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2話
「現場案内しながらで良いかと、私の方の件はどうも、そちらの件が起きてる国道沿いの海ですし」
地図を見てみると、海に沿うように国道がはしっているのが分かる。むつたちは頷いた。
「では、さっそく行きましょうか…えーっと、どうしましょう」
「何をかな?」
「私が車を出しても全員乗れませんし…二手に別れる事になりますが」
「それなら、うちの湯野の車を使えば良いでしょう。私たちと、あなた方に別れて」
むつがそう言うと、決まったと言わんばかりに颯介と祐斗は立ち上がった。
「あ、ちなみに私のバイクはしばらく停めておいて良いですか?」
「えっ‼むつバイクで来たのか」
冬四郎が驚いていると、むつがじろっと睨んだ。失言だったわけでもないが、口元に手をあてて冬四郎は黙った。
「そうですね、現場みて回ってどうするか決めてからホテルにご案内しますので」
西原がそう言うとむつは頷いた。そして、西原を先頭に部屋を出ていく。
 




