にはもちろんトラウマのお三方もいらしておりましたが、その日に関してはお父様とお母様が近づかないようにうまく間合いを取ってくださったので、そこに関しては平和に終わりそうだったのですが…
その日はなんと皇太子殿下もお祝いにいらしてくださったのです!
両開き扉が開き、そのお姿の神々しさといったら…!
皇太子殿下はシルバーの髪に瞳の色は赤と青のオッドアイで、その神秘的な見た目から、令嬢たちの憧れの的でしたの。いらしてらっしゃるご令嬢方も皆さま物凄くテンションが上がってらっしゃいましたわ。
かく言う私も、本当に感激して嬉しくて頰が紅潮しておりましたわ。
もうお分かりですわね?一目惚れでございます。
そして殿下が私の前に来てくださってこうおっしゃいました。
「うーん。ごめんね君とは婚約出来ないや。」
「…え!?」
「君ぜんっぜん好みじゃないし、しかも何その髪型?少しはご令嬢らしくしなよ?」
はい。トラウマです。
私にお祝いの言葉もないですし、まず告白する前に振られてしまいましたし。マナーとはこれ如何に?
ちなみにこの日殿下は、婚約者候補を探すためにいらっしゃったとのこと。私の誕生日パーティーですのに、わざわざこの日を選ぶなんて、本当にいい性格してらっしゃいますわよね。
殿下がいらっしゃってからはご令嬢は皆様そちらにお行きになったので、殿下に人が集まり、私の周りはスッカスカ。
貴族のご子息の皆様も殿下に覚えて頂こうと必死そうですわねえ。
…誕生日ってなんだったかしら?
流石にお父様とお母様も殿下に交渉しに行ってくださったけど、帰ってくださる気配なし。
仕方ないので泣きそうになるのを我慢して、私は私自ら部屋に戻りました。
お誕生日でしたし、部屋から出てくるように何人も人が来たようですが、泣き過ぎて眠っていたので、全く気づきませんでした。
そして次の日私は決めたのです。
とにかくまず髪の毛を伸ばそう、そして似合う服を探そうと。
ちなみに気づくのが遅かったのは認めます。
そして、私の内面を見てくださる方を探そうと。
出来たらブスにも優しい方がいいと。
そう私はここでようやくお父様に訴え、髪の毛を伸ばすことや更に厳重にマナーや作法などを学ぶこととなったのです。もちろん剣の授業も受けていますわ。何かあってもすぐ殺れませんとね。
母には服についてやメイクについて、あとヘアスタイルなども教えていただきました。
そして今の私が形成されました。
さて、何故こんなに私の長い失恋話をしたかと申しますと。
来月、高等学園の入学式だからなのです。
そう、そこには彼等も入学するのです…
あの4人が…!
とにかく関わらないつもりでいますし、10歳の誕生日から彼等を避けて避けて避けまくって、社交界デビューも他国でした私ですよ?
おそらく彼等はそんなこと気にもしていないとは思いますが…
何にしても、平和な学園生活のためにも彼等とは関わらず、頑張りますわ!
ちなみに、私にはまだ婚約者はおりません。
学園で出会えると良いなあと実は少しだけ期待しておりますの。