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2話
むつの提案により六人は一度、警察署に戻る事にした。話がしたいが外で人に聞かれるわけにもいないし、地図をしっかり確認したかったのだ。
来た時と同じ部屋に通されると、むつはガタガタとパイプ椅子をどかし、机の向きを変え始めた。何をする気なのか分からなかったが、冬四郎がすぐに手を貸した。
机を向かい合わせに並べ、椅子を置いていく。そして、ホワイトボードを引っ張ってくると話し合いのしやすいようになった。
よろず屋の三人と警察の三人とに別れて向かい合って座るようにと、むつが言った。
「西原先輩、さっき私達が居た場所は?」
西原は立ち上がり、ボールペンで地図を指し示した。むつも立ち上がると、地図を少しずらした。
「そこを1とするでしょ」
マジックで西原の指し示した道に1と書き込み、ホワイトボードにも1と書いた。
「そこでの目撃件数は?」
「4件だな」
ホワイトボードに書いた数字の横に4と書き、次の目撃現場にも数字をふり、何件の目撃情報が寄せられたかを書いていく。