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2話
それでも、好奇心には勝てないのか祐斗は後ろを向いたままだった。
「どこが好きだったんですか?」
むつが、身を乗り出して祐斗に顔を近付けていった。
「…祐斗君、前を向いて黙ってろ」
そして、ばちんっと強く額にデコピンした。痛がる祐斗を見て、むつは満足そうにふふっと笑った。
「それにしても、安心したよ」
「へ?」
「何が?」
ミラー越しに颯介がむつを見ていた。
「ちゃんと恋愛とかしてきたんだなって思ってね、その年でほら、ねぇ」
颯介の言わんとしてる事が分かったむつは、苦笑いを浮かべた。シートに深く背中を預け腕を組むとふんっと鼻を鳴らした。
「この年で、未経験、ちゅーもまだですじゃ重たすぎるでしょ?祐斗もさっさと彼女つくってやる事やりな。まだ、なんでしょ?」
意味ありげに言われて、祐斗は顔を赤くした。
「経験済みです‼」
「まぁじかよ」




