カウント2人目
つまらないですが、もう少しお付き合いください。
次に私が振られたのは、オールセイ伯爵の次男のルッツ様でした。オールセイ伯爵家はもともと、オールセイ商会として行商を行なっておりましたが、国への貢献度の高さから、王家より貴族の称号を経た一族で、その歴史は遡るととても古いそう。爵位は伯爵ではありますが、我々3大公爵家にも引けを取らないとまで言われている名家なのです。
そんなオールセイ商会は、貴族ではございますが貴族への服飾品の販売をメインにしているため、貴族の御婦人のファンが多く、中でもうちのお母様は上顧客…毎月、ひどい時は毎週の様に我が屋敷では新作お披露目のために、行商人が入り浸っておりました。
そんな時、オールセイ伯爵とルッツ様が、お母様(金づる)に挨拶にいらっしゃいましたの。
当時6歳の私とルッツ様は同い年。そしてルッツ様のヘーゼルナッツ色の髪の毛にアーモンド色の大きな瞳、猫を思わせる容姿ですが、横顔の凛としたその雰囲気…私一目惚れしてしまいましたの。
「私と結婚してくださいませ!!!」
「見た目男となんて絶対嫌です。というか鏡お待ちですか?」
「「このバカ息子(娘)ーーーー!!!!」」
申し訳ない!と勢いよくオールセイ伯爵に頭を下げられてしまい、かたやお母様からはお買い物中にまた!空気を壊さないで頂戴!と怒られ、またもや泣く機会を逃し茫然とする私。
そして完全に鏡見ろやブスな返答に私の血の気は引き、お父様から怒られたことで酷く私を睨み続けるルッツ様へのトラウマ、成立致しました。
あの冷めた目を思い出すだけで…今にも目から星屑が零れ落ちそうです。
ちなみに、今の私の見た目はデカイ、髪長い、髪グレージュで目は紫、色は白いがとにかくデカイ。そんな感じですわね。
その当時6歳の時には130センチでしたし、椅子に座っていたとはいえ、恐らくルッツ様よりも大きかったですし…
勘違いされても仕方ないことですわよね。
この2人目でお気付きの通り、私当時は面食いでしたの。自分の見た目ですか?
当時は、お父様とお母様に可愛い可愛いと育てられましたので、可愛いと勘違いしてやがりましたの。それは完全に親バカだっただけですのに、そんなことに私10歳まで気がつけませんでしたの。
今思えば、確かに鏡見ろやって感じですわよね。
剣の稽古のためとはいえ、お父様の趣味の短い髪の毛に私の好みのブリブリヒラヒラなドレス…今考えれば、そんなひどい見た目で人様の前に立っていたことが恥ずかしいかぎりです。
ちなみにその後ルッツ様とお会いする度、射殺さんばかりに睨まれ続けた私は、その後オールセイ商会の展示会などには全く参加しておりません。
とにかくこれで2人目。
あと2人ですわ。もう少しだけお付き合いくださいませね。