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1話
「あぁ、そうですよね。すみません…どうお話したら良いものか」
「その車輪って言うのは何の事なんですか?」
照れたように笑い謝る篠田に対してむつは、大方、怪異を目撃して興奮冷めやらぬ、な感じなのだろうと冷ややかさと面倒くささを織り混ぜたような目をしていた。
「車輪…車輪だけが夜な夜な走っているとの目撃情報が多々入ってまして」
「はぁ…トラックの整備不備か故障とかで外れたやつでしょうか?少し前に社会問題になってましたね」
車のリコール問題は少し前にニュースでも、度々取り上げられているのでむつはその事だと思った。
「いえ、そうではないんですよ。…水車みたいに大きな物がですね、炎を纏って走り回っているんです」
「そうですか」
それが、どうしたと言わんばかりの、むつの余りにもアッサリした返答に、篠田は慌てたように言った。
「それを何とかして頂けませんか?」