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2話
「終わったぞ」
書き込み終えた西原が振り向くと同時に、むつと颯介は口を閉じた。
「ありがとうございます‼やっぱ先輩はやる事早いよね、正確だし。昔からきっちりしてるのは変わりないね」
むつと颯介は細かな書き込みがされた地図の前に立った。
「範囲と時間が絞れた…けど、これ」
颯介は地図を指でなぞった。4本の道路で、点在して車輪が現れているようで、絞り込めたと言ってもあまり意味は成さないかもしれなかった。
縮小された地図だから、距離は近いように見えるが実際はそうでもないだろう。
「距離が空いてるね、やっぱり六人だけじゃ手が足りそうにないけど…いや、この近いのだけで絞っていけばいいか」
「そうだね、それにしても何か法則性か何かあるかと思ったけど…なかなか、厄介になりそうな…あ、でも移動していくやつだもんね、どっかで引っ掛かるか」
むつも颯介も腕を組み、真剣に地図を見て時折、ぶつぶつ呟いたりしていたが、顔を見合わせて頷くと、冬四郎の方を向いた。




