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よろず屋-物の意思-  作者: 幹藤 あさ
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1話

「さて…所でうちの姫は?」


思い出したかのように山上は、カウンター席の方を覗きこむも見えなかった。動こうとはしない山上に代わって、篠田が立ち上がると座敷を降りた。


バレないようにと、こっそりカウンター席の方を見ると、むつは頬杖をついてスプーンを揺らしながら、ぼんやりしていた。


「ぼーっとしてるみたいですけど」


「飯は終わってるか?」


「スプーン持ってるから…まだ何じゃないですか?」


冬四郎は会話に加わりたくないのか、タバコに火をつけて吸い始めた。


「どうすんだよ、みや。むつがあんなんじゃ仕事無事に終われねぇよ」


山上と篠田の責めるような視線を浴び、冬四郎はタバコをくわえたまま仕方なさそうに立ち上がった。そして、座敷を降りるとカウンター席の方に行った。


「どうする気なんでしょ?」


篠田は山上の隣に座ると楽しそうに、冬四郎の背中を見ていた。


冬四郎は何も言わずにむつの隣に座ると、スプーンを取り上げた。ぼんやりしていたむつは、スプーンを取られた事にも気付いてないのか、手はそのままゆるゆると動いていた。



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