初めて振られた。カウント1人目
拙い文章ですが、お付き合い頂けると嬉しいです!
「僕、この子とは結婚したくない…」
そう、思えばここから私の幾度もの振られ人生とトラウマは始まったのでした。
まずは私の過去からお話し致しますわね。
…そうその始まりは今から10年前の春、母に連れられたお茶会で私は、彼に一目で恋に落ちました。
彼とはアルヴィス公爵家の長男のカイン様。美しい金色の頭髪に白い肌、グリーンの瞳はさながら天使のよう…齢5歳のまさに天使な姿に周りの目は釘付け、私も釘付けでした。
母と共にご挨拶に伺った私、あ、申し遅れました。私、ノッガー公爵家の長女のクラリスと申します。そうこの私がご挨拶に伺った際、まあはじめの文章を見ていただければ分かるかと思いますが、母同士が婚約の話になりまして…私も一目惚れでしたし、すぐさま言ってしまいましたの…
「私と結婚してくださいませぇー!!!」
「嫌…母様、僕この子とは結婚したくない。だって男の子なのにっ…!!?」
「「!!!???っうちの子が失礼致しましたわ!」」
告白からコンマ5秒で振られた私、焦る両公爵夫人。しまいには男の子と勘違いからの、振られた方ではなく振った方が号泣し、周りのカイン様目当てのご令嬢たちまで大泣きする始末…
今思えば、お母様たちからしたらまさに地獄絵図でしたでしょうね…
そんな私の見た目でございますが、この喋り方と声だけなら大変美しい令嬢と評判でございますが…否、私の見た目は完全に令嬢のそれではございません。
数多くの見た目も華奢で可愛らしい、フンワリドレスが似合う令嬢ばかりのこの世の中で、なんと私身長が175センチもございますの。平均は155センチほどでしょうか?
この身長ですから、どうしても周りのご令嬢より恰幅も良いですし、なんならお父様は騎士団団長…私の剣の腕も折り紙付きですわ。
体型は痩せ型ではございますが、私女性らしい胸の膨らみはほぼございませんの。(遠い目)
そして当時もすでに身長は120センチ。カイル様は100センチほどで、しかも私その当時は5歳から10歳までお父様の趣味でショートカットでしたし、今思えば振られて当然といえば当然でしたわね。その髪型でのヒラヒラふわふわのドレス…あ。ちなみにそのドレスは当時の私の好みでしたの。
お洒落といえばこの人と名高いお母様の娘でございましたが、私は当時どんなに言われてもこの手のドレスを着たくて仕方なかったので、滅多に泣かない子どもでしたが、着せないと手のつけられないくらい暴れたものです。
ええもうそりゃあすごかったですわよ。屋根に登るわ、剣を振り回すわ、お母様の大事な宝石類を盗むわ、お父様のお仕事の重要書類に火を近づけて脅すわ…その他諸々です。
話が脱線しましたわね。
でもここから、本当にここから私の振られ人生はスタート致しましたの…
しかも私って、どうしてか5〜10歳までの間、それはもすぐ一目惚れをしてしまいまして…お恥ずかしい限りですわ。
お気付きの通り、私あと3回ほど振られますわ。
そしてこの記念すべき初振られにより、私はまずカイル様がトラウマになりました。私の顔を見て、恐怖で号泣したお顔…今思い出しても、心が痛いですし、鼻の奥がツーンと致しますわ…
というかあの時私も泣きたかったのですけれど、幼いながらにやっちまいましたわーと思っていましたので、泣くことよりもはや青ざめることしかできず、そしていつも過去を思い出して泣きそうになっていますの。
あ。ちょっとお待ちくださいね、今乾かしますので…(手で目をパタパタしている)
…よし、オーケイですわ。さあ、次に参りましょうか。