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3話
ホテルを出た二人は、警察署からホテルに往くまでに見かけたファミレスに行こうと道を渡ろうと横断歩道まで行くと、反対斜線の方から西原が歩いてくるのが見えた。
西原は颯介と祐斗に気付いたのか、手を振っていた。
「西原さん、どうしたんですか?」
「地道に聞き込みのやり直しをね。もしかしたら見落としがあって、迷惑かけるかもしれませんから」
西原は、額に浮かぶ汗を手の甲で拭いながら笑っていた。颯介と祐斗はそんな西原を見て、顔を見合わせた。
「お二人は?」
「昼飯をと思いましてね」
「そうでしたか…えっと、む…玉奧さんは?」
「むうさんでしたら、部屋で休んでます」
祐斗の言葉を聞いて、西原は少しだけ心配そうな表情を見せた。
「そうですか…お引き留めして、申し訳ありませんでした。それでは、また後程」
二人に軽く頭を下げると西原は足早に去って行った。その後ろ姿を颯介と祐斗は見送った。
「みんなして、むつさん、むつさんて…これじゃむつさんも疲れるわけですよ」
少しだけ唇を尖らせ、祐斗はぶちぶちと文句を言った。




