3話
むつも颯介の真剣な表情に気付いたのか、気を引き締めるように真剣な顔つきをしていた。
「祐斗君を呼び捨てで、何で俺はさん付けなの?」
「え?…だって年上だし?」
「宮前さんの事はちゃん付けなのに?」
呆気に取られたような顔をしていた、むつだったが少し考えるように間をおいた。
「颯介さん、なら良い?流石に呼び捨てでは呼べないよ…颯さんのが言いやすかったけどなぁ」
むつは、少し考えるように悩みながらエレベーターに乗り込んだ。颯介と祐斗も続いて乗り、閉ボタンを押した。
「てか、颯介さんも祐斗君って呼び方変えたの?」
「子供みたいに呼ぶなって言われたからね。まだまだ子供なのにさ」
「子供じゃないですって‼お酒も飲める年なんですからね‼」
「飲めるったって、ジュースみたいなのばっかりじゃん。ビールとコーヒーをブラックで飲めたら、大人として扱ってあげよう」
ぐりぐりとむつに頭を撫でられ、祐斗は顔を真っ赤にしていた。
「そんなの…すぐですから‼」
「はいはい」
6階に着きドアが開くと、祐斗の持っていた紙袋から白いビニール袋を取り出したむつは、1つを颯介に渡した。
「そっちは、颯介さんのだから。着替えて準備したら下で」
「分かった、じゃあ後でね」
三人はそれぞれ部屋に入っていった。